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今年売れた本

2015-12-27 09:21:06 | 歌う

            ・・・ 今年売れた本 ・・・

 ♦ 結局は買わざりし『火花』という本の重みの残る手に手袋を  松井多絵子

 出版界の下落傾向は歯止めがかからないらしい。業界4位の出版取次・粟田出版販売が経営破綻、書店数の減少も止まらない。日本人はベストセラーしか本を買わなくなったのだろうか。朝刊、特に週末の本の広告が派手になり、ヒステリックな広告も目立ってきた。今朝の☀に2015年ベストセラーが20位まで載っている。上位5位は次の本である。

 NO1 火花  著者 又吉直樹

 NO2 フランス人は10着しか服を持たない  著者 ジェニファー・L・スコット 

 NO3 家族という病  著者 下重暁子

 NO4 聞くだけで自立神経が整うCDブック 著者 小林弘幸、大矢たけはる音楽

 NO5 103歳になってわかったこと  著者 篠田桃紅

 「今年売れた本」の解説はライターの武田砂鉄。82年生まれ・著書に『紋切型社会』 
200万部突破した芥川賞受賞作・著者の又吉直樹は自著の宣伝だけでなく、自身が影響されてきた古典文学や刺激を受けている現代文学の紹介に勤しんでいる。書店の文芸書コーナーでは ”又吉言及書”が『火花』を囲んだ。

 「又吉と同時に芥川賞を受賞した羽田圭介が <又吉に便乗します>と公言し、あたかも芸人のように数多のテレビ番組で笑いを取り、両者の役割を反転せたのは痛快だった」 と武田砂鉄は書いている。芥川賞ダブル受賞で芸能人の又吉ばかり注目され、羽田は不満だったであろう。しかし又吉の人気に便乗したのは賢い。羽田は大人だ。彼は作家として生き延びることができるだろう。作家も今や芸能人なのだから。

                  12月27日  松井多絵子


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