HANN 「半日陰」 HIKAGE
▲ 雨が降るはずがギラギラ陽がさして天気予報さへ信じられない
※つゆ入り宣言はたしか一週間前だった。あれから雨はほとんど降っていない。雨傘は日傘。
▲五号鉢よりベゴニアの紅あふれいて水をしきりに求めていたり
※スーパーから帰り、魚や肉を早く冷蔵庫に入れたいのに、鉢植えのベゴニアの花たちは「喉が渇いた」「水が欲しい」「早く水を」とさわいでいる。紅い唇を私にむけて水を求めている。私だって喉がカラカラ、つめたい水を飲みたくてたまらないのに。
▲半日陰、この明るさが心地よく紫陽花にわれを委ねていたり
※アジサイは咲き始めの青白い花、あじさいは淡いむらさき、紫陽花は青紫の花。狭庭の紫陽花はすでに咲き極めている。槇の木の下の半日陰のなかに花をひろげているので私に水を求めたりしない。花の青紫の泡のなかで私はくつろぎ安らぐ。ほどほどの光が私は好き。ほどほどが私にふさわしい。この夏もほどほどに過ごそう、ほどほどの夫と。
6月5日 松井多絵子
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