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軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

キアゲハ 2020年(5/5)羽化

2020-10-09 00:00:00 | 
 蛹化後約10日ほどで羽化が始まった。今回蛹は6匹いたが、実は前蛹段階の撮影時に脱走して、1匹はカーテンの上部で前蛹になりそのままそこで蛹化、1匹はテーブルタップのコードに止まって蛹化していた。


撮影中に脱走しカーテンで前蛹化(2020.8.1 撮影)

撮影中に脱走しコードで蛹化(2020.8.1 撮影)

 1匹はミツバの茎で蛹になってしまったので、思惑通りワリバシで蛹になったのは3匹であった。これらは、プラスチック容器ごと屋外のビニールケージの中に置いてあったが、室内のテーブルタップのコードの蛹が羽化していることに気が付いて、外に見に行ってみると、すでに3匹が羽化を終えていて、ケージの中でバタバタと飛び回っていた。これは外に逃がしてやり、カーテンの蛹は撮影には適さないのでそのままにして、残るワリバシの1匹の蛹に羽化シーン撮影の望みをかけることになった。

屋外のビニール・ケージの中で羽化した3頭(2020.8.11 撮影)

 この蛹を室内に持ち込み、カメラをセットして羽化の瞬間を待つことになった。羽化が近くなると、蛹の殻を透して成虫の姿が見えるようになるが、羽化の瞬間を捉えることは意外と難しく、ビデオカメラをタイムラプスにセットして長時間の撮影を行った。

 深夜に羽化したが、様子を見に行った時には羽化が終わっていて、羽化の瞬間は撮影できたものの、成虫はカメラの視野の外にいて、既に翅は伸びてしまっていた。再び視野内に羽化したキアゲハを戻して引き続き撮影したのが、次の映像である。
 
 30倍のタイムラプスで撮影すると、2分弱で完了する羽化のシーンは、撮影後の映像では3秒の長さしかない。一瞬で終わってしまうので、まずはビデオ映像から切り出したものを見ていただく。


キアゲハの羽化(2020.8.14, 2:45 - 2:47 撮影映像からのキャプチャー画像)

 実際のビデオ映像は次のようである。羽化する所は30倍タイムラプス、その後は標準条件での撮影である。両者をつないでいる。この個体は♂であった。

キアゲハ♂の羽化(2020.8.14, 2:40 - 7:30  30倍タイムムラプスと通常撮影とを編集)

 ちなみに、カーテンで蛹になっていた個体も、この撮影の少し前に羽化していて、次のようであった。この個体は♀。


カーテンに止まっていた蛹からの羽化、♀(2020.8.13 撮影)

 今回庭のミツバにキアゲハの♀が来て産卵しているのを目撃して、その卵を採集し、その後羽化するまでを追ってみたが、まとめてみると次のようであった。

 15個の卵から始まって、孵化したのは6匹。そしてこれらの幼虫は全て羽化させることができた。チョウが自然界で卵から成虫になる割合は2%程度とされているので、少し人が手を差しのべることで羽化率が大幅に増加することを目の当たりにして、改めて先日紹介したオガサワラシジミのことを考えさせられるのであった。

 孵化しなかった卵も、すべて受精卵で、途中までは成長していて色も黄から黒に変化していたのに、孵化には至らなかった。

 これは、早めに室内に取り込み、撮影に備えたことも影響したのではとの印象をもったが、その理由はよくわからない。

 今回の6匹の成長の経過を整理すると次のようである。産卵から孵化までは平均約9日、約3日ごとに脱皮し、終齢から蛹化までは約7日、蛹化から羽化までは約12日という結果であった。



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