関西人のつぶやき

ジャズピアノプレイヤーmatsucofの音楽と日常

♬初心者ジャズピアノ教室♬

場所はさいたま市見沼区の自宅。コードや簡単な耳コピの仕方など、それぞれの方のレベルに合わせて、丁寧に教えます。珍しいヤマハの木目グランドピアノで、好きな曲を弾いてみませんか?左の「メッセージを送る」からお問い合わせ下さい。

上手けりゃいいってもんでもない

2012年04月19日 15時14分25秒 | 音楽


今が旬のたけのこ、京都と大阪の境あたりでよく取れるのですが、先日母が送ってくれたのは、私の実家がある島本で取れたたけのこ。うーん、やっぱりまだまだ山が多い田舎ってことなんだなーと、逆にうれしくなりました。

さて、きのうはカメラマンのオレゴさんと、新しいCDジャケットの打ち合わせでした。オレゴさんは3歳のお子さんを1人で育てるシングルマザーで、やすべーさんの紹介で知り合いました。JALのベトナム便で配られるパンフレットに写真が使われているという、若いけれど確実な腕前を持った女性カメラマン。ライブでも何度か写真を撮っていただいていて、はっきりとしてきれいな写真とそのセンスのファンで、今回は撮影の他にジャケットや盤面のデザインも合わせてお願いすることになりました。
高校生の時吹奏楽部におられた事もあって、音楽に造詣が深く、私のアレンジや演奏についても評価して下さっていて、お互いの作品に対して相思相愛なところがとてもやりやすいです。

理想とするイメージを色々とお話して、トータルのコンセプトはこんな感じとか、曲への想いなど、とにかく色んなことをバーっと伝えました。初対面の仕事オンリーの間柄だったら、ここまで色々と言えないと思うので、信頼関係ってほんと大事だなーと思います。

お昼を食べながら、ちょっと脱線したりもしながら、私の感じていることや想いを伝えるのに色々話している中で、とても興味深い話を聞きました。それはオレゴさんが吹奏楽部にいた時の事。1年上の先輩の代は演奏技術に長けている人が多く、とても上手い学年なんだけれど、仲が悪かったそうです。で、オレゴさんの代はあまり上手ではなくて、コンクールに入賞するかどうかわからなかったけれど、結束が固く「みんなで全国大会に行こう!」と一致団結していたそうです。
結果、先輩の学年よりオレゴさんの学年の方が、良い成績を残せたとのこと(先輩達はその事を素直に喜んではくれなかったそうです(笑))
とにかく演奏の技術はすごいんだけれど、何か音に伝わってくるものがない。逆にあんまり上手じゃないんだけれど、何か想いがこもっていて、聴いてて涙が出るような演奏。どちらがいいかと言われたら、やはり後者なのでしょう。

もちろん人に聴かせられるレベルはクリアしていなければいけないし、技術的にもすごくて音もグッと来るのが最高なんでしょうけれど。

その話を聞いて大好きなバンドのことを思い出しました。最初は音楽のジャンルも違って、技術的にも他の人とちょっと差があるんだけど、とにかく楽しそうに演奏する人で、いつの間にかバンドの中心的存在になっていた彼。彼を囲んでの楽しい雰囲気があるから余計にそのバンドが好きだったんだけど、その彼がやめて今度は技術的にはすごいけど、ちょっと雰囲気の違う人が入って来た。新しい彼には何の責任もないけれど、前の彼のような魅力を感じられない。
これってまさに「上手けりゃいいってもんでもない」だと思いませんか?

気が合う人と人が「やってて楽しいね♪」と感じる音楽からこそ、魅力的な音が生まれるんだと思うんです。そこにはお互いのリスペクトも必要だけど、それ以上に「一緒に」という気持ちや「好き」という気持ちが音に表れるんじゃないかと。

とっても若いオレゴさんから、とっても勉強になる話を聞かせてもらいました。いい作品が出来そうです