今日たまたま子供が見ていた所さんの番組で、氷川台近辺が映っていて「あ~、懐かしい!と。
上の子が幼稚園に入った時ですから、今からもう10年以上前のことです。タウンページで見つけたジャズピアノ教室。池袋から地下鉄で氷川台駅まで行き、さらに徒歩で5,6分。閑静な住宅街を抜けてたどり着いた先は、当時T先生が住んでいた、2階建て風呂なしの超おんぼろアパートでした。1階の一番奥、部屋の前まで行くと、建物とはおよそ似つかわしくないJAZZYな音楽が流れて来たり。防音完備のスタジオをイメージしていたら、窓は思いっきり開けっ放しOK。お部屋に上がると狭い台所にYAMAHAのグランドがどーんと。
それでも月に2回、先生のお部屋に通うのが楽しみで。何せその頃はグランドピアノが弾けるというだけでかなり楽しみだったし、宿題は大変だったけど、知らないことを知れるうれしさと、それまでの4年間、ひたすら子育てに明け暮れた新米ママの、子育てから離れた「自分だけの時間」でした。
今ではプロの堀秀彰先生の前でも、何とか緊張しながらも1曲弾き切ることができるようになりましたが、当時はT先生の前でアドリブを弾くことは、まるで裸を見られているようなそんな恥ずかしさがありました。自分の内面にある音を表現しようとするんだけど、何せ稚拙なアドリブしか出て来ず、しかもそれらの音を淡々と評価されるわけなので・・・。
ベーシックなことはほとんど優しいT先生に教わったけれど、なかなかその先のテンションノートのこととか、ジャズピアノ独特の響きなどを教えてもらえなくて「ちょっとつまらないな」と思い始めた頃、下の子がお腹にできて、つわりで電車に乗るのも難しくなり、いきなりやめてしまいました。その後T先生はお引っ越しをされて、新しいお部屋にも一度単発レッスンに伺ったことがありますが、相変わらずテンションが一定で、ほめもせず、けなしもせず、な先生でした(そういえば堀先生もそんな感じかも。大人の人へのレッスンって気を使うものなんでしょうね)
あの時、勇気を出してタウンページで調べた電話番号にかけたから、今こうして自由に弾くことができるんだと思うと、根気よく教えてくれた年下のT先生と、電話をした33歳の私に「ありがとう」と言いたいです。
あの氷川台を歩いていた頃の、ワクワクした気持ちを大切に