ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ドント・ルック・バック・イン・アンガー (Don't Look Back in Anger)

2007年10月26日 | 名曲

 
 ぼくは1980年代の後半くらいに本格的にジャズに目覚めて、買うCDもほとんどジャズになってしまいました。そのせいで必然的にロックからは遠ざかることになってしまい、最新の曲やバンドから取り残されたかっこうになりました。
 ひとくちにジャズといっても、1950年代のハード・バップ以降だけでも膨大な数のアルバムが発表されています。主だったものを聴いてゆくだけで手いっぱい、そのため、他のジャンルの音を聴く機会も極端に少なくなりました。ジャズを演奏していたので、「勉強」がてらジャズに没頭せざるを得なかったのです。そんな偏った日々が10年以上続きました。


 5~6年くらい前から、あるピアニストと組むことになったんですが、彼はとても引き出しが幅広く、建前は「ジャズ・ピアニスト」であっても、いろんなジャンルの曲を演奏していました。当然ベースを弾くぼくにもそれを要求してきます。ジャズはもちろん、最新のヒット曲、演歌、ポップス、ラテン、ゴスペル、ブルーズ、そしてロック。そのおかげでぼくは再びいろんなジャンルの音を片っ端から聴くようになりました。
 手っ取り早いのは、いわゆるコンピレイション・アルバムを聴いてゆくことです。その中の「~MIX~」というタイトルのアルバムに収録されていたのが「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」でした。


     
     ノエル・ギャラガー


 オアシスというバンドは名前を知っている程度だったんですが、「ドント・ルック~」を一聴したぼくはすぐにこの曲が好きになりました。あんまり気に入ったので、一日中この曲だけを流していたこともあります。
 この曲は、彼らのセカンド・アルバム『モーニング・グローリー[(What's The Story)Morning Glory?]』に収録されています。
 ノイジーだけれどツボを心得たギター、メンバーのギャラガー兄弟がビートルズ・フリークだというだけあって、迫力ある演奏の中にもくっきりと浮かびあがるキャッチーなメロディー、などが特徴です。


     
     リアム・ギャラガー


 バンドのリード・ヴォーカルはリアム・ギャラガーですが、この曲で歌うのは兄のノエル・ギャラガー。ノン・ヴィブラートで歌うノエルの歌は、決して巧くはありませんが、かなり説得力があると思います。
 バックに流れているメロトロンがいい雰囲気を出してます。中間部のギター・ソロも、決してテクニックをひけらかすわけではなくて、聴きやすくタイトにまとまっています。少々ダルにグルーヴするドラムスも心地良いです。


     
     『モーニング・グローリー』


 この曲は、オアシスのライヴのハイライトでよく演奏されるもので、その時には観客席も一体となって、会場全体で大合唱する曲でもあるんですね。
 日本では、サッカーの名古屋グランパスエイトの応援歌の元歌が「ドント・ルック~」だそうです。


     


 ぼくも、部屋でこの曲を流している時は、よく一緒になって口ずさみながらギターを弾いてます。テンションが上がる曲ですよね。


[英語詞]

[大 意]
心の扉の中にすべり込みさえすれば もっと祈りにふさわしい場所が
見つかるかもしれないのに 君は呟く、世界が始まって以来一度だって
これまで見てきた人々の栄光が 長続きした例はない、と

寝室で革命ごっこを画策しても せいぜい世間の物笑いの種になるのがオチさ
いっそのこと新緑の輝く初夏へ飛び出し 暖炉のそばで背筋を伸ばし
そんな白昼夢はぬぐい去るんだ だってそんな調子じゃ俺の同情さえ買えないぜ

サリーは永遠に立ちすくむ もう手遅れなのを知っているから
俺達が通り過ぎるのを見送り続ける彼女 その痛々しさが心に残ったとしても
それを怒りに転嫁しちゃいけない そう君は言うけど

君が行きたい所ならどこでもお供するよ 誰も踏み込んだことのない魔境だろうと
夜だろうと昼だろうと でも頼むからロックンロール・バンドなんかに
君の人生を委ねたりしないでくれ 自分にさえ責任が持てないような奴らに

 
 
◆ドント・ルック・バック・イン・アンガー/Don't Look Back in Anger
  ■シングル・リリース
    1996年2月19日
  ■収録アルバム
    モーニング・グローリー/Morning Glory (1995年)
  ■作詞・作曲
    ノエル・ギャラガー/Noel Gallagher
  ■プロデュース
    オーエン・モリス/Owen Morris
  ■録音メンバー
   [オアシス/Oasis]
    リアム・ギャラガー/Liam Gallagher (vocal)
    ノエル・ギャラガー/Noel Gallagher (guitar, vocal, keyboard)
    ポール・"ボーンヘッド"・アーサーズ/Paul "Bonehead" Arthurs (guitar, keyboard)
    ポール・"ギグジー"・マクギーガン/Paul "Guigsy" McGuigan (bass)
    アラン・ホワイト/Alan White (drums)
  ■チャート最高位
    1996年週間チャート イギリス1位、アメリカ(ビルボード)55位、日本(オリコン)72位


オアシス『ドント・ルック・バック・イン・アンガー』


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6 コメント

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Oasisも良いですよネェ^^; (ひろ)
2007-10-26 22:28:42
こんばんは! MINAGIさん^^;
ボクも最初はレンタルでマスタープランを聞き始めて、3121さんがモーニング・グローリーを絶賛してたのでヤフオクで見つけて早速Oasisの他のシングルとミニアルバムを落札して聴いておりますよん♪
不思議な話しがNob姉がOasisをあまり知らないと言う話しでしたね? 音の抑揚とか厚みはビートルズフリークさが随所に感じられる雰囲気を醸し出してるかの出来栄えかと、聞惚れております^^;
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ひろさん (MINAGI)
2007-10-27 10:07:20
おはようございます~(^^)
ぼくも取りあえずレンタルショップにあったオアシスのCDを片っ端から借りましたよ~。シングルになった曲だけを集めたセルフ・ベストを作ってみました。
やっぱりモーニング・グローリーが一番高く評価されているみたいですね。

>ビートルズフリークさ
 「90年代のビートルズ」と言われているようですね。そう言われてみれば、リアムの歌声はジョン・レノンに似ている感じがします。曲のメロディーもキャッチーですよね。(^^)
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Unknown (波野井露楠)
2007-10-27 10:33:18
オアシス、好きです(^^)。
はじめは、なんだか照れくさいというか素直になれず隠れファンでしたが、もうカッコつける年でもないので堂々と「好きです」と言えます(笑)。
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波野井露楠さん (MINAGI)
2007-10-27 11:05:23
ぼくがオアシスを好きになったのは、彼らがスターダムにのし上がってからだいぶん経ってからのことだったので、今さら「オアシスっていいよね」と言うのは、ぼくもテレくさかったですよ。(^^;)
今ではぼくも「オアシス好き」を公言してます(笑)
似た傾向の曲も多いかなと思いますが、でもカッコいいことには変わりないですよね~(^^)

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こにちわ。 (Nob)
2007-10-27 14:12:16
そうなんです。オアシスは未聴~♪
’80年代以降のロックは全然と言っていいほど聴いてないです!(自慢?)
でも、今年、マイ・ケミカル・ロマンスは、久々に気に入りました。
 
周りにジャンルに囚われない方がいらっしゃるのは良いですね~♪
私の友達はジャンル別なんですよ(笑)
でも、古いという意味では共通してますが・・・
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Nobさん (MINAGI)
2007-10-27 16:40:18
アンニョンハセヨ~♫

>’80年代以降のロックは
 大丈夫!ボン・ジョヴィとかインギー様を聴いているじゃないですか~
 マイ・ケミカル・ロマンス・・・未聴です・・・(汗)

>周りにジャンルに囚われない方がいらっしゃるのは
 あ、それはその通りだと思います。そのうえステージに関わることなのでほとんど強制的に聴かされました(^^;)。でも今になって思うと、それは半強制でもありがたいことだったんですね~
 ジャンル別友人・・・、あれだけ広い範囲で聴いているということはそれだけ友人が多いってことも言えるんでしょうね(^^)。

>古いという意味では共通
 わはは~ヽ(*´∀`)ノ・・・・・・(- -;)(我が身)
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