すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【クラブW杯決勝】延長戦にもつれ込む壮絶な死闘 〜レアル・マドリー4-2鹿島

2016-12-19 08:25:25 | Jリーグ
ジーコが作った魂は生きていた

 FIFAクラブW杯決勝戦。鹿島があのレアル・マドリードを土俵際まで追い詰めた。後半7分には柴崎岳がミドルシュートを叩き込み、2-1とリードすると同時に待ち受けるディフェンスに切り変え勝ちパターンに持ち込んだ。延長前半のロナウドの2発で逃げ切られたが、打たれても打たれても立ち上がり、ファイティングポーズを取り続ける鹿島の姿には胸が熱くなった。

 ハイプレスで試合に入った前半の鹿島はボールを奪うが安定して繋げず、ロストボールが目立った。またクリアが短くトラップは緩く、パスが弱い。ワンプレー、ワンプレーに出る個の技術が甘く、客観的にレベル差をいえばレアルとは当然かなりの開きがあった。だが「勝負」という意味では確実に鹿島に脈があったことも事実だ。

 実際、鹿島は後半7分に柴崎が2点目を取り、2-1として待ち受けるディフェンスに変えたあたりではハッキリ勝ちパターンに入っていた。彼らのゾーンディフェンスはレアルに対し機能し、美しいディアゴナーレが組み上がっていた。ヒリヒリするような緊張感だった。

 そもそも後半45分にファウルを犯したDFセルヒオ・ラモスは本来なら2枚目のイエローカードで退場になるはずであり(だがビデオ判定もなし)、そうなればレアルは延長戦を10人で戦うことになり勝負の行方はまったくわからなかった。延長前半のロナウドの2発もなかったかもしれない。

 ただし鹿島は後半13分、ファウルを取られPKになり2-2の同点とされたが、あそこはファウルでなく技術で止めなければならないのだろう。この種の足りない部分がやはり随所にあり、その意味ではまだまだ研鑽の余地がある。特に手付かずの「個による守備の技術」については日本のチームはこれから身につけて行く必要がある。このほか今後の課題としてはボールスピードの弱さやプレイ強度の不足、サポートの遅さなども目についた。

 一方のレアルは第一にコンディションがあまりよくなく、第二に気を緩めて試合に入ったのが響いて接戦にもつれた、という要素はある。実際、褒められたデキではなかった。特にロナウドは本調子でなかったが、鹿島に逆転されたあとのPKと延長前半に突き放す2発のゴールは「さすが」と感じさせた。

 いずれにしろ、あまりの興奮で客観的に記事を書ける段階にない。特に柴崎が2点目のミドルシュートを叩き込んだ瞬間には頭に血が上り興奮して涙が出た。2ゴールの柴崎だけでなく神がかりなセービングを連発した曽ヶ端や何度もピンチを救った昌子、インテンシティが高い金崎あたりは明日からすぐ代表レギュラーになってもおかしくないんじゃないか? ハリルはこの試合をどう見たのだろう。それが知りたい。

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