すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】日本人には「大きなサッカー」という概念がない

2016-12-12 05:00:00 | サッカー戦術論
僕らはショートパスが大好きだ

 日本人が考える理想のサッカーは、ショートパスやワンツーが連続してつながる流れるようなパスサッカーだ。

 ショートパスをつなぐには、複数の選手同士が近い位置にポジショニングし、たがいにパスのコースを作る必要がある。それを実現するには、まず味方のボールホルダーに近寄ってやること。だから必然的に日本人のサッカーは「小さなサッカー」になる。

 小さいサッカーをやるには、どうしても一定の「距離感」が必要になる。ゆえに日本人には、SBから逆サイドに開いたウイングまでダイアゴナルなピンポイントの長いサイドチェンジを入れるような発想などないし、またそんな技術も備わっていない。

 そこにハリルホジッチと名乗る伝道師が黒船に乗ってやってきて、「大きいサッカーをするように」と布教を始めた。「お前ら、それでは世界に勝てないぞ」と彼はいう。

「可能なら、ひとつ飛ばして遠くへパスをつけろ」

「敵味方の配置を見てみろ。この局面は速攻カウンターのチャンスじゃないか。なぜ縦に速くボールを入れないんだ?」

 伝道師は日本サッカーという「小さなサッカー」を破壊するデストロイヤーだった。自分らの理解を越えることを言われ始めた日本人たちは、意味がわからず路頭に迷った。

 日本人に技術がないせいで裏を狙うロングボールがミスパスになるのを見て、「なんだ、ハリルジャパンはただの放り込みじゃないか」という者もいる。ある者は伝道師を指差し、「あいつの宗教はまちがっているんじゃないか?」とまでいう。

 だがそもそも小さいサッカーという「クセ」のついた日本人を変えるのは大変だ。考えてもみるがいい。貧乏ゆすりを直すのがいかに難しいことか? ゆえにハリルの日本人改造計画は、まだまだ道半ばである。

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