以下は、前回と同様に9月3日配信「林千勝のこれが本当の近現代史」第114回「いま日本に差し迫る本当の危機」に基づいています。
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パンデミック条約の正式名称は、「パンデミックの予防、備え、および対応に関する条約」です。
同条約のねらいは、端的に言えば〈WHOによる、各国政府を介さない直接世界統治を実現すること〉となりましょう(その詳細については後で触れます)。
欧米の各国野党や欧州議会議員有志が目下反対運動を起こしています。
さらにブラジル・インド・ロシア・南アフリカ・アフリカ諸国もパンデミック条約に反対しています。
世界のそのような激しいせめぎあいと対照的なのが、「無風状態」でのんきにパンデミック条約推進の旗振り役をしている日本です。
異様です。
パンデミック条約をめぐるWHOの構えを見ておきましょう。
2023年5月14日のG6保健相会合で「パンデミック条約の制定を促すことを確認した」というコメントが出されました。
また、5月30日WHO総会で、テドロス事務局長は「加盟国の課題は、12カ月後に強力な条約に合意・可決できるよう交渉を進めることだ」と発言しました。
では、パンデミック条約の中身はどうなっているのでしょうか。
「全加盟国におけるパンデミック時の迅速なワクチン接種の体制構築を目的に、先進国から途上国への支援体制づくりを主眼としつつ、WHO事務局長がパンデミックを定義し宣言し、加盟国のロックダウンを決定・監視し、疾病の治療法を決定し、ワクチンの義務化と配布、ワクチンの知的財産権と利益の管理をする」との文言が見られます。
徹底的な全体主義的統治の実現を期しているようです。
また「第5条:ワンヘルス・アプローチ/監視システム」には「気候変動・土地利用の変更・野生生物の取引・砂漠化・薬剤耐性など、人と動物と環境の接点における疾病のパンデミックの予防と備えを統合する」という文言が見られます。
気候変動とパンデミックとどういう関係があるのかといぶかしい思いが湧いてきますね。それを抑えて、グローバリズム勢力の言い分に耳を傾けると、こういうことなのではないでしょうか。
〔人と全ての動物の健康と環境の健全性は、生態系の中で相互に密接につながり、強く影響し合う一つのもの、すなわち「ワンヘルス」である。例えば、自然林の破壊によって切り開かれた耕作地は、自然界にとどまっていたウィルスを人間世界に解き放ち人や動物の健康を損なう。だから、気候変動の原因となる二酸化炭素を大量に排出する農業を規制して、農地を減らしたり、家畜を減らしたりする指示を出す超国家的権限をWHOに与えるべきである。つまりパンデミックをコントロールするには自然破壊を、つまり農業をコントロールしなければならないのだ〕
おおむねそういうことが言いたいのではないでしょうか。
「第3・7・15条」には「男女平等を実現し、ジェンダーや多様性への配慮をしなければならない」という意味の文言が見られます。
またもや、パンデミックとジェンダーやLGBTと何の関係があるんだという考えが浮かんできます。
林千勝氏によれば、「医療施設の看護師は現状では女性が大多数だが、それを半々にすべきだ」とか、「医療スタッフの2%はLGBTにすることを義務化すべきだ」とか「医療スタッフのリーダーは現状ではほとんど男性だが、それを半々にすべきだ」とかいったことではなかろうか、と。そんなところでしょうか。
さらに「第18条」には「インフォデミック」「偽情報との闘い」「ソーシャル・リスニング」の文言が見られます。コロナウィスルの自然発生説に異を唱えたり、コロナワクチンの危険性を訴えたり、WHOの全体主義的な施策を批判する者を、インフォデミック(情報のパンデミック)の首謀者であり、偽情報の発信源であるとし、それらの反社会的分子を弾圧するために思想調査・検閲・思想統制をすべきであると主張しているのです。
正気か、と言いたくなりますね。
今回は以上です。
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