✾ 「大学読書人」の大賞 ✾
♠ 晴天のま昼の坂を上りつめ海をみわたす、群青の海 松井多絵子
「大学読書人大賞」は全国の大学文芸部サークルによる投票と、大学生に最も読んで欲しい本を選ぶ年に1度の催しである。2008年に「大学読書人大賞」実行委員会と、出版文化産業振興財団により設立された。今年は8回目、昨年10月までの1年間に国内で刊行された本を対象に、有志の学生らが235大学の文芸サークルに呼びかけて推薦作を募集。投票や討論会を経て大賞を選んだ。
受賞作 ✿ 『いなくなれ、群青』 (新潮文庫nex) は孤島で再会した少年と少女が、脱出の道を探る青春ミステリー。純文学やSFなど多様なジャンルの候補作から選出された。6月12日に都内の日本出版クラブ会館で贈賞式があった。学生や出版関係者ら約100人が著者の河野裕を祝った。まだ30歳の裕さん、「オメデトウゴザイマス。写真のアナタはかなり太っていられますね。小説を書きまくればカンタンに減量できますよ。次に受賞なさるときはスリムな河野裕さまに、、」。
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短歌情報 新刊歌集
♦ 石川清文歌集 『蕎麦の花』 (ふらんす堂・本体2800円)
雪原のごと蕎麦畑のひろごりて君に写真をおくるよきつと
♦ 木村博子第4歌集 『宇宙の粒子』 (角川学芸出版・本体2600円)
星屑のような木犀の花殻を掃きいる我も宇宙の粒子
6月17日 松井多絵子