マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

私が記者だったら

2011年03月23日 | サ行
 市長選に仮立候補したために、何人かの記者さんとお会いする機会がありました。こちらは「聞かれる立場」でしたが、相手の記者さんについて幾つかの印象を持ちました。そして、自分が記者(新聞や放送の記者)だったらどういう方針で取材をするだろうか、と考えました。その結論は「定点観測を軸にする」というものです。

 お会いした方がそれをしていないと決めつけるほどきちんと聞いた訳ではありませんが、してはいないだろうという「印象」は持ちました。

 その「定点観測を軸にする」とはこういうものです。浜松市が自分の担当地域だとしまう。すると、市の全域になるべく万遍なく目配り出来るように、12人の方を決めるのです。もちろん相手にその旨告げて、承諾を得ます。そして、毎年、1月はAさんを訪ねる、2月はBさんを、3月はCさんを……とするのです。聞いた事は自分のPCに入れ、索引も作ります。

 もちろん行政の発表は適宜、聞きます。その他、突然の出来事はそれとして追います。しかし、上のようにすれば、自分の取材活動に「主体的な軸」が出来るし、毎年積み重ねて行くうちに、長年続けなければ分からない事が見えてくると思うのです。

 それに、こういう協力者を確保しておくと、突発的な事件の時にそれに詳しいであろう人に電話で取材が出来ると思います。もし、その人が知らないとしても、「誰々さんに聞いたら」と教えてくれるかもしれません。

 記者でも微妙な問題の場合、事の核心を理解していないのではないか、と疑念を抱いたことがあります。たしか2003年だったと思いますが、静岡大学で3件ものセクハラ事件が相次いで発覚し、処分が発表されたことがあります(その後もポツポツと続いているようです)。

 その最後の3件目の時は正副学長が県庁で記者会見をして謝罪しました。当時、静大で講師をしていましたので、いくつかの新聞を読みましたが、「分かってないな」と思いました。とにかく大学当局を批判すればいいというものでもないと思うのです。私見は「静岡大学のセクハラ問題」に書きました。

 先に「私の立会演説会」でも述べましたが、たまに大きな花火を打ち上げるのでは政治を好くすることは出来ないと思います。政治を好くする活動の第1条件は「継続的であること」だと思います。

 これに対しては、「数年で転勤するから」という反論が考えられます。しかし、数年でもこういう定点観測は意味があると思いますし、会社でやっていれば、前任者から受け継ぐこともできる訳です。

 このように考えてきますと、定点観測をしている例もあることが分かります。それはNHKのラジオ深夜便です。あの「日本列島暮らしの便り」と「ワールドネットワーク」はまさに「2カ月に1度の定点観測」だと思います。前者は2年くらいで相手(定点観測地)が代わるようですが、「ワールドネットワーク」の方は先日終わったオーストラリアのメルボルンの杉本良夫さんのように15年も続いた人もいます。

 私は特に「ワールドネットワーク」が好きで好く聞いていますが、外国で暮らしている人から聞くわけですから、なまじったな特派員よりよほど好いニュースが聞けるような気がします。

 浜松市に話を戻しますと、最も初歩的な定点観測は「いくつかのブログは必ず読む」というものです。お会いした記者さんはそれもしていないように思いました。私見では、浜松市政ならば、山崎副市長のブログ、鈴木恵市議のブログ、田口章市議のブログ、そして私の「浜松市政資料集」の4つは外せないと思います。

 忘れてはならない事を最後に書きます。今回お会いした方の中でも定点観測をしている人がいました。それは記者ではなくて、浜松青年会議所のAさんでした。

 この方は税理士をしているそうで、水窪にもお客さんがいるそうです。すると毎月とか1カ月おきとかにお客さんを訪ねて水窪に行くわけです。当然、仕事の話以外に世間話もします。その話から分かる水窪の変化や現状を話してくれました。

 私の住んでいる所も「限界集落になるのは時間の問題」という地域ですから、過疎地には関心があります。①棄てる所と残す所をはっきり分けて、前者は国土の保全だけ考える、後者は屯田公務員とベーシックインカムで小学校を再建する、という「政策の方向」を話しました。

 その他の事でもこの方とは互いの考えを出し合って議論できたので、とても有意義でした。もう少し他の問題でも話したかったな、と思ったくらいでした。

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