基本をおさえて創造性で勝つ
ポジショナルプレーは将棋の定石のようなものだ。
こういうと「定石通り指しても将棋には勝てないぞ」と反論がきそうだ。お説ごもっとも。サッカーのポジショナルプレーにしても、選手のすべてのプレーを機械のように規定するものではない。
「こうプレーすれば有利を得られるが、そこから先はあなたの創造性で考えて下さい」
そういうことなのだ。
一方、将棋の定石もあくまで「基本」であり、この基本を積み上げたそこから先は個人の創造性が上回ったほうが勝つ。
まさにポジショナルプレーは、将棋の定石と双子の関係にある。
数と質、位置で優位を稼ぐ
ポジショナルプレーは、試合の各局面ごとに数的優位、質的優位、位置的優位を稼いでプレイする。
まず数的優位は読んで字のごとしだ。ある局面でプレイヤーの人数に数的優位を作ってプレイすること。
次に質的優位とは、例えばマッチアップする敵の選手より味方の選手の能力が高ければ、あえてそこで1対1を作って有利を稼ぐことだ。
例えば味方の右WGが特に優れていれば、それと逆サイドの左のゾーンでパス回しを繰り返して敵の選手を左サイドに引きつける。そこで空いている逆サイドの味方の右WGに向けてサイドチェンジを入れ、あえて彼のマーカーである敵の左SBと1対1の局面を作って勝負するわけだ(アイソレーションを作る=孤立化を図る)
3つめの位置的優位は、例えば一例だが死角になりやすいCBとSBの間(ニアゾーン)でボールを受けるなど、位置的な優位を稼ぐことだ。
「5レーン理論」とは?
さてポジショナルプレーを実行するための「5レーン理論」というものがある。
これはピッチを縦に5分割し、中央のレーンを「センターレーン」、その両脇に「ハーフスペース」、いちばん外側の両サイドは「アウトサイドレーン」と呼ばれる。
なぜこんなふうに5分割して考えるかといえば、ポジションごとの役割を選手に明示し理解させるためだ。
例えばこの5レーンに選手がどう布陣するかといえば、5つの縦のレーンの中にはそれぞれ最大2人までしか入れない。
またミドルサードとディフェンディングサードにある4つの「横のレーン」の中には、それぞれ最大3人までしか入らない。
さらに隣り合うレーンに位置する選手は、常に斜めの位置関係を取る(アタッキングサードのみでは自由)。
そしてこの通りポジショニングすると、あちこちに無数の三角形ができるのだ。つまり三角形を作ればパス回しがスムーズになりやすく、また選手同士がお互いを補完しやすい関係になるわけである。
三角形を作っていれば、ボールを奪われた時にも敵を取り囲みやすく、ネガティブ・トランジション(攻→守への切り替え)時にも有効だ。
このような5レーン理論は、もちろんビルドアップにも取り入れられる。例えば基本フォーメーション4-2-3-1でビルドアップするとしよう。
このときビルドアップ時に例えば左SBが前に高い位置取りをし、そのぶん2CBと右SBが空いた左にスライドして3バックを形成すれば? すなわち5レーンをすべて埋める3-2-4-1でビルドアップする形になる。
偽SBは守備時に予防的カバーリングをする
また偽SBといって、SBが絞って一列上がるポジションを取る。こうすれば攻撃時には偽SBが前後のリンクマンになる。そんなやり方もある。
一方、守備時には、偽SBは弱点になりやすいアンカーの両脇を埋めているため、予防的カバーリングとしても役立つのだ。
あとは創造性の勝負だ
こんなふうに言葉で説明するとわかりにくく感じるが、実際にピッチでポジショニングしてみれば一目瞭然。プレイしやすい。
ただし冒頭で書いた通り将棋の定石と同じく、こうした配置はあくまで「基本」であり、90分間、「その位置から動かない」などというものではない。
これまた将棋と同様、そこから先は「創造性」が勝負を決めるのだ。
ポジショナルプレーは将棋の定石のようなものだ。
こういうと「定石通り指しても将棋には勝てないぞ」と反論がきそうだ。お説ごもっとも。サッカーのポジショナルプレーにしても、選手のすべてのプレーを機械のように規定するものではない。
「こうプレーすれば有利を得られるが、そこから先はあなたの創造性で考えて下さい」
そういうことなのだ。
一方、将棋の定石もあくまで「基本」であり、この基本を積み上げたそこから先は個人の創造性が上回ったほうが勝つ。
まさにポジショナルプレーは、将棋の定石と双子の関係にある。
数と質、位置で優位を稼ぐ
ポジショナルプレーは、試合の各局面ごとに数的優位、質的優位、位置的優位を稼いでプレイする。
まず数的優位は読んで字のごとしだ。ある局面でプレイヤーの人数に数的優位を作ってプレイすること。
次に質的優位とは、例えばマッチアップする敵の選手より味方の選手の能力が高ければ、あえてそこで1対1を作って有利を稼ぐことだ。
例えば味方の右WGが特に優れていれば、それと逆サイドの左のゾーンでパス回しを繰り返して敵の選手を左サイドに引きつける。そこで空いている逆サイドの味方の右WGに向けてサイドチェンジを入れ、あえて彼のマーカーである敵の左SBと1対1の局面を作って勝負するわけだ(アイソレーションを作る=孤立化を図る)
3つめの位置的優位は、例えば一例だが死角になりやすいCBとSBの間(ニアゾーン)でボールを受けるなど、位置的な優位を稼ぐことだ。
「5レーン理論」とは?
さてポジショナルプレーを実行するための「5レーン理論」というものがある。
これはピッチを縦に5分割し、中央のレーンを「センターレーン」、その両脇に「ハーフスペース」、いちばん外側の両サイドは「アウトサイドレーン」と呼ばれる。
なぜこんなふうに5分割して考えるかといえば、ポジションごとの役割を選手に明示し理解させるためだ。
例えばこの5レーンに選手がどう布陣するかといえば、5つの縦のレーンの中にはそれぞれ最大2人までしか入れない。
またミドルサードとディフェンディングサードにある4つの「横のレーン」の中には、それぞれ最大3人までしか入らない。
さらに隣り合うレーンに位置する選手は、常に斜めの位置関係を取る(アタッキングサードのみでは自由)。
そしてこの通りポジショニングすると、あちこちに無数の三角形ができるのだ。つまり三角形を作ればパス回しがスムーズになりやすく、また選手同士がお互いを補完しやすい関係になるわけである。
三角形を作っていれば、ボールを奪われた時にも敵を取り囲みやすく、ネガティブ・トランジション(攻→守への切り替え)時にも有効だ。
このような5レーン理論は、もちろんビルドアップにも取り入れられる。例えば基本フォーメーション4-2-3-1でビルドアップするとしよう。
このときビルドアップ時に例えば左SBが前に高い位置取りをし、そのぶん2CBと右SBが空いた左にスライドして3バックを形成すれば? すなわち5レーンをすべて埋める3-2-4-1でビルドアップする形になる。
偽SBは守備時に予防的カバーリングをする
また偽SBといって、SBが絞って一列上がるポジションを取る。こうすれば攻撃時には偽SBが前後のリンクマンになる。そんなやり方もある。
一方、守備時には、偽SBは弱点になりやすいアンカーの両脇を埋めているため、予防的カバーリングとしても役立つのだ。
あとは創造性の勝負だ
こんなふうに言葉で説明するとわかりにくく感じるが、実際にピッチでポジショニングしてみれば一目瞭然。プレイしやすい。
ただし冒頭で書いた通り将棋の定石と同じく、こうした配置はあくまで「基本」であり、90分間、「その位置から動かない」などというものではない。
これまた将棋と同様、そこから先は「創造性」が勝負を決めるのだ。