美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

長谷川三千子氏、自著『神やぶれたまはず』を語る

2014年01月17日 13時46分28秒 | 戦後思想
長谷川三千子氏、自著『神やぶれたまはず』を語る

来月の二日(日)に、新宿のジャズバー「サムライ」で「小浜逸郎×長谷川三千子×西村幸裕」の鼎談イベントが開催されることは、すでに申し上げました。
http://blog.goo.ne.jp/mdsdc568/e/cf3e8ab2631348075fc606b85133f3ff

「サムライ」では、実は、西村幸祐氏主催の思想系のイベントがすでに二回開催されています。

その第一回目は、昨年の八月二十日に開催された〈「戦争」を描けなくなった日本人、『風立ちぬ』と『終戦のエンペラー』と『終戦の昭和天皇』〉です。出演者は、西村氏のほかに三浦小太郎氏(評論家)、山野車輪氏(漫画家)、古谷経衡(評論家)でした。私自身、当イベントに参加しました。三時間あまりのイベントがあっという間に過ぎるほどに面白かったことを覚えています。

第2回目は、同じく昨年の十一月二四日(日)に開催された〈西村幸祐トークライブwith長谷川三千子"戦後体制は、どう克服されるのか"~長谷川三千子著『神やぶれたまはず』を巡って~〉です。ゲストに長谷川三千子(哲学者・埼玉大学名誉教授)を迎えて、話題の書『神やぶれたまはず』をふたりでじっくりと語るという趣旨のイベントです。

『神やぶれたまはず』は、著者ご本人をお招きしての読書会で取り上げたこともあり、また、私自身としても、この十年間ほど課題にしてき続けた「戦前と戦後をつなぐ」という問題意識に深く関わる内容を当著が含んでもいたので、当イベントにも参加する気でいたのですが、当日は読書会の実施日で、残念ながら出席できませんでした。ちなみに当日の読書会で取り上げた書物は、百田尚樹『永遠の0』でした。店主の二健さんからFBを通じて当イベントに招待されていたので、「読書会とぶつかってしまったので、残念ながら出席できません。取り上げるテキストは『永遠の0』。だから、場所の違いを超えて、「サムライ」と心はひとつに結ばれています」と返信しました(ちょっとキザですが)。

その内容を知りたいものだと思っていたところ、先週友人から当日の模様がまるまるyou tube にアップされていると教わりました。さきほど観終わったのですが、とても興味深い内容になっています。長谷川氏が、一昨日亡くなった小野田寛郎氏のことに触れて、「先日の八月一五日、靖国神社で小野田さんとお会いしたとき、彼は『私は、八月一五日が嫌いだ』と文字通り苦々しい表情で言っていた。彼は、『あくまでも生き残れ。そして、ひとりでもふたりでも殺せ』と命じられて昭和二十年八月一五日後も、たったひとりで三〇年間闘い抜いた。そういう小野田さんと、敗戦直後に集団自決した大東塾のひとびととを両極におかなければ、敗戦がほんとうにどういうものだったのかが浮びあがってこないような気がする。その視点がすっかり抜け落ちていた」と語っているのが、いちばん印象に残りました。よろしかったらご覧ください。画質・音響ともに鮮明です。


西村幸祐トークライブwith長谷川三千子

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