> 女がひらく24歳 <
✿ もう我に着てはもらえぬ服があり、くびれた胴にシルクの黄蝶 松井多絵子
力ずくで読者の心揺さぶる小説を書いた額賀澪。清張賞と小学館文庫小説賞W受賞。
すでに6月28日の私のブログで 『ヒトリコ』 について書いた。その後 『屋上のウインドノーツ』 で松本清張賞を受賞。この2作は出版社が違うのに同時に発売され、おそろいの帯つきで店頭に並んでいる。額賀澪がはじめて小説を書いたのは小学4年生のとき。社会人となった今は、帰宅から就寝までの約3時間を執筆。24歳の勢いが読者に迫る。
女性の一番カワイイときは24歳らしい。まだ少女の服が似合うが女として開花する24歳。女性の第一次結婚願望期である。友達がパタパタ結婚する。なかにはオメデタ結婚も。職場で所属の部署から出たい旨を上司に伝え移動ができた女性、転職など変化を求める時期でもある。国税庁 「民間給与実態統計調査によると、平成25年、20~24歳平均年収は246万円。
額賀澪は 「大学までが青春だと思っていたけど、社会人になってみたら、まだまだ続くと実感した。青春小説って、学校や部活ばかりじゃなく、もっといろいろ書けるはず。今のほうが書いている。書かないと、時間がもったいないような気がして」。書くことへの執着と意欲の凄さ。ダブル受賞くらいでは満足できないのだ。そのパワーがいつまで続くのか。額賀澪にはまだ特定の彼がいないような気がする。彼がいない方がいい。小説のなかで恋をしてほしい。そして24歳でなければ似合わない、少女っぽい服も着てほしい。
✿ くれないのバラの花咲くブラウスに包まれ秘かに私がいる
8月5日 松井多絵子
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