美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

大瀧詠一、エルヴィスを語る(2)

2019年09月30日 15時57分21秒 | 音楽


*前回に続き、大瀧詠一のエルヴィス語りを『大瀧詠一 Writing &Talking』から引きます。

タイプⅡは、ブルブルふるえるコンニャクの幽霊みたいな声でうたう歌——「アイ・ニード・ユア・ラブ・トゥナイト」「アイ・ガット・スタンド」(同タイトルを検索しましたが、ありませんでした。「アイ・ガット・スタング」が正しいのではないかと思われます——引用者注)などですが、このタイプでは例の、上げた音程を急激に降下させる、アノ手が出てくるのです。

エルヴィスのファンの人なら誰でも大好きな、ワイヤーが切れて落下するエレベーター風唱法。頭からつまさきに刺激が一気に走ります。これはもうエルヴィスならではの独断場ですね。

Elvis Presley - I Need Your Love Tonight w/lyrics


Elvis Presley - I Got Stung


タイプⅢは、ミディアム・テンポで抑えに抑えたうたい方をする——「冷たくしないで」「恋にしびれて」「テディ・ベア」「アイ・ベッグ・オブ・ユー」——などがそうです。個人的にはこのタイプが一番好きです。長く聞いていると最後にはここに来るような気がするんですが、どうでしょう?バラードのようなうたい方あり、しかもビートもあり、一挙両得・二宮尊徳、一粒で二度美味しい、得をしたような感じがするサウンドだと思うんですが、我田引水の感、無きにしも非ずといったところでしょうか。

しかし、「冷たくしないで」がファン投票で5位にランクされたということは、日本のエルヴィス・ファンの質の高さを証明している、と思います、ホントに。

(次回が当シリーズ最終回です)

Elvis Presly Don't Be Cluel 冷たくしないで


エルヴィス・プレスリーElvis Presley/恋にしびれて All Shook Up (1957年)


Elvis Presley - Teddy Bear - 1957


アイ ベグ オブ ユー
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大瀧詠一、エルヴィスを語る(1)

2019年09月29日 23時21分42秒 | 音楽


*大瀧詠一いはく「自分はエルヴィスで産湯をつかった」「1956年にメジャー・デビューしたエルヴィスに、それまでのアメリカのポップスが凝縮されている」。などなどの発言から分かるとおり、大瀧詠一にとって、エルヴィス・プレスリーはとてつもなく大きな存在だったのです。付け加えれば、大瀧詠一とともに「はっぴいえんど」を事実上のリーダーとして結成した細野晴臣氏は、大瀧氏に対して、当時の同氏を振り返って「あなたといえば、どうしてもエルヴィスを連想するんだよね。あの、とても似ているんだけど、なんというか、ちまちまっとした、あの大瀧‐プレスリーは、とても強烈だったんだね」。〈大瀧詠一といえばプレスリー〉というのは、当時の松本隆も共有していることのようです。以下は、『大瀧詠一 writing & talking』 からです。

***

Elvis Presley - Hound Dog (1956) HD 0815007


『ハウンド・ドッグ』の出だしで、エルヴィスの声にしびれ、意味は分からなかったけれど、怒鳴っていることは当時小学生だったボクにも分かったので、一緒に大声をあげて怒鳴ったものでした。気持ちがスカッとするんですよネ。「お富売ビスさん」や「夕焼けとんび」では味わえなかった解放感でした。

*「お富さん」は春日八郎の、「夕焼けとんび」は三橋美智也の、それぞれ代表曲です。

《怒鳴ること!》
これがロックの第一印象でした。
ユエン ナズバラ ハンド―
友達のひとりは、ナズバラをナバラスと歌っていましたが、ひょっとすると、
所以 夏薔薇 反動
と歌っていたのかもしれませんが、何はともあれ気張って歌うのがロックである、という認識をこの曲が与えてくれました。このシャウティング・スタイルがエルヴィスのロック、タイプⅠです。「監獄ロック」「冷たい女」「恋の大穴」と初期の頃しか聞けません。

もちろん、中・後期にもその時々のシャウト唱法は聞かれますが、〈絶叫〉ということになると、喉チンコが見えるほど口を開けているジャケットが示すとおり、初期に限るようです。

監獄ロック/エルヴィス・プレスリー

冷たい女

エルヴィス・プレスリーElvis Presley/恋の大穴A Big Hunk o' Love(1959年)





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村田一『知ってはいけない 現代史の正体』(SB新書・ 馬渕睦夫 )の 報告  第5回 交観会BUNSO(その3)

2019年09月28日 19時21分48秒 | 歴史


*ユダヤ陰謀論と距離を取り続けてきた当方にとって、今回の村田さんのレポートは、刺激的でもあり深く考えさせられるものでもありました。とりわけ、ここ100年の世界史におけるユダヤ勢力の存在感・役割の大きさは、「陰謀論」の一言で退けられるほど小さなものではないことが、よく分かりました。(編集者 記)

***

まずは、「はじめに 21世紀の歴史を私たちの手に取り戻すために」にふれましょう。

・2019年3月下旬、トランプ大統領がロシアゲート捜査に全面勝利した。

 なぜ反トランプ勢力が司法を恣意的に使って大統領を追求できるのか。その背景に、今日のアメリカの
権力構造の闇がある。その闇とは「ディープステート」=「闇の支配者」である


「ディープステート」とは、WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)に代わりアメリカのエスタブリッシュメントの座を仕留めたグローバリストから成る左派ユダヤ人社会のこと。(以下、参考1をごらんください)

*参考1
馬渕睦夫が語るディープステートの始まり(2018/10/27 2018/11/21)林原チャンネルの「ひとりがたり馬渕睦夫」#7からの要約

「いわゆるディープステートのそもそもの原点は何か」というところから説き起こしていきたい。

ディープステートの原点は、今から100年前にさかのぼらなければいけない。アメリカは、1776年に独立宣言をした。その国体、アメリカの建国の精神、あるいは建国の体制が、実は今から100年前に変わってしまった

この事を理解していないと今トランプ大統領がやっていることも、なぜ最高裁の判事の任命が大きな政治問題になるのもかわからない。

「100年前」を厳密に言うと1912年。1912年というのはアメリカの大統領選挙の年だった。その大統領選挙で当選したのがウィルソン(ウッドロゥ・ウイルソン)だった。アメリカでウィルソン大統領が出現したこと自体が、今日のディープステートを産む原因・元凶になっている。

ウィルソン大統領はなぜ現職のタフト大統領を破って大統領に当選したか。ウィルソン大統領は、その頃、事実上無名だった。それに対して、現職のタフト大統領はそれなりに有力で有能な大統領だった。現職の大統領というのは二期目は最も安定しているので、普通、一期だけで二期目に敗れるということはまず無い。負けるということは何か裏にあると考えられる。

ウィルソンの時は、どうもその現職のタフト大統領のある政策がアメリカのキングメーカー、影響力を持っている人の意に添わなかったということだと考えられる。まだ十分歴史的な事実としては確定していないが、ロシア問題を巡る態度だということを、一応今の段階では申し上げておきたい。

4年後の1017年に起こるロシア革命をめぐる動向や、当時のロシアとアメリカの関係を含んだところの、ロシアを巡る問題について、タフト大統領といわゆるアメリカの、その頃力を得てきた勢力との間で、意見の不一致があった。

そこで何が起こったか。

突然共和党が分裂した。タフト大統領の母体である共和党が分裂して、進歩党という第三勢力ができた。その進歩党の党首に担ぎ上げられて、大統領選に参入したのがタフトの前の大統領のセオドア・ルーズベルト。そのルーズベルトの後、同じく共和党のタフトが大統領になっていたにもかかわらず、そういう展開になった。

ルーズベルトがタフト大統領を推薦した、自分の後継者として大統領にした、そのルーズベルトが、現職のタフト大統領に反旗を翻した。これは、常識的に私達が考えて、何も背景がなくてそういうことが起こるはずがない。たとえ、そのタフト大統領の第一期の政治のやり方に、推薦したというか、自分の後継者に選んだセオドア・ルーズベルトが若干不満を持っていてもね、第三党を作ってまで、彼を引きずり降ろそうという気持ちには普通はならない。

どうしてもウィルソンを大統領にしなければいけないという一つの大きな意図がその背後で働いていたということが、合理的に推測できる。アメリカの大統領候補を選ぶキングメーカーが大統領候補として、結局二人選んだということ。民主党の大統領候補のウィルソンと、進歩党のセオドア・ルーズベルト前大統領を選んだのである。

それで三つ巴の戦いになり、民主党のウィルソン大統領が漁夫の利を得て、タフト大統領と僅差だったが、当選した。ところが、ウィルソン大統領は、アメリカのキングメーカー、すなわち当時力を得てきたウォール街の金融資本家に大統領にしてもらったという引け目がある。ウィルソン大統領は、ウォール街の金融資本家の影響下にあったのである。

大統領に就任したその年の暮れに、FRBというアメリカの中央銀行ができた。そのFRBという中央銀行は、念の為に申し上げるが100%民間銀行で、株主はロスチャイルド系の銀行や、ロックフェラー系の銀行であった。英米の金融資本家だった。

ウィルソン大統領も、FRBの有する深い意味を十分に理解せずにサインしてそれを成立させてしまった。これがディープステートの重要な核である金融をディープステートが握ったという、その、最初の出来事である。

ところが今日は、むしろ最高裁判所判事の話をどうしても申し上げたい。

ある時、ウィルソン大統領は難題をふっかけられる。

ウィルソン大統領は実は、プリンストン大学の総長時代に、不倫をしていた。ところが、その不倫相手の御婦人の息子が金銭トラブルを起こし、相当の負債を抱えた。そこで、その母親の代理人の弁護士がウィルソン大統領を訪ねてきた。

で、その弁護士の名前は、サミュエル・ウンターマイヤー(Samuel Untermeyer)。このサミュエル・ウンターマイヤーは、実はアメリカの当時のウォール街の最も有力な法律事務所の一つであった、グッゲンハイム・ウンターマイヤー・マーシャルという法律事務所の腕利き弁護士だった

で、ウンターマイヤーが次のような話を持ってきた。つまり、自分が代理人を務めている御婦人の息子が25万ドルの負債を作ったと。当時の25万ドルってのは、今の値段で言えば多分100倍くらい。なんとかしなくてはならない。で、ついてはここにウィルソン大統領に宛てた御婦人の手紙がある、と。昔のラブレターだった。これを25万ドルで買い取ってほしいというディールを持ちかけてきた。

勿論大統領になりたてのウィルソン大統領には、そんなお金は出せない、と。ウンターマイヤーもそんなことは先刻承知で、ウンターマイヤー曰く、「わかりました。私が何とかします。そのかわり条件が一つあります。それは次に最高裁判所の判事に空席が出来た時には、私が(つまりウンターマイヤーが)推薦する人を判事に指名してください」と。こういう取引をやったウィルソンはそれで「お金が助かった」と思ったのか、OKした。で、それからほぼ一年後に最高裁の判事の欠員が生じた。

で、その時にウンターマイヤーが推薦したのが、ルイス・ブランダイス(Louis Dembitz Brandeis)という弁護士だったのだが、この弁護士はヤコブ・シフ商会の顧問弁護士だった

ウンタ―マイヤーはルイス・ブランダイスを推薦し、ウィルソンはその通り、それを指名し、それが議会で承認されてルイス・ブランダイスは最高裁判事に就任する。アメリカの裁判史上最初のユダヤ系の最高裁の判事がこのルイス・ブランダイス。で、ウィルソン以外、今まで名前を出した人は皆ユダヤ系である

私が申し上げているディープステートの原点、というのはここにある。で、彼らはまず金融を握ったわけですね。これはFRBの設立に典型的に表れている

それから司法に進出してきた。これがアメリカの最高裁の判事に初めてユダヤ系を送り込んだ。しかもその送り込んだ経緯が、ウィルソン大統領のスキャンダルだったということ。ここに何か不透明なものを感じるが、結局そのルイス・ブランダイスというユダヤ系の弁護士が最高裁判事に就任したことによって、アメリカは、第一次世界大戦に参戦することになる

最高裁判事ルイス・ブランダイスは、パレスチナの地にユダヤ国家を造るというシオニズム運動の先頭に立っていた人。で、彼がパレスチナにユダヤ国家を造る必要性を、ウィルソンに諄々と説いた。なぜそのことがアメリカの参戦と関連するのか。

当時イギリスは、ドイツとの戦争で苦戦をしていた。形勢が悪いということで、どうしてもアメリカを参戦させたいというのが、イギリスの意向だった。
その取引の材料になったのが、パレスチナ問題だった。アメリカを参戦させるために、イギリスがパレスチナにユダヤ国家を造るということに同意すれば、アメリカを参戦させるというのが、このブランダイス以下、アメリカ、それからイギリスももちろんロスチャイルド以下、有力な金融勢力の総意・戦略だった。そこでその先頭に立って、活動したのがこのルイス・ブランダイスだった

1917年の4月にアメリカは第一次世界大戦に参戦することになるんですが、この参戦の引き換えが、イギリスがパレスチナにユダヤ人国家を認めるっていうことだった。で、歴史教科書では、この事情はなぜか登場しない。ここから先は出る。すなわち、イギリスが突然バルフォア宣言を発したことは。   

*バルフォア宣言(1917年11月2日)
第一次世界大戦終了時、英国バルフォア外相から英ロスチャイルド卿(ユダヤ系貴族院議員)に送った書簡。英国政府のシオニズム支持表明が記されたもの。

 以上、引用の要約です。以下、本書に戻ります。

ユダヤ勢力を核とする世界金融資本がアメリカの実権を握り世界に影響力を及ぼし始めたのは、今から100年以上前のウィルソン大統領の時代。本書は、それを起点として過去1世紀にわたる世界史をひも解きます。

次に「序章 『偽りの歴史観』とは」について

・「歴史修正主義」という言葉の誤解:もともとは、史料や事実が新しく発見されたとき、それに基づき
歴史は書き直されるべきとする立場。この言葉が、左派系のメディアや知識人等によって、戦後に主流となった敗戦利得者の歴史観を見直そうとする立場に対して、否定的・批判的・排除的な意味合いのレッテルとして使われている。

・よく吟味すべき「歴史修正主義」:さもないと本当の歴史が見えなくなる危険性がある。

《例》第二次世界大戦について:
・正統派歴史観「世界恐慌から自国の利益優先となった国際情勢によって国際協力の機運が急速に衰える 中、この状況に乗じて、イタリア・日本・ドイツはファシズム的強権体制のもとで侵略による状況打倒をめ
ざし、やがて第二次世界大戦を引き起こした」

・歴史修正主義月側の議論:下記①②③があるが、どれも間違い。背後に本当の黒幕「ディープステート」がいる。
① 第二次世界大戦は、コミンテルンの謀略によって起こった。
② 第二次世界大戦は、ルーズベルトとチャーチルが愚かだったから起こった。
③ 第二次世界大戦は、アメリカがイギリスから世界覇権を奪うために起こした。

・「第二次世界大戦コミンテルン謀略説」は落第:
 50%しか正しくない。コミンテルン謀略説で留まってはいけない。スターリンあるいはコミンテルンの
背後にいる「本当の黒幕」がロシア革命以降の世界を動かしてきた。

・常識としてありえない「ルーズベルトとチャーチルは大馬鹿説」:
 そんな馬鹿な指導者をそのままにしていたのはなぜか。問題は、彼らの背後に誰がいたのかである。

・100%間違っている「アメリカがイギリスの覇権奪取説」:
 国際社会が必ずしも国家単位で動いているものではないという認識が欠けている点が間違いの理由。
① FRB(アメリカの「中央銀行」(※2))の株主は、シティ(イギリスの金融業界)であること
② 1950年に勃発した朝鮮戦争で、重要な意思決定についてアメリカは常にイギリスの承認をとらなければならなかったこと。
③ ニクソン大統領の辞任の理由は、イギリス(シティの金融資本家勢力)がウォーターゲート事件でニクソンを引きずり下ろしたこと。〔シティの税務調査に着手しようとしたからという説が有力〕

・世界を動かしてきた「ディープステート」:
2018年9月、中間選挙のキャンペーンでモンタナ州を訪れたトランプは、応援演説で『選挙で選ばれていないディープ・ステートの活動家たちが、自分たちの秘密の課題を推進するため、有権者に逆らうのは、民主主義そのものに対する脅威である』と言った。

・保守対リベラルという対立構造の誤謬:
 アメリカの連邦最高裁判所判事は9人。保守系5人、リベラル4名。リベラル4人の内3人がユダヤ系。もう一人はヒスパニック系。アメリカにおけるユダヤ系人口は600万人前後で全人口の2%に過ぎない。
 そんな少数派が連邦最高裁判所判事の9人の内3人、三分の一を占めていてバランスを欠いている。
 「保守」対「リベラル」ではなく、「その他の人々」対「ユダヤ系の人々」、ととらえるべき。リベラルの思想とは、社会主義的なユダヤ思想であり、「ディープステート」の思想的なバックボーンである。
 アメリカの「ディープステート」は、マイノリティ=ユダヤ系に牛耳られている

・アメリカのエスタブリシュメントはユダヤ社会:
・アメリカのエスタブリッシュメント(=国家または社会を代表する支配階級や組織,既成勢力)の歴史:
カーター大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたブレジンスキー(ポーランド系ユダヤ人)が堂々と公表。2004年自書『孤独な帝国アメリカ』より。

① 1776年の独立宣言以来、アメリカのエスタブリッシュメントはWASPであった。
② しかし、20世紀初頭に、この構造が大きく変わった。アメリカの金融は100年前からユダヤ系に握られた
最高裁、メインストリームメディア、FBI、ニューヨークの弁護士・・・これらが、今はすべてユダヤ系の影響下にある。
・ユダヤ社会たる「ディープステート」がアメリカ社会に定着していることを知る必要がある。 
  「精神武装」(=情報操作や洗脳工作にやられない免疫力をつける)が必要である。
 

・歴史の見方、情報分析の基本:
1. 情報は公開情報のみで分析する
 鵜呑みにしてはいけない。洗脳を行っている危険がある。
《例》「グローバル化」は諸悪の根源か、という問題提起の仕方 ⇒「グローバル化は諸悪の根源ではない」という意図あり。
2. 裏情報には危険があるので近づかない。
 恣意的で歪んだ情報である可能性が高い。特に中国や北朝鮮の問題についての情報。
3. 結果から原因を類推する 「だれがいちばん得をしたのか」
4. 正統派歴史学者とて利害関係者なので自由な発想を妨げていることが多い。

*以下、馬渕氏によって、1917年のロシア革命から2019年までの世界史が外観されたものを、村田氏が表にまとめたものの披露がされたのですが、それがお見事というよりほかはないほどの出来映えでした。しかし、それをここに掲載することはかないません。が、基本的な視点は、いままでの展開で十分に分かるのではないかと思われます。
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さいとうあやの「こんなことがありました」コーナー 第5回BUNSO交観会(2)

2019年09月25日 16時17分37秒 | 政治思想


〇「日本国史学会 第67回連続講演会」に参加しました。

【日時】 令和元年7月13日(土)14:00~16:45(開場13時30分)
【会場】 拓殖大学文京キャンパス
【主催】 日本国史学会 http://kokushigaku.com/

講演者は、 馬渕 睦夫(元防衛大学校教授)氏、田中英道(東北大学名誉教授、当会代表理事)氏、久野潤氏の3名でした。演題は馬渕氏が「日本人が知っておくべき近現代史の正体」、田中氏が「新連続講座(19)」、そうして、久野潤氏が「日本書記」についてのお話しでした。
 
久野氏は、最近竹田恒泰氏と 『決定版 日本書記入門』(ビジネス社)を出版しています。共著となってはいますが、私見によれば、中身の骨格は、久野氏によるものです。

目次
はじめに●異色!?でも「王道」の日本書紀入門
     ーー久野潤
 第一章●『日本書紀』は日本の原点
 第二章●現代にも生きる『日本書紀』の精神
 第三章●『日本書紀』を読んでみる
 第四章●国難を乗り越える『日本書紀』
 最終章●『日本書紀』一三〇〇年と令和の時代
おわりに●不思議の国・日本のなぞに迫る
     「最古の歴史書」ーー竹田恒泰


〇9月「日本政策研究センター」の講演会に行ってきました。
日本政策研究センターHP:http://www.seisaku-center.net/aboutus

印象に残ったのは、久野潤氏の「『日本書記』編纂1300年を前に」でした。編纂1300年を迎えるにあたって、先人たちが様々な国難を乗り越える原動力となった『日本書紀』を多くの日本人が取り戻せることを願う氏の深い思いが感じられました。

*美津島「では、久野潤さんが、いまのさいとうさんの『イチ押し』ですか?」
 さいとうさん「ええ」
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藤井厳喜氏CFR最新号(9月17日)より(美津島明) 第5回BUNSO交観会・ご報告(1)

2019年09月24日 19時47分37秒 | 政治


実施日:9月23日(月・祝)
開催場所:開催会場 珈琲西武 東京都新宿区新宿3-34-9 メトロ会館 3階 個室C(定員10名)

*今回は、米国情勢にしぼって、報告いたします。

〇「サウジ石油施設に無人機攻撃」
・9月14日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油施設が無人機の攻撃を受けた。その被害により、同国産出日量の半分が失われた。そのため、原油価格が急上昇した。
・今後の石油価格の見通しとしては、アメリカがイランに対する軍事攻撃に極めて慎重なことから、原油価格がさらに急騰し、石油危機的な状況が発生する可能性はきわめて低い。むしろ60ドル前半程度の石油高・原油高は、価格が低迷していた石油業界にとって朗報とさえいえる。
・石油価格が1バレル80ドル以上にまで急騰すると、それは即、大統領支持率の低下に結びつくので、トランプ大統領にとって、石油価格のはなはだしい高騰は望ましいことではない。
・今回の攻撃によって、イランのハメネイ師との首脳会談やイエメンの反政府組織フーシー派とトランプ政権との直接対話の試みは水泡に帰した。これが、ネオコン派やイギリスの旧植民地派が仕組む「中東で繰り返されるパターン」であるが、トランプ政権は、そのような軍事的挑発に対して、理性的抑制的に対処している。また、今後も安易に軍事行動に踏み切ることもなく、和平実現の努力を粘り強く続けるものと思われる。それゆえ、第3次石油危機ショックのような状況は避けられる可能性が高い。

〇「ボルトン解任の真相」
・9月10日、トランプ大統領は、ボルトン国家安全保障問題補佐官を解任したと発表した。
ボルトン補佐官は、その徹底したタカ派的スタンスが敵対国に対して威嚇効果があるということで、トランプ大統領が戦略的に採用した人材である。今回の解任は、トランプ大統領からすれば、同補佐官の役割が終了したため、ということだろう。
・9月12日、タリバンは、アメリカ政府に対し、18年間にわたって続いているアフガン内戦終結に向けた和平会議の再開を呼びかけた。9月13日のウォール・ストリート・ジャーナルは次のように伝えている。「(トランプ大統領とタリバン代表の)極秘会談に強硬に反対していたジョン・ボルトン補佐官が解任されたことで、タリバンとの接触が今後、進む可能性もある」。イランやフーシー派との関係も同様である。

〇「米中経済戦争は長期化するが、部分的妥協の可能性あり」
・米中の経済対決は、もはや構造的なものであり、長期化することがほぼ確実である。アメリカにとって、チャイナ叩きは単に貿易摩擦レベルの問題ではなくて、自国の経済覇権をかけた戦いである。それはまた、文明世界全体のサバイバルに必要な強硬措置でもある。もし中共の、製造2025などの経済戦略が成功すれば、世界の経済覇権はチャイナの牛じるところとなり、西側先進国の近代文明は存亡の危機に直面することになる。
・しかし米中両国とも、お互いの基本路線を改める可能性はないが、小さな妥協を行う可能性は十分にある。
・その一例がアメリカ穀物の対中輸出問題である。トランプ大統領としては2020年の大統領選勝利を確実なものにするためには、中西部農民票の獲得が不可欠である。その場合もっとも有効な手段は、チャイナに
米国農産品の輸入を再開させることである。
・米中経済戦争でもっとも漁夫の利を得ている国のひとつがメキシコである。トランプはある意味で、メキシコを、チャイナから脱出する企業の受け皿として利用しようとしている。たとえば、NAFTAに代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USCMA)」を米議会が批准すれば、米国経済の底上げの一助となり、対中高関税によって生じるマイナス要素をUSCMAが補うことが考えられる。
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