ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

オトモダチ価格

2019年07月07日 | 価値観

【Live Information】



 管理栄養士をしている先輩がいまして。
 企業やイベントなどの依頼を受けて、出張しての料理教室を催すことも多々あるようです。
 ときには学生時代の同級生からの依頼もあるそうです。
 で、時々言われるのが、
 「お友達価格でおねがい~」
 なんだそうです。
 思わず先輩には、「そんなこと言う人が友達? それタカリですよねwww」と言ってしまいましたが・・・(^^;)


 あるいは、付き合いがもう20年くらいになる車関係の会社の方から
 「お待たせしないようにオイル交換を手早くしたら、『そんなにすぐできるんなら、それくらいサービスしてよ』って文句言われるんですよ~」
 という話も聞きました。


 誰かに何かを依頼するとき、予算が無いのなら無いで相談してみることもできるんですが。。。
 そういうことを「遠慮なく相談できるのが友達」だと思うんです。
 「友達だからタダで(あるいは『安くして』」とか「知り合いなんだから、(or応援してあげてるんだから)タダで」というのは、いつの頃からかわかりませんが、時々耳にする話です。
 タダで描け、タダで弾け、タダでやれ、タダで、タダで、タダで・・・
 昨今、タダ働きをさせようと「ボランティアで」(!)という言い方をしてくるケースも増えていると聞きます。
 ボランティアの意味、わかってんのかな。(ボランティア=タダ働きをさせる、では決してない)


 ただし、交渉をしてはいけない、という意味ではありません。
 交渉していくらかでも安くなるならやっぱり嬉しいものだし、ぼくも「もうちょっとどうにかならない?(^^;)」と訊くことはあります。
 自分は「安くして」というのにこちらが「安くして」と頼んだときは受け付けてくれない、とか、自分で引き受けておいて「安くしろって言われてこんなに安いギャラでやらされている」とあとからグチる人の存在は全く別次元の話だと思います。
 またプロの側が「ギャラはいらんからそれやらせてくれ!」って自分から言うのは、その人の生き方の問題であって、これとはまた別の話ですね。


 例えばぼくが自分の結婚式での演奏を友人のプロ・ミュージシャンに依頼するとします。
 演奏料の交渉の時に、友人から、「ギャラとして3万(注:例です)いただくことにしてるんだ」という返事をいただいたとします。
 「お祝いごとだし、友だちだから5万包んでおこう」というのが「オトモダチ価格」だと思うんです。
 だって友達なら栄えてほしいですもんね。
 ただしこれはあくまで自発的な話です。他人にこの考えを強要する気はまったくありません。
 通常相手が提示した額を了承するのは全く失礼ではありませんし、普段は多めに出す必要なんてないと思います。「せっかくならたまにはアイツの店で買おうか」で充分だと思います。


 「友達だから」「知り合いだから」「前から応援してるから」といってくる方々は、自分のトク(依頼される側の負担)だけを押し付けてきているだけなので、まあ知り合いではあるかもですが、決して「友達」でも「応援している人」でもないですね。
 そういう人は、畳が破れたとき、カギが壊れたとき、ガラスが割れたとき、あるいは知り合いの肉屋や花屋や本屋へ買い物に行く時などなどなど、業者さんが友達だったり知り合いだったり応援している(ことにしている)人だったりしたら、すべて安くしてもらえると本気で思っているのでしょうかwwwwwwwwwwww


 プロ(いわゆるその道の専門家)が身に付けている特殊技能の会得には元手(=仕入れ。目に見える見えないは関係ない)がかかっています。
 どの業界、業種でもです。
 そしてひと一人の時間を拘束するんです。
 その人の技術に助けていただくんです。
 ただし、依頼された側が、理不尽な依頼や気乗りしない依頼に対してはっきりお断りすることも大事だと思うんですね。
 

 ぼくはそういう話がきたら速攻で事務的に丁寧にお断りして、それで仲がギクシャクするようであれば以後お付き合いをしないようにしておりますw
 そういう価値観の方や、そんなことで仲がわるくなる方とは遅かれ早かれ繋がりが切れるでしょうし、そうなった方が以後お互いにシアワセに暮らしていけるからな~w
 でも、心配しなくても、そのうち「タダで依頼し、それを受ける」側と、「対価を支払い、それを受ける」側とで住み分けがなされるでしょう。あとは好きな方を自分で選べばいいだけだと思うんです。


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