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短歌研究2月「京都歌人の歌」②

2019-01-22 14:49:08 | 歌う
今日は昨日に続き京都歌人の大森静佳さんの歌を。彼女は平成元年生まれ、「涙の壺」三十首はまるで平成の歴史だ。三首だけだが取りあげてみる。

①たくさんの幽霊を見た そのなかに手をふるあなたの瞳もあった

第1首目のこのうたの斬新なこと、私はこれ以上老人になりたくないので毎日ビタミンCの錠剤を飲んでいるが詠むためには大森静佳さんの歌こそ私のビタミンCである。

②この腕の血を真剣に吸った蚊がわたしのかわりに見ている夢よ

平成22年、大学2年のときに角川短歌賞受賞の知らせ、若い血は美味しかっただろう。蚊がむさぼっただろう。

③百周年、天井のシャンデリアを仰ぎ六十五歳のわたしは揺れた

平成26年「塔」創刊60周年記念大会、間もなく「平成」は終わる。大森静佳さんは平成を丸ごと生きたのだ。しかも充実した30年、まだ30歳!若さを大切にした歌人ですね。拍手拍手!

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