碧い山・青い海

趣味の山登りとか、技術とネット情報を照合し個人メモに・・

1806- 価値は変動するもの

2018-06-09 | 日記
 物置の整理を始めている。先月処理した金属旋盤とか、マイコンボードに続いて 古いタブレット・備前焼壺などで買取業者を呼んだり 買取通販を利用して家の中の不要品が少し減らす事が出来た。
 買取の不要品処理も良いのだが、慣れない梱包と発送など意外と面倒で 克明に内容物を書き過ぎて 取扱い拒否される品目も始めて知ったが。
買取業者が「買った時は高価だとは重々承知の上ですが 現在 需要・欲しいニーズが無くなった物の価値は百分の一にでもなってしまいます」と申し訳なさそうに言われて 確かにその通りだと納得した。全て承知して引取りをお願いしたが・・・。

 更に「使えるキッチン道具なら何でも買受出来ます」とも言われていたので、その時代に価値があればなんでもOKと言う価値判断で買取のだと理解した。例えば数百万の美術品でも収集家でない限り、嫌いな人には無価値であり 古いから価値が上がるビンテージとも又違う価値の次元なのだろう。
 「今、それは価値があるのか」・・道具は時代が変わればそれに代わる物が出て消え去るものだ。そう考えていたら、在来線が新幹線が出来て 高度成長に貢献したがその延長で始まった「リニア新幹線」の不可解な工事が進行している事を思い出してしまった。

 昨年スーパーゼネコン四社の談合問題で 税金の無駄遣いと騒がれたが 今もお互いいがみ合いながら工事は進行させているらしい。完成すれば、東京大阪を60分で結ばれるが 百万ボルト超高圧線で囲まれ 走行騒音69デシベルが予測されている・・高架と地下トンネルを飛ぶように走る夢の計画だが こんな不安で乱暴な交通建設は日本の歴史には無いものだ。

 気に入らないのは、南アは私の大好きな山岳地帯なのに その中央、標高三千の荒川岳を貫通して山梨県から長野伊那へ抜ける計画と言う自然破壊も無茶苦茶だ。
40年前計画され山梨で開発実験され 数年前のに各地で起工式となり工事が始まったが 今の経済減速と情報化社会には 人を高速で運ぶ価値は かなり違っているのではないだろうか。
 完成しても窓もない旅客機の速さで地上を飛ぶ電車など怖くて乗りたくもないが 人間もかっての数分を争って仕事をしていた時代とは違っているのに どう考えても時代錯誤の計画としか思えない。

 一度決められたら、日本を仕切るゼネコンの利害関係もあり 必要なくてももう声も上げられないし止まらないのだろう。
その証拠に、数年前から環境団体・自然野鳥保護団体・地元の方たち・地質学者も国内最大の断層帯の工事に反対しているのだが 地元も政府も目先の利権でそれを無視して計画は進んでいる。誰がその完成を待っているのか、想像も出来ないが ただ自分の功績・永遠の印として残したい人たちが沢山いるのかも知れない。
 南ア赤石岳と荒川岳の山腹を人工物で貫通させると水源も自然生態系も相当変わってしまうと言われている、天国の様なこの山頂のお花畑を知っている人なら 絶対に壊してはならない聖地なのに 人知れず山岳地帯の工事は進んでいるらしい。


 
 山梨側からの赤石岳、伝付峠を越えた二軒小屋も山奥では無くなるのかも