昔から、映画が好きで古い映画も探して観るが 特に過去に賞を取った作品は必ず保存はしても あまり気が進まないタイトル作品は 観ずに放置されるものも 幾つかはある。先日、白黒映画の中でその一つ 米映画「紳士協定-1948 エリア・カザン監督」と言うアカデミー受賞作品を観て流石に良い映画だと 勉強もさせられた。
本を書く主人公が、米国内の反ユダヤ人 勢力に対して 不公平な疑問を抱き 実際のユダヤ人に成り切り 実生活を通じて 多くの場面で受けた迫害と差別を体験し作品を完成させる課程を映画化したものだった。周囲の大半は善人だが、同じ人間が 宗教・文化・出身国の違いで 社会では目に見えない差別を受け苦しんでいるのに 人々は影で差別は批判はするのに 周囲の圧力で同調して 自分たちだけは安全圏で生活して 見て見ぬふりをすることで身を守っていることを 第三者として批判する内容だ。
世の中に、仕事も貰えない・ホテルでも断られる・仲間外れにされる・・などそれらを許す社会が日常化すると必ず その社会は暗黒の社会に変貌して行くと言う 勇気ある作品だが それを作った映画会社も75年前に受賞作品に選ぶ映画界も米国もやはり民主主義の生きた国だと思えた。
権力者の在り方とか、人々の差別を正す 政治と言う役割の大切さを思い知るのだが 今回の東京五輪の 国民も世界でも反対意見が半数を占めているのに あまり報道も論議もされないのに違和感を感じる毎日だ。近づく開催日だが知らされるのは根拠もないまま「開催、頑張ります」と言う興行主の様な報道ばかり・・伝えるのは 五輪協賛新聞だから この国は商業主義に変貌してしまったらしい。
「紳士協定 1948」ポスターから