キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

秋の香り

2016-09-28 14:44:01 | 季節
              

              毎年、その秋初めて、金木犀の甘い香りで目覚める日があります。

              今年は今日がその日でした。なっちゃんと朝の散歩に出かけると、

              昨日まで気が付かなかったのに、金木犀の木が華やかな黄色の

              装いです。すると、いつも下のフレーズが頭の中をめぐります。

                 時はうつろいで
                 人は変われど
                 金もくせいは
                 今年も匂う、、、

                  小六禮次郎合唱曲集『金もくせい』第一曲『金もくせい匂えど』より

              

              

                 木の実も色づき始め、

              

                 葉鶏頭や

              

                 紫苑や

              

                 萩や、秋の花が咲き、

              

                 草むらに咲く白粉花や

              

                 朝顔までも、秋の風情です。

              

              奈良と千葉からが届きました。奈良の梨は実家の近くで栽培されて

              いる懐かしい二十世紀、千葉の梨はとても大きな新高という種類。

              少し味は違いますが、どちらもみずみずしくおいしい秋の味覚です。
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彼岸花、咲く

2016-09-24 16:22:42 | 季節の花々
             

             もう何日もお日さまの顔を見ていません。秋雨前線が居座っているのだ

             そうで。居座るような客に、あまり良い性格のやつはいませんからね。

             洗濯物が乾かなくて困ります。それでもお彼岸になり、その名の通り

             彼岸花があちこちで咲いています。

             

             リコリスと総称される花のうち、赤い花は彼岸花とか曼珠沙華とか

             言われますが、この頃は黄色、白、ピンクなど色々な色の花があっ

             てどれもきれいです。他の花と違って、葉っぱがないのでちょっと

             不思議な感じがします。日本ではあまり良いイメージの花ではなく、

             観賞用に栽培されることがなかったのですが、ヨーロッパなどでは

             人気の花だそうです。

             

             雨の間をぬってなっちゃんとお散歩に出かけると、秋の花に出会います。

             

             石の瓶の中に咲いている曼珠沙華、なかなか風流。

             

             横の瓶には紫の水草の花も咲いていました。

             

                 秋あざみや、

             

                 薄や、秋ですねえ。

             

                 キウイもたわわに実っています。
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夕顔

2016-09-21 15:58:24 | 季節の花々
             

             金子みすゞの詩は、童謡らしくやさしい言葉の中に、何か深い、温かい

             ものがあって、ホロリとさせられることが多いのですが、この『夕顔』の

             詩がまさにそう。下を向いて咲く夕顔の寂しさに、胸がじんとなります。

                 お空の星が夕顔に、さびしかないの、とききました。

                 おちちのいろの夕顔は、さびしかないわ、といいました。

                 お空の星はそれっきり、すましてキラキラひかります。

                 さびしくなった夕顔は、だんだん下をむきました。

                        金子みすゞ童謡集『わたしと小鳥とすずと』より『夕顔』

             

             源氏物語でも、垣根に咲く夕顔に目を留めた源氏がその家の住人、

             つまり「夕顔の君」と文をやり取りすることから関係が始まります。

             儚げながら可憐、美人薄命を絵に描いたような女人にピッタリの

             花です。紫式部さんの力量ですね。

                   

             雨に濡れてうつむいた花の様は更にさびしげですが、これの実は瓢箪

             の一種で、干ぴょうの原料です。干瓢巻を食べながら「夕顔の君」を思

             い出すなんて、なかなか面白い感覚です。源氏は干ぴょうなんて食べ

             たでしょうか?平安時代にはまだなかったかも。
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なしのしん

2016-09-19 13:07:35 | 地球
             

             梨の美味しい季節です。食べ終わった梨のしん、二つの種が悲しげな

             目のようで、捨てるのがかわいそうな気持ち。金子みすゞの「なしのしん」

             という詩を思い出しました。

               なしのしんはすてるもの、だから

               しんまで食べる子、けちんぼよ。


               なしのしんはすてるもの、だけど

               そこらへほうる子、ずるい子よ。


               なしのしんはすてるもの、だから

               ごみばこへ入れる子、おりこうよ。


               そこらへすてたなしのしん、

               ありがやんやら、ひいていゆく。

               「ずるい子ちゃん、ありがとよ。」


               ごみばこへ入れたなしのしん、

               ごみとりじいさん、取りに来て、

               だまってごろごろひいてゆく。

                     金子みすゞ童謡集「わたしと小鳥とすずと」より「なしのしん」

            私もお利口さんなので、梨のしんはゴミ箱にすてました。アリさん、お気の毒。

            

            

                秋です、梨以外にも、柿や

            

                葡萄や、果物の美味しい季節です。

                   

                  紫式部の実も、美しい紫色に染まってきました。

                   

                  デュランタや

            

              カタバミや、夏を乗り越えて咲き続けてきた花も、まだまだ元気ですが。

            

            なっちゃんは、「天高く馬肥ゆる」ならぬ「犬眠る」秋のようで、

            日がな一日お昼寝しています。
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朝顔の姫君

2016-09-12 10:22:51 | 季節の花々
             

             さまざまな色の朝顔が、あちらこちらで咲いています。秋が深まるに連れ

             だんだん花が小ぶりになって、自分の季節が終わるのを名残惜しむよう

             に、朝だけでなく昼間も咲き続けるようになるんですって。

                  

           源氏物語の第二十帖は「朝顔」といいます。あまり注目されない地味な帖です。

             

             第四帖の「夕顔」は割とよく知られています。ふとしたことから光源氏と深い

             中になり、その頃光源氏が付き合っていた六条御息所の生霊に取り殺され

             るというショッキングなエピソードですからね。

             

             嫉妬した生霊に取り殺されるなんてことがありうるとしたら、かなりの

             数の女性が、原因不明の変死を遂げることになるでしょうね。

             

             それにしても、悪いのは光源氏です。全く見境なしに、節操なしに、ちょっ

             といい女だと手を出すなんて。紫の上というすばらしい正妻がいるのに。

             今だったら最低のゲス野郎です。でも魅力的なんでしょうね。

             

             ところがこの二十帖の朝顔の君は、光源氏のかなりしつこい求愛にも、

             過去の女達のように、一時の快楽の後に捨てられて、つらい思いをす

             るのはいやだと、ことわり通すのです。賢い女性です、見方によっては

             つまらない人?でも、あの光源氏をふるなんて、ちょっと小気味いい。

               
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小さい秋を見つけに、なっちゃんと朝散歩

2016-09-10 15:41:37 | 季節
                 

              朝6時前からなっちゃんと朝の散歩に出かけると、まだまだ暑い!

             「休憩」とばかりに一旦座り込むと、しばらく動きません。でも、風が

             どことなく涼しいような。私はその間ちょこっと小さな秋を探します。

              

                     ほらもう秋の空。            

                 

                     でも、なっちゃんは知らん顔。

              

                    萩の花が咲きはじめています。

              

             秋の七草の一つ撫子も、その英名の通りかわいいピンクの花をつけています。

              

              これは最近知ったのですが、ナナカマドの花だそうです。もっと秋が

              深まれば、葉が燃えるように紅葉する木です。

                  

              なっちゃんもちょっと周りを見てごらん。小さな秋に出会えるよ。
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ひるがお

2016-09-06 15:43:19 | 季節の花々
               

             昼顔は朝顔とは違い、野生の花。特に浜昼顔は地面にはいつくばうように

             して、海岸の砂地などに咲いています。そう大きくもない薄紅色の花です。

               

             この地味な昼顔が朝井まかての時代小説『阿蘭陀西鶴』の中で、半ばキー

             ワードのように効果的に使われています。これは江戸時代の戯作者井原

             西鶴と彼の盲目の娘おあいの物語です。フィクションですが、出来事、

             登場人物等、朝井まかての他の時代物と同じく、史実に基づいているよ

             うです。西鶴が娘を伴って、淡路島へ行きしばらく逗留する場面があり

             ます。その淡路島で、おあいは昼顔が一面に咲く浜辺を訪れます。最近

             この小説を読んで、私も今年の初夏に淡路島を訪れ、昼顔が一面に咲く

             光景を目にしていたことを思いだしました。写真も数枚撮っていました。

               

             三百年余りの時を経て、二十六歳でなくなったらしい西鶴の娘と同じ景色

             を見ているかもしれないと、後追いの記憶ながら、不思議な感覚にとらわ

             れました。おあいは目こそ見えないけれど、いやそれゆえに料理、裁縫な

             ど完璧にこなしたということです。それは若くしてなくなった母、つまり西鶴

             の妻に手取り足取り仕込まれたおかげでした。その母が愛した花が昼顔。

             この小説では、西鶴がこの花に愛妻の面影を重ねていたとされています。

             家の垣根にも町家では珍しく昼顔を這わせ、おあいの杖にも昼顔の彫り物

             が施されていました。「可愛らしゅうて、我慢強うて、ちょっと強情なとこのあ

             る色」西鶴は盲目のおあいに昼顔の色をきかれて、こう答えたとあります。

               

             「可愛らしゅうて、我慢強うて、ちょっと強情な色」まかてさんの創作かもしれま

             せんが、若死にした恋女房に対する昼顔に託した西鶴の詩才躍如の表現です。

               

               
阿蘭陀西鶴
朝井 まかて
講談社
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夏の花から秋の花へ

2016-09-03 10:58:48 | 季節の花々
              

              猛暑の中で雄々しくも鮮やかな姿を見せていたカンナもそろそろ

              くたびれてきたよう。

              

              夏前から咲いている百日草は、その名の通りまだまだ元気です。

              

              空き地に自生しているミョウガもどんどん花を咲かせています。ここ

              まで咲いてしまうと、実がなくなって食べるのはアウトのようです。

              

              その横にこんな可愛い花も咲いていました。ルクリア(においざくら)

              とかいう花の一種のようですが、ルクリアは開花期が冬なんですよね。

              もしかしたら、全然違う名前の花かもしれません。野辺に咲く花もほ

              んとに多様です。観賞用の花がその辺に捨てられて野生化した、な

              ていうのがままあるようです。

              

              オシロイバナも、あちこちにたくましく自生しています。何時見ても

              開いているように見えますが、夕方に開くことが多い花だそうです。

              そのため、「夕化粧」なんて呼ばれたりします。英語ではfour o'clock

              flowerって言うんですって。

              

              そんな夏の花々に混じって秋を告げる花も咲きはじめました。

              キバナコスモスは普通のコスモスとは違う種類のようですが

              同じキク科の花ではあります。これが咲くと、そろそろ秋だ

              なと感じます。

              

              もう秋明菊も咲いていました。歌にもある通り、日本の秋には

              菊の花が似合います。

              
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