・・・ 地球そぞろ歩き ⑫ ・・・
☁ うき雲の生みし子雲が泳ぎだし美ヶ原の空に溺れる 松井多絵子
昨日朝8時に上諏訪ステーションホテルを出発した観光バスは美ヶ原高原へ向かう。クラブツーリズムの44名を乗せてビーナスラインを走る。標高約1500m。まだ新緑の木々も多い春のままの山の起伏を車窓から眺めているうちに霧ヶ峰に着く。珍しい高山植物を眺めながら散策する。見渡すかぎり草原。微風は爽やかだが陽射しが強い。30分でここを去る。
標高2000mの美ヶ原高原に来る。急に涼しくなる。空気がさらっとしている。空がわたしに近づいてくる。腕を伸ばせば、雲を掴めそうな感じだ。砂利の道をゆっくり歩く。ほどなく牧場が広がる。黒と白の肌の牛たちが群れている。まるで黒白の大いなるオブジェ、ほとんど動かない。富士山ははるか彼方になり、山々のなかに沈みそうだ。草原のなかに荷車があり、ロバが2匹いた。近づいてもロバは私を無視していた。草原の彼方に電波塔郡が見える。まるで西欧の城の骨格のように。
美ヶ原は八ヶ岳中信高原の最北にあり、日本一広い高原である。百名山のひとつ 王ヶ頭は標高2034mで美ヶ原の最高峯。のどかな牧歌的な草原の中に▲美しの塔 がある。この高原のシンボルタワーである。昭和29年に造られた。霧が発生すると鐘を鳴らし登山者に位置を知らせる。避難塔である。高原の開拓者、山本俊一のレリーフが塔に嵌めこまれ、山の詩人・尾崎喜八の詩文が刻まれている。その冒頭の言葉は、、。
▲ 登ツテ不意に聞けた眼前の風号にシバラクは世界の天井が抜けたと思ウ。尾崎喜八
昨日の東京はこの夏の最高気温だったとか。真夏でも美ヶ原は20度を越えることはないらしい。涼しいくて陽射しが強かったので長袖のブラウスを羽織って草原を歩いた。とても
喉が渇きペットボトルの水を飲みながら歩いた、水よ、ありがとう。
◉ からっぽのペットボトルをわれは踏み立方体は平面になる
7月28日 松井多絵子
※ 昨日の歩行は10685歩、6.9キロ、消費カロリー307 燃焼脂肪 21g