~ 「劇場」という創刊誌 ~
♦ 俺という1人称のよく似合うオジサンですね時田則雄は 松井多絵子
北海道の歌人といえば時田則雄の名が浮かぶが、まだお目にかかったことがない。1946年帯広市に生まれ、父の後を継ぐ農場経営者。石川啄木にあこがれ短歌をはじめた。生活から生まれた骨太の歌は魅力的だ。『北方論』なども評価が高い。
♦ 野菜らしきを積むトラックが遠ざかる運転するのは時田則雄か
3年前の秋の北海道の旅で詠んだ歌である。見渡す限り広がる野をバスの窓から眺めな私は微睡んでいた。通り過ぎたトラックにカボチャが積まれていたように見えたが、あっという間に見えなくなった。運転していた時田則雄を見損なったような気がした。この6月1日に、時田則雄氏を代表とする同人誌 ◆ 「劇場」 が創刊され、時田氏は五十音詠を発表。同人はいずれも北海道在住者たちである。
◉ 大崎和男 ◉大西久美子 ◉北村光明 ◉坂田幸義 ◉照井君子 ◉湯浅可知子
編集人は三澤史佐子。「劇場」を拠点に一人一人が表現者として、自己を凝視、詠う、撮る、
論ずることを目標に活動する。発行所は 〶ー089-0122北海道上川郡清水町北三条西2丁目2 三澤方。 A5判42頁 頒布価 500円 次の1首は『北方論』より
◆ 汗のシャツ枝に吊るしてかへりきしわれにふたりの子がぶらさがる 時田則雄
時田さま 劇場の舞台に熊が現れたらどうなさいますか。
7月3日 松井多絵子