・・・ 地球そぞろ歩き ② ・・・
✿春なんて来ないでほしいと言いながらサクラを眺める老女を見ており 松井多絵子
昨日は三島大社と小田原城のサクラを眺めた。サクラの名所として有名なのに私は毎年見損なっている。クラブツーリズムのツアーに早めに申し込んだ。昨日桜は満開だが雨、
三嶋大社の池の汀の枝垂れ桜は雨に打たれてさらに枝を垂れていた。その花たちがまるで涙を流しているようで愛しい。空へ分け入るみたいに咲くサクラもいいが私は枝垂れ桜のほうが好きだ、眺める人々に近づきながら咲き、微風にしなしな揺れる、このやさしさが「色気」なのか。3日のちには散ってしまいそうなサクラ、年を重ねるほど私たち老女の心を騒がせるのだ。サクラの花は。
三嶋大社には「神鹿園」があり、雨の中に6匹もの鹿が小屋の外にいた。大きな箱にキャベツのような葉が盛られていた。すでに12時半、鹿のランチタイムだったのだ。
40人を乗せたバスは沼津グルメ街道の「海鮮浜焼き」の店へ。ホタテ、サザエ、蛤、エビを焼きながら食べる。贅沢なランチ、あの青葉だけの鹿たちの昼食が気の毒になる。でも私はまるで鮫みたいに海鮮を食べた。大好きなホタテをエビを蛤を。いくつもいくつも。
小田原城へ着いた時は3時、ここも雨。おなじみの城だがサクラは初めて。サクラは古城
をより美しく、格調高くしている。庭園のサクラもあと数日の命だろうか。
✿ わが知らぬ桜の品種あまたあり知ら名歌をおもう桜の
帰路も箱根の足柄山をバスに揺られて、。緑のなかに満開の桜の白が清々しい。新宿に着いたのは7時30分、万歩計の記録は10479歩、6.5km、275kcal、脂肪燃焼18g
㊟旅行代金は9980円
✿ さくら咲く星のあれかしその花を夜道のわれの手のひらの上に
4月4日 松井多絵子