ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

お気に入りボサ・ノヴァ 10撰

2009年04月20日 | 名曲

          ♪ボサ・ノヴァ生みの親のひとり、アントニオ・カルロス・ジョビン先生

 
 天気は下り坂のようですが、そろそろ初夏の陽気を思わせる暖かい日が続きました。こちらでは気温も連日25度ほどにあがり、日中は半袖でちょうど良いくらいです。
 そんな中、本日もお題を頂きました。すっかりベスト・テン・ブログと化した今日この頃ですが、リクエストはlavender80さんからで、「ボサ・ノヴァ10撰を」とのことです。おかげでまたネタ探しに悩まずに済みました。ありがたいありがたい(^^)。


 でも、ぼくはボサ・ノヴァを深く聴きこんだことはないのです。聴く時はいつもBGMがわりに軽く流してます。優しいビートが左右にゆる~く揺れながらゆったり流れるボサ・ノヴァ、目を血走らせてステレオの前で聴き入るというのはどうも似合いませんね。むしろ強い日差しを避け、木陰にハンモックでも吊るして、涼しい風に吹かれて波の音でも聴きながら、のんびり聴くのが似合うのではないでしょうか。側にビキニの美女と冷たい飲み物でもあればなおサイコー♪


 しかし、深く聴きこんだことはありませんが、演奏したことは山ほどあるのです。とくにジャズのステージではよくセット・リストにあげられます。もちろんラテン系(サンバとか)のステージではボサ・ノヴァは必須科目です。
 ジャズ系ボサと本場ブラジル系ボサではノリが少し違うような感じがします。基本的には同じなんですが、ブラジル系のほうがよりゆったりしている感じです。
 ともかく次点を含めて12曲挙げてみましょう~ 今日は次点と1位以外は順不同です。


次点 ノー・モア・ブルース、おいしい水
* ブルー・ボサ
* サマー・サンバ
* ジャズ・サンバ
* ワン・ノート・サンバ
* コルコヴァード
* ディサフィナード
* 黒いオルフェ
* リカード・ボサノヴァ
* ウェイヴ
1位 イパネマの娘


 ものの本によると、1950年代の終わりに、アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モライス、ジョアン・ジルベルトの3人が出会ったことで一気に形を成した、比較的若い音楽ということです。1960年代にブラジルでブームが爆発したほか、1962年頃からアメリカでもブームとなりました。とくにジャズ・ミュージシャンがボサ・ノヴァのリズムを取り入れたことから広く親しまれたみたいです。そのジャズ系ボサの代表的なものが、「リカード・ボサノヴァ(ザ・ギフト)」と「ブルー・ボサ」だと思います。「リカード~」はハンク・モブレー、「ブルー~」はケニー・ドーハムやジョー・ヘンダーソンで有名ですね。


 「ワン・ノート・サンバ」や「サマー・サンバ」は、「サンバ」とはいっても、比較的アップ・テンポなボサ・ノヴァといったほうがいいかも。これらや「オルフェのサンバ」、「マシュ・ケ・ナダ」などは、テンポは快調だしメロディは明るいしで、ライヴでもノリノリになる曲です。


 メロディーが美しいのは「ウェイヴ」とか「コルコヴァード」、「黒いオルフェ」などでしょうか。ボサ・ノヴァではあまりベース・ソロは取らず(でもぼくはしつこくソロをとります^^)、堅実にルートと5度を弾き続けるパターンが多いのですが、これらの曲はメロディーを聴いているだけでも心落ち着く佳曲なんです。で、曲が良いからつい強引にソロを取りに出て行くという・・・(汗)


 もともと4ビートのスタンダード・ジャズでも華麗にボサ・ノヴァに変身します。よく取り上げられるのが「酒とバラの日々」とか「ナイト・アンド・デイ」。小野リサさんなんか、「チャタヌガ・チュー・チュー」とか「ムーンライト・セレナーデ」などの有名なスタンダード・ナンバーをよく題材にしていますよね。
 また「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などの3拍子もボサとして演奏することがあります。
 テーマだけをボサ・ノヴァにして、ソロ部分を4ビートにするとか、ノリが良くなって曲終盤にサンバのリズムにチェンジしたりとか、そういう楽しい仕掛けをしたりもします。


 さて1位にあげた「イパネマの娘」です。もっとも知られているボサ・ノヴァ・ナンバーではないでしょうか。原題は「Garota De Ipanema」。英題は「Girl From Ipanema」です。ちなみに「イパネマ」とは有名なリゾート海岸のことらしいです。
 この曲、とくに女性シンガーはタイトルを「Boy From Ipanema」とし、歌詞も「Girl」を「Boy」に変えて歌う場合が結構あるみたいですよ。
 また、MCでややナマリ気味に、わざと「印旛沼の娘」(笑)と紹介していた某女性シンガーもおりました。でも、他の地方へツアーに行った時など、その当地の地名を織り込んで、「Girl From *****」と歌うケースも多いですね。


 これから迎える夏にはボサ・ノヴァがピッタリ! 気だるいムードで聴くもよし、ノリのよいテンポでテンションを上げるもよし、です。ギターの弾ける人はガット・ギターを爪弾いてみるのもまた一興ですね。もちろん、ピアノの弾き語りにも合いますよ~ 管楽器だとフルートが威力を発揮するかも~
 くどいようですが、水着姿の美女(美男)もお忘れなく!



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12 コメント

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ボサノバといえば (けい)
2009-04-21 15:29:20
昔 友人が呼んでくれてみんなで仙台で聴いた小野リサを思い出します。
初夏のさわやかな風の中で聴きたいなぁ。わたしは小野リサが特に好きというわけではありませんが、ボサノバの雰囲気は好きです。カフェで美味しい飲み物を飲みながら本でも読みたい そういう気分になります。
ベティ&ステッフのボサノバが気に入ってます。
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ありがとうございます♪ (lavender80)
2009-04-21 18:18:31
さっそくのベストテンリスト、嬉しいです^^
ふわっとした感じが耳に心地良く、α波が流れる感じが好き。BGMにぴったりですね。
夏の避暑地の昼下がり、風にそよぐレースのカーテン。
あら素敵、緑の木陰にハンモック。名前はハービーね(え゛?)

言葉がわからないせいか、タイトルも歌詞も全然気にならず、MINAGIさんリストも「ん?聴けばわかるかな?」が多いです。(すみましぇん。ようつべでチェックするぞなもし~^^;)

子供時代に聞いて印象に残っているのは、セルジオ・メンデスとブラジル'66の「♪終~わりア~イオ」(マシュ・ケ・ナダ)や、「フール・オン・ザ・ヒル」。「印旛沼の娘」楽しそう♪「田辺マリア」に聞こえる曲もありました。「祈り」だったかな?

水着姿の男子…う~む。なぜか、水泳大会の、スターにしきのや西城秀樹が浮かんできました。(タイプではありませぬ。)せっかくなので、BGMは「ギャランドゥ」のボサ・ノヴァ風アレンジでお願いします♪
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けいさん (MINAGI)
2009-04-21 19:45:38
小野リサさんはぼくもあんまり聴いたことがないのですが、人懐こい笑顔がとてもステキですね。彼女の奏でるボサノヴァって、充分本場でも通用する、という評をどこかで読みました。
仲間内で好きなミュージシャンを呼んで演奏してもらうってなんてステキで贅沢なんでしょうか。
ベティ&ステッフって最近のデュオですよね。たしかカナダ出身なんですよね。けいさん推奨とあらば、これも一度じっくり聴いてみなければ。(^^)
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lavender80さん (MINAGI)
2009-04-21 20:06:16
いえいえ、どういたしまして(^^)
ゆる~いボサも心地よいですけれど、少々アップ・テンポのボサがこれまた体が自然と反応する感じでカッコよいのです~
夏の避暑地で聴くボサノヴァ、いいですね。どこか避暑に出かけたい気持ちはあるのですが、毎年一度か二度、日帰りで海へ出かけるだけでガマンしております。でもその時のBGMはやはりボサが似合うんですよね(^^)
リストに挙げた曲、おそらく聴けば分かるものが多いと思われますよ。
「マシュ・ケ・ナダ」、時々演奏してました。これこそ典型的なノリノリ・ボサ!いつも熱くなって汗ダクダクで弾いたものです。
「フール・オン・ザ・ヒル」はビートルズ・ナンバーですよね。セルジオさんもいろいろ取り上げてるんだな~
むむっ、西城さんやスターにしきのさんがタイプでない、ということはもしかしてlaveさんは超メンクイか?(笑)しかし彼らのシマッた体は今のぼくには超憧れです(汗)。ついでに水着美女にも憧れております(^^;)
「ギャランドゥ」、今想像してみたけど、ちゃんとボサになるなる~(^^) 
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こんばん和! (Nob)
2009-04-22 00:26:47
おお、ボサノバも来ましたか!
こうなったら、演歌もやらなくちゃ(笑)
春から夏にかけては、やはりボサノバです。
私も大好きですが、結構、曲とタイトルが一致しなかったりします(汗)
確かに、軽~く聞き流す雰囲気ですからね(笑)
このラインナップ以外には、
ジョピンの「ハウ・インセンシティブ」も好き~♪
http://www.youtube.com/watch?v=_dfG6BM75uY&feature=related
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おはようございます (波野井露楠)
2009-04-22 06:22:53
さすが、MINAGIさん!
いろんなジャンルに詳しいんですね(^^)。
ボサノバはほとんど知りませんが、かろうじで「黒いオルフェ」「イパネマの娘」は知ってます(^^;)。
でも、「印旛沼の娘」には笑いました(^^;)!
みなさん、印旛沼ってご存知でしょうか(笑)?
千葉県の小学4年生は社会の勉強で、全員印旛沼の開発(歴史)の勉強をするんですよ~(^^;)!
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イパネマの娘 (カント)
2009-04-22 15:52:59
やっぱりこれにつきますね。
ボサノバ聞くとクターッとなるから、きっと脳も休んでますよ。

私はセルメン聴きに行った事があります。
66じゃなくて、もっと大人になった(?)の。マシュケナダ、盛り上がりました。

次点の「おいしい水」も大好きです。
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Nobさん (MINAGI)
2009-04-22 19:25:03
こん場んわ!
おやん、Nobさん、夜更かしはお肌の大敵ですぜ。
演歌ベストテン、そのうちにここでも発表してみましょうか(^^)
そうそう、これからはボサ・ノヴァの季節です。Nobさんも水着に着替えてデッキ・チェアかなにんに横になりながらボサに浸ろうではありませんか。
あ、youtubeありがとうございました。早速拝見しました。「ハウ・インセンシティブ」、これも何度か演奏したことがあります。ちょっとしっとり目の、雰囲気のある曲ですね~
小野リサさんの隣でサックスを吹いてるのはもしかしてナベサダおぢさま?なんか似てる気がします~
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波野井露楠さん (MINAGI)
2009-04-22 19:30:47
こんばんは~ 体調はいかがですか。
いえいえ、詳しいというほどではないのですが、たまたま幅広いジャンルで演奏する機会があったのが幸いしたんでしょうね。おかげで浅くではありますが、やや広い範囲のものを聴くことに恵まれております~(^^) 波野井先生の、「良いものはジャンル問わず聴く」という姿勢も見習わせてもらってますよ~
むむっ、印旛沼は地元民衆により密着した存在なんですね。ぼくは「印旛」という地名は、あの野球強豪高校の名前で覚えましたよ。
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カントさん (MINAGI)
2009-04-22 19:37:39
あっ、黒魔術のカントさん(笑)
カントさんもやはりイパネマですか。
そうそう、実際のボサは打楽器を入れないことが多いらしく、あまりしゃきしゃきビートの出ない、ゆったりした雰囲気なんですよね。たしかに脳も体も休まる気がします。
おっ、生セルメンの体験ありですか。彼はボサ・ロックという感じがしますね。「マシュ・ケ・ナダ」はわれわれが演奏しても盛り上がる、カッコいい曲ですね。リストには入りませんでしたが、ぼくも好きな曲です。とくに演奏してハイになるのが(笑)。
「おいしい水」もセルメンが有名にしたんでしたっけ。こちらはしっとり演るのも悪くないですね~
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