えくぼ

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あゝ五月

2013-05-03 14:20:34 | 歌う

              「あゝ五月」   松井多絵子

★ひるすぎの二階から見れば新緑のどの葉もどの葉もひかりに従う

 一年でいちばん気持ちのよい五月になりました。若い緑の葉、この緑という色は地球だけの色かもしれません。いつまでもこの地球にいたいなあと思うのは毎年この五月。

★新緑のいっぽん道をゆきながら息苦しくなる、風になりたい

 落葉しても又あたらしい葉をひろげる木々、でも人間は老人になったら枯れるのみ、ひたすら枯れるのみ、などと考えていたら真昼の並木の新緑がまぶしく、息苦しくなりました。

★そよ風におぼれる草食男子鯉そんな感じだあの鯉のぼり

 わが町は老人のほうが多い町になり、鯉のぼりが少なくなりました。ベランダの小さな鯉のぼりは、痩せていて元気がないですね。中空に風を孕むメタボの鯉は今年は見られません。

★久しぶりだねえとう声に振りむけば沙羅の新樹の若葉かがよう

 沙羅の枝は細く微風にゆれると手招きをしているように見えます。落葉後は裸木でしたのに、いつのまにか枝先には若葉、一年ぶりに会いたい人に会えたような午後でした。
                               5月3日  松井多絵子
                                 


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