ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ライディング・ウィズ・ザ・キング (Riding With The King)

2008年03月29日 | 名盤


 エリック・クラプトン、2005年の2月に59歳にしてパパになったんでしたね。
 この年には久しぶりにニュー・アルバム「バック・ホーム」も出しているし、音楽生活でも私生活でも充実していたのでしょうね。
 こんど、「Hold on, I'm Coming」を演奏することになったので、今夜はその音ネタの仕込みのために、エリック・クラプトンとB.B.キングが組んだアルバム、「ライディング・ウィズ・ザ・キング」を聴いています。
 買ったばかりの時はあんまり耳に馴染まなくて、それからほっておいたんですけれど、久しぶりに聴いてみると、これ、意外に良かった! けっこう気に入っちゃったな~



 

 タイトルの「キング」とは、もちろんB.B.自身の姓ですが、「ブルースのキング」という意味もかけたものなのでしょう。
 ジャケットには、キャデラックを運転するエリックと、バック・シートで貫禄たっぷりにフンゾリ返っているB.B.が写ってます。まさに「ライディング・ウィズ・ザ・キング」です。
 エリックとB.B.の笑顔がまたイイのだ。


 そういえばこのふたり、映画「ブルース・ブラザーズ 2000」でも共演してましたね。
 ふたりとも、ブルース・ブラザーズのライバル・バンド、「ルイジアナ・ゲイター・ボーイズ」のメンバーという役どころでしたが、この劇中のライヴのなんて楽しそうなこと!そして貫録たっぷりのB.B.のパフォーマンスには言葉もないくらいシビれました。





 エリックの少年の頃からのアイドルがB.B.キングだというのは有名な話ですね。ちなみにこのふたり、20歳違いです。
 ブルースに傾倒していることで知られているエリックですが、アルバムの販売戦略のためポップ寄りな作風にならざるを得ないこともあるようです。しかし御大B.B.と共演したこのアルバムでは心ゆくまでブルースにひたり、思う存分弾き倒した、って感じです。
 このアルバムで聴かれるブルースはほどよく洗練されています。例えて言うなら、どちらかといえばクラプトンのカラーが濃く、そこにB.B.が客演した、という雰囲気を感じました。
 全体的にいい感じでリラックスしているのがなんとも言えず心地良いですね。いくつになっても時間を忘れてギターと戯れるオトナふたり。想像するだけでこちらまでニヤリとしてしまいます。





 このアルバムの制作中には、ジャケットと同じような笑顔がきっと何度も見られたことでしょう。
 「ヘイ、エリック、お前さんますます味が出てきたじゃないか」
 「さっきのソロ、ゴキゲンだったよ、B.B.!」
 なーんてね。






◆ライディング・ウィズ・ザ・キング/Riding With The King
  ■歌・演奏
    エリック・クラプトン & B.B. キング/Eric Clapton & B.B. King
  ■リリース
    2000年6月13日
  ■プロデュース
    エリック・クラプトン、サイモン・クライミー/Eric Clapton, Simon Climie
  ■収録曲
    ① ライディング・ウィズ・ザ・キング/Riding With The King (John Hiatt)
    ② テン・ロング・イヤーズ/Ten Long Years (Jules Taub, B.B. King)
    ③ キー・トゥ・ザ・ハイウェイ/Key To The Highway (Big Bill Broonzy, Charles Segar)
    ④ マリー・ユー/Marry You (Doyle BramhallⅡ, Susannah Melvoin, Craig Ross, Charles Segar)
    ⑤ スリー・オクロック・ブルース/Three O'clock Blues (Lowell Fulson)
    ⑥ ヘルプ・ザ・プアー/Help The Poor (Charles Singleton)
    ⑦ アイ・ウォナ・ビー/I Wanna Be (Doyle BramhallⅡ, Charlie Sexton)
    ⑧ ウォリード・ライフ・ブルース/Worried Life Blues (Sam Hopkins, Big Maceo Merriweather)
    ⑨ デイズ・オブ・オールド/Days Of Old (Jules Taub, B.B. King)
    ⑩ ホエン・マイ・ハート・ビーツ・ライク・ア・ハンマー/When My Heart Beats Like A Hammer (B.B. King, Jules Taub)
    ⑪ ホールド・オン・アイム・カミング/Hold On I'm Coming (Isaac Hayes, David Porter)
    ⑫ カム・レイン・オア・カム・シャイン/Come Rain Or Come Shine (Harold Arlen, Johnny Mercer)
  ■録音メンバー
    エリック・クラプトン/Eric Clapton (guitar, lead-vocals①③~⑨⑪⑫)
    B.B. キング/B.B. King (guitar, lead-vocals)
    ドイル・ブラムホール Ⅱ/Doyle Bramhall Ⅱ (guitar①②④⑥⑦⑨~⑫, background-vocals④⑦)
    アンディ・フェアウェザー・ロウ/Andy Fairweather Low (guitar①②④⑥⑦⑨~⑫)
    ジミー・ヴォーン/Jimmy Vaughan (guitar⑥)
    ジョー・サンプル/Joe Sample (acoustic-piano①⑤⑥⑨⑩⑪, electric-piano①②⑪)
    ティム・カーモン/Tim Carmon (organ①~⑦⑨~⑫)
    ネイザン・イースト/Nathan East (bass)
    スティーヴ・ガッド/ Steve Gadd (drums)
    スザンナ・メルヴォワン/Susannah Melvoin (background-vocals①④⑦⑨)
    ウェンディ・メルヴォワン/Wendy Melvoin (background-vocals①④⑦⑨⑪⑫)
    ポール・ウォーラー/Paul Waller (programming)
  ■チャート最高位
    2001年週間アルバム・チャート アメリカ3位、イギリス15位、日本(オリコン)6位

コメント (16)
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