✿ 高校生俳人たち ✿
「俊才が集まる俳句甲子園は、まさに、ダイヤモンド原石の山のようだ。大会後も、彼らをもっと大切にすべきだ。例えば、優勝者には総合誌の連載執筆のチャンスをあたえたり、NHK全国俳句大会に出演させたり、結社の入会費を無料にしたり、、。」と提案しているのはフランス出身、俳人のマブソン青眼。今朝の朝日俳壇のコラムの短評である。1968年生まれの彼はいま早稲田大学大学院で俳諧を研究し、一茶について考察しているらしい。今年の第17回俳句甲子園の審査委員として呼ばれ日本の高校生俳人の熱意を実感した。
★ 喧嘩して夜店の裏を帰りけり 開成校(団体優勝) 日下部太亮
時には喧嘩する勇気も要る。かつての虚子と秋桜子のように。今日の”年寄り俳壇”では新興俳句のような鮮烈な新しさが再び誕生しうるか、疑問に思う。マブソン青眼は。
★湧き水は生きてゐる水桃洗ふ 愛知県立幸田高(個人賞) 大橋佳歩
伝統的な余情をもって生命を愛でる秀作もある。お互いの俳句を理解しょうと議論を交わす姿は、蕪村や一茶ら江戸俳諧の原点を見ているようだった。マブソン青眼は。
現代日本社会の問題の一つに、少子高齢化がある。特に俳句人口においては平均年齢が極端に上っている。若者が活躍できなくなると、発想の斬新さ、柔軟性、チャレンジ精神などが減る。もちろん年寄りのような若者もいれば若者のような年寄りもいる。しかし子規のような革新を起こすには、若さと勇気と一種の無謀が必要だろう。とおもうマブソン青眼は。
若者のような年寄りになりたいです、私。 9月1日 松井多絵子
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短歌情報9月1日
◆ 結城千賀子歌集 『微笑』 刊行(角川学芸出版・本体2600円)
♠ 鬱の人の微笑は木端のみほとけの笑みにてあるいは吾への顔施
◆ 栗木京子評論集 『現代女性秀歌』 刊行(NHK出版・本体1500円)
♠ 昭和20年代から現在までの女性歌人の作品」を 「恋」や「家族」から
「東日本大震災」 まで9項目で鑑賞する。
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