昨年、大好きな窪田宏さん関係のライブにばかり行っていたらダンナさまに言われました。
「もっといろんなライブに行かなあかん」(関東出身なのになぜか関西弁が混じる人)
そりゃあもっとたくさん行けるんなら行きたいですよ。でも厳選した結果、昨年はそのようになってしまったんです。で、今年はダンナさまの言うことを素直に聞いた結果、窪田さんの出演されるライブと初めて観るライブ、両方まんべんなく行くことができました。どんなライブに行ったかは、後日もうちょっと年末押し迫った頃に振り返るとします(十分押し迫ってますか?)
今年の締めくくりとして本当に素晴らしいライブを観ることができました。以前から一度行ってみたかった吉弘知鶴子さん。以前はフュージョン系のセッションなどで活躍されていて、93年に発表された「コンシャス・マインド」はHPで紹介させていただいたほど好きなアルバム。その後ゴスペル・ミュージック方面でご活躍と聞き、今回初・吉弘さんにして初・ゴスペルライブとなりました。
感想ですが・・・ゴスペルがこれほどまでに圧倒的にすごい音楽だとは・・・。そんな感じです。音楽に込められたパワー、祈り、感謝の気持ち、まさにソウル。感動です。
私はクリスチャンではないのですが、学校がキリスト教だったので、毎朝礼拝で賛美歌を歌い、クリスマスの時期にはキリストの生誕劇である「クリスマス・ページェント」に参加していました。なので比較的キリスト教にはなじみがあり、途中客席のみんなで「きよしこの夜」を歌ったり、曲紹介に聖書の引用が出てきたり(吉弘さんご自身も敬虔なクリスチャンだそうです)そういう場面にも何となくすんなり入ることができました。観に来ているお客さんももしかしたら大半がクリスチャンの方だったのかも。吉弘さんと休憩中親しげにお話している方をたくさん見かけました。
ケンタッキーの教会で行われたライブを収録したCD「ライヴ!ゴスペルピアノ」の4曲目にも入っている「Loud I Lift Your Name On High」でスタート。初めて生で聴く吉弘さんのピアノは、歯切れがよくてファンキーで、それでいてエレガント。最初の2曲はバンドの4人での演奏だったのですが、だんだん盛り上がってグルーヴィーになっていく様がとてもかっこよかった。ベースのグレッグ・リーさんを拝見するのも今回が初めてでしたが、黙々とベースを弾かれる様子が、数多くのセッションをこなして来られたプロ、という感じでした。とっても若いギターの上條頌(かみじょうしょう)さんがファンキーでカッコよくて。MySpaceにUPされてる曲も、さわやかなスムース・ジャズで、すっかりファンになってしまいました。
3曲目から登場された4人のシンガー。みなさんとってもファンキーで、3人の女性はかなりビッグ。BAJの通路は狭いので、みなさん慎重に通って行かれました。その分声量もハンパなくソウルフルで、シスター・グウェンドリン・リードの包み込むような歌声を聴いているうちに、自然と涙があふれて来ました。私はライブに行くたびに泣いてしまう涙線の弱い人間なんですが、この歌声を聴いて流す涙は、本当に幸せな涙なんじゃないかと。英語の歌詞なので内容がわかるわけでもないのに、シスターの伝えたいことが伝わってくる、そんな気がしました。
朗々と歌い上げる曲の時は、ピアノが伴奏の中心となるのですが、吉弘さんのピアノはジャズ以上にJazzyな響きで、それが本当に素敵に歌とマッチして、身震いするような感動を呼ぶんです。来年から私は歌の伴奏でピアノを弾くのと、キーボード・マガジンのコンテストも歌伴なので、ボーカルをより引き立てる伴奏のあり方を見せていただきました♪
1部は主にゴスペルの有名曲を、そして2部ではクリスマス色豊かな曲をたくさん演奏して下さいました。2部の最初「みなさんへのクリスマス・プレゼントです、ちょっと意外な曲です」と始まったのが、明らかにゴスペルとは違うポップなアレンジ。シスター以外の3人のシンガーは日本語の歌詞を一生懸命歌ってます。「♪○○カラキマシタ~」とかって。そういえば1部の時、自己紹介で「それぞれの出身地をちょっと覚えておいてください」と吉弘さんが言ってたっけ。サビのところに来てやっとわかりました。これって「矢島美容室??」
とんねるずとDJ OZMA(それも知らなかった)が黒人女性シンガーの恰好で歌ってるのを、本物でやってしまおうという、吉弘さんの考えたサプライズだったんです。会場は日本語をがんばって覚えたシンガーのみなさんに拍手喝采でした。
男性シンガー、フランク・レグリーをフィーチャーした「This Christmas」は、アメリカで言うところの「山下達郎のクリスマス・イブ」みたいな曲なんだそうです。イントロ部分が変拍子になるのが特徴の、メロディアスでキャッチーなナンバー。今後クリスマス・ソングのレパートリーに入れたいと思います。フランクのボーカルがとっても素敵でした。
1部だったか2部だったかは忘れてしまったんですが、吉弘さんがハモンドを弾いてのドゥービー・ブラザースも聴けて、ドゥービー(後期)世代の私はうれしくて仕方なかったんです。吉弘さんのハモンドはというと・・・カッコよくて何か男前な感じでした。レスリーもブンブン回っていました。
アンコールはとてもしっとりとかわいらしい、日本人ゴスペル・ミュージシャンのご夫婦が作った曲をみんなで合唱して、ほんわかと素敵な雰囲気でライブが終了しました。
ゴスペル・ミュージックにはポップでテンポも速くて、みんなで手拍子しながらノリノリで楽しむ曲と、じっくりと歌を聴いて癒されるタイプの曲など、ブラック・ミュージックと宗教音楽をベースとした、わりと何でもアリな音楽なのかな、という印象でした。つまるところ、みんなで音楽を楽しんで、元気になりましょう!というメッセージを強く感じました。ただクワイヤーを中心としたものになるとやはり宗教色が強くなると思うし、今回吉弘さんというフュージョン・ジャズ系ミュージシャンのゴスペル・ライブだったからこそ、ここまでカッコよくて感動したのかな、と思います。ゴスペルを音楽のジャンルの一つと考えて、これからの自分のライブにも取り入れていきたいと思いました(一応今年は「Joyful Joyful」をレパートリーにしたことですし)
強力なパワーをいただいたら勇気が出て、これまで行くことができなかった地元のライブハウスに行ってみることにしました。そこは小さなジャズ・バーで、T-スクェアの河野啓三さんなどが出演されているとのこと。金曜の夜だけプロを招いてライブをやっていて、平日はノーギャラでアマチュアを出演させていただけると知り行ってみると、その日はたまたま早めの閉店作業でオーナーさんがお店の外におられたので、少しお話を聞いて店内を見せていただき「サンタが街にやってくる~酒場のブルース・バージョン」を1曲弾かせていただいて来ました。平日にお客さんとうまくコミュニケーションして、認められれば金曜に出させていただけるとのこと。またそうなればプロのミュージシャンの方とも交流が持てるそうで、夢だけ?はどんどんふくらみます。子供が寝てから月1くらいで通えるといいな~。