ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

久婦須川ダム

2016-09-29 19:05:44 | 富山県
2016年9月21日 久婦須川ダム
 
久婦須川ダムは富山市八尾町桐谷の神通川水系久婦須川にある富山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
久婦須川の洪水調節、既得取水権の補給及び河川流量の維持、八尾地区の冬期道路消雪用水の供給を目的とするほか、北陸電力子会社の日本海発電(株)久婦須川発電所で最大3100キロワットの発電を行っています。
 
八尾から県道225号~198号を久婦須川に沿って南下すると久婦須川ダムに到着します。
まずは下流から
前夜の大雨の影響でオリフィスから放流を行っていました。
 
右岸下流から。
 
 
 
天端は歩行者のみ通行可能
訪問した日は電気工事が行われていました。
 
もしダムがなければ??
下流がどうなっているか容易に想像がつきます。
 
減勢工
手前は利水放流設備、奥は日本海発電久婦須川発電所。
 
ダム湖(きりたに湖)
このはるか上流に北陸電力の久婦須川第1、第2ダムがあります。
 
ダム上流面。
手前は取水設備。
 
クレストは自由越流式4門と自由調節式1門。
オリフィスは2門でこちらには予備ゲートがあります。
 
実はダム湖インレットには北陸電力久婦須川第1発電所があり、これが丸いユニークな発電所だったようですが予習不足で訪問しないまま立ち去ってしまいました。
残念!!
 
0879 久婦須川ダム(0590)
富山県富山市八尾町桐谷
神通川水系久婦須川
FNPS
95メートル
253メートル
富山県
2002年

神三ダム(神通川第三ダム)

2016-09-29 16:57:25 | 富山県
2016年9月21日 神三ダム
 
神三ダム(神通川第三ダム)は富山市須原の神通川本流にある北陸電力の発電用重力式コンクリートダムです。
神通川上流の高原川では神岡鉱山を所有する三井鉱山と5大電力の一つ大同電力の合弁による神岡水力により大正時代から電力開発が進められてきました。戦時中の日本発送電時代を経て戦後神通川水系の発電事業は北陸電力が継承しました。
戦後の経済復興による電力需要の急増を受け北陸電力は神通川流域での新規電源開発を推進、1953年~56年(昭和28~31年)にかけて3基のダムと4カ所の発電所を開設、合計13万6500キロワットの出力を獲得しました。
神三ダムは1954年(昭和29年)に3基の最下流に建設されたダムで、神通川第一発電所、神通川第二発電所の逆調整池として建設されました。
1955年(昭和30年)には最大出力9400キロワットの神通川第三発電所が、1956年(昭和31年)には最大出力7100キロワットの神通川第三左岸発電所が完成しました。
また神三ダム右岸には江戸時代から続く灌漑用水である大久保用水と新保用水の合口用水の取水口があり灌漑用水の水源にもなっています。
 
富山から国道41号を南下、笹津橋の先で県道25号線に右折すると神三ダムが見えてきます。
上流から。
 
神通川第三左岸発電所取水口。
 
左岸下流側から
神一ダム、神二ダム同様前夜の大雨でゲートを開放しています。
 
高さはないもののゲートから吐き出される激流は大迫力。
 
 
下流は渦巻いてる場所もあります。
 
上流
右岸には何度か宿泊したことのある『リバーリトリート』が。
泊ってたら怖そう。
 
神三ダムも天端は開放されています。
神通川第三発電所。
 
右岸の取水口
手前は発電所取水口、右手の小さなゲートは神通川合口用水の取水口。
 
 
 
0838 神三ダム(神通川第三ダム)(0589)
富山県富山市須原
神通川水系神通川
15.5メートル
242メートル
北陸電力(株)
1954年

神二ダム(神通川第二ダム)

2016-09-29 15:43:10 | 富山県
2016年9月21日 神二ダム
 
神二ダム(神通川第二ダム)は富山市岩稲の神通川本流にある北陸電力の発電用重力式コンクリートダムです。
神通川上流の高原川では神岡鉱山を所有する三井鉱山と5大電力の一つ大同電力の合弁による神岡水力により大正時代から電力開発が進められてきました。戦時中の日本発送電時代を経て戦後神通川水系の発電事業は北陸電力が継承しました。
戦後の経済復興による電力需要の高まりを受けて北陸電力は神通川流域での新規電源開発を推進、1953年~56年(昭和28~31年)にかけて3基のダムと4カ所の発電所を開設、合計13万6500キロワットの出力を獲得しました。
神二ダムは1953年(昭和28年)に3基の真ん中に建設されたダムで、当初は神一ダムの逆調整池として建設されましたが、神二ダムの下流に神三ダムの建設が決まったことから神一ダムと連携した出力調整が可能となりました。
神二ダムはダム右岸直下にある神通川第二発電所でダム式発電により最大4万4000キロワットの発電を行っています。
またダム右岸には富山藩時代に建設された灌漑用の大沢野用水の取水口があり灌漑用水の水源にもなっています。
 
富山から国道41号を南下笹津橋で神通川左岸にわたるとすぐに神二ダムに到着します。
ダム左岸に広い駐車場がありここに車を止めて見学をします。
天端のほか堤体中ほどに歩廊があります。
 
天端は開放され通行可能。
 
前夜の大雨で住宅のすぐ下まで水位が上がっています。
 
右岸の発電所取水口。
写真右端にあるのが大沢野用水の取水口です。
 
神通川第二発電所。
最大4万4000キロワットの発電を行っています。
 
右岸上流から
右端に取水口のスクリーンが見えます。
 
再び左岸に戻り下流へ歩いてみます。
神一ダム同様3門のゲートが開放されています。
 
こちらも激流となっています。
 
さらに下流から
ダムを正面から見ることができます。
 
ズームアップ。
 
0837 神二ダム(神通川第二ダム)(0588)
富山県富山市岩稲
神通川水系神通川
40メートル
336.8メートル
北陸電力(株)
1953年

神一ダム(神通川第一ダム)

2016-09-29 14:15:08 | 富山県
2016年9月21日 神一ダム
 
神一ダム(神通川第一ダム)は富山市片掛の神通川本流にある北陸電力の発電用重力式コンクリートダムです。
神通川上流の高原川では神岡鉱山を所有する三井鉱山と5大電力の一つ大同電力の合弁による神岡水力により大正時代から電力開発が進められてきました。戦時中の日本発送電時代を経て戦後神通川水系の発電事業は北陸電力が継承しました。
戦後の経済復興により北陸電力は神通川流域での新規電源開発を推進、1953年~54年(昭和28~29年)にかけて神通峡に3基のダムと4カ所の発電所を開設、合計13万6500キロワットの出力を獲得しました。
神一ダムはかつて日本発送電が着手したものの終戦で中断した寺津発電所計画を継承したもので、3基の中で最上流に建設されたダムで1954年(昭和29年)に完成、ここで取水された水は神通川第一発電所に送られ最大8万2000キロワット(当初は8万キロワット)の発電を行っています。
その後オイルショックを受けて水力発電への見直しが起こり、1976年(昭和51年)に神一ダムに取水口を追加し庵谷発電所を再開発、最大5万キロワットの発電を行うことができるようになりました。
 
富山から国道41号を南下し庵谷トンネルを抜けると左手に神一ダムが見えてきます。
左岸上流から
台風による大雨で神通川は濁流となり水位が上がっています。
 
 
左岸にある発電所への取水口。
 
天端は開放され通行できます。
 
天端から
手前が神通川第1発電所、左手が庵谷発電所への取水口。
 
神一ダム湖
大雨で濁流が渦巻いています。
 
右岸から
対岸の穴は余水吐?
 
左岸から。
 
前夜の100ミリを超える降雨のせいでゲートが3門開かれ放流していました。
 
放流された水は狭い峡谷の中を暴れる龍の様に流れてゆきます。
 
(追記)
神一ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0836 神一ダム(神通川第一ダム)(0587)
富山県富山市片掛
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
神通川水系神通川
45メートル
344.4メートル
千㎥/千㎥
北陸電力(株)
1954年
◎治水協定が締結されたダム

古洞ダム

2016-09-29 13:29:32 | 富山県
2016年9月21日 古洞ダム
 
古洞ダムは富山市三熊にある灌漑用アースダムで呉羽射水山ろく用水土地改良区が管理を行っています。
もともとあった古洞池という溜池を県の事業で再開発して古洞ダムとして1982年(昭和57年)に竣工しました。
ダム周辺は県民公園野鳥の森になっており、ダム湖を巡る遊歩道が整備されているほか富山市天文台や日帰り温泉施設があります。
 
県道237号に古洞の森を示す標識がありここが古洞ダムの入口となります。
 
堤体直下から。
 
天端は車両通行止め。
奥に遊歩道が整備されています。
 
天端から。
堤体には漏水計が置かれています。
 
下流面。
 
取水設備の改修工事のため水は抜かれています。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
左岸に管理事務所がありますが、現在ダムは遠隔管理されておるため事務所は元事務所というのが正確です。
 
洪水吐。
 
 
洪水吐導流部。
 
市門の憩いの場となっているダムですが、台風通過後の早朝ということで訪問した時はほとんど人気はありませんでした。
 
0866 古洞ダム(0586)
富山県富山市三熊
鍛冶川水系鍛冶川
32メートル
154メートル
呉羽射水山ろく用水土地改良区
1950年

藤ヶ池

2016-09-29 12:37:05 | 富山県
2016年9月21日 藤ヶ池
 
藤ヶ池は富山市婦中町高塚にある灌漑用アースダムで婦負郡藤ヶ池土地改良区が管理をしています。
1950年(昭和25年)に建設され、1988年(昭和63年)に富山県の溜池等整備事業で改修が行われました。
 
国道359号線の婦中町外野輪から藤ヶ池の標識に従って北に進むと藤ヶ池に到着します。
藤ヶ池の右岸から。
 
右岸に洪水吐があります。
 
取水設備を兼ねた管理事務所。
 
堤体右岸にも洪水吐があり越流しています。
藤ヶ池事業完工記念碑によるとこちらは余水吐になるそうです。
 
逆方向から。
 
余水吐導流部。
 
堤体下流面。
 
天端は草ぼうぼう。
 
藤ヶ池と言うことでてっきり藤棚で覆われているのかと思いましたが、湖畔に藤棚が一株あっただけでした。
 
0832 藤ヶ池(0585)
富山県富山市婦中町高塚
神通川水系辺呂川
18.2メートル
129メートル
婦負郡藤ヶ池土地改良区
1950年

白岩川ダム

2016-09-29 11:25:51 | 富山県
2016年9月20日 白岩川ダム
 
白岩川ダムは富山県中新川郡立山町にある富山県営の多目的重力式コンクリートフィル複合ダムです。
北アルプス立山連峰前衛の大辻山に源を発し富山平野中央部を南北に貫流して富山湾に注ぐ白岩川は全長24.6キロの2級河川ですが、富山県の他の河川同様急流河川で流域にたびたび洪水被害をもたらしてきました。
一方で渇水時には流量が減り灌漑用水の補給に支障をきたし安定した灌漑用水の確保が求められました。
さらに立山町では生活用水を地下水に頼っていましたが上水道の整備で新たな上水道水源の確保が課題となりました。
これらの課題に対処するために富山県は白岩川に多目的ダムの建設を決定、1974年(昭和49年)に竣工したのが白岩川ダムです。
白岩川ダムは白岩川の洪水調節、既得取水権の補給と河川流量の維持、立山町の上水道の供給を目的としています。
白岩川ダム左岸は風化しやすい地質のためロックフィルとなっており、右岸の重力式コンクリートとのフィル複合ダムです。
 
上市中心部から県道158号線を南下すると白岩川ダム右岸に到着します。
すでに土砂降りに近い雨の中ダムを見学します。
残念ながら堤体は立ち入り禁止。
 
右岸の洪水吐は重力式コンクリート、左岸がロックフィルの複合ダムです。
洪水吐は非常用洪水吐は自由越流式、常用洪水吐はローラーゲートとなっています。
 
フィル堤体の上流面。
 
下流面。
 
下流から。
 
フィルが大幅に長い複合ダムです。
 
洪水吐直下から。
秋雨前線による降雨を受けて常用洪水吐から放流が行われています。
 
このアングルで撮ると複合ダムというよりもフィルダムに見えます。
 
導流部。
 
0859 白岩川ダム(0584)
富山県中新川郡立山町中蔵
白岩川水系白岩川
FNW
GF
50メートル
318メートル
富山県
1974年

上市川ダム

2016-09-29 11:21:55 | 富山県
2016年9月20日 上市川ダム
 
上市川ダムは富山県中新川郡上市町の上市川にある富山県営の多目的重力式コンクリートです。
北アルプス立山連峰前衛の大辻山と早乙女岳に源を発し上市町を北西に貫流して滑川市西端で日本海に注ぐ上市川は全長24.1キロの2級河川ですが、富山県の他の河川同様急流河川で戦後だけでも10回以上の洪水被害をもたらしてきました。
そこで富山県は1959年(昭和34年)から上市川ダムを着工、1965年(昭和40年)に完成しました。
ところがダム完成後の1969年(昭和44年)8月の豪雨では上市川ダムの計画高水流量を越え浸水2000戸を超える大きな被害をもたらしました。
そのため富山県は上市川ダムの上流に新たなダムの建設を決定し1985年(昭和60年)に上市川第2ダムが完成しました。
上市川ダムは上市川第2ダムと連携した上市川の洪水調節、既得取水権の補給と河川流量の維持を目的とするほか富山県企業局が運営する上市川第一発電所で最大4800キロワットの発電を行っています。
 
北陸道立山インターから富山中部広域農道を東進、県道154号線を右折して南東に進むと上市川ダムを示す標識が現れます。
これに従って狭い道路を進むと左手に上市川ダムが見えてきます。
 
直線状の導流壁など1960年代のダムらしいデザインです。
豪雪地帯ということでゲートビアは被覆されています。
 
天端の前面に歩廊が設けられています。
阿賀野川の東北電力の発電ダムではよくみられる歩廊ですが、多目的重力式ダムでは珍しいかも?
 
高欄にはめ込まれた銘板。
 
天端は車両通行可能。
ゲート操作室は被覆されています。
 
上流面。
 
インクライン。
 
減勢工
 
ダム湖。
 
0850 上市川ダム(0583)
富山県中新川郡上市町東種
上市川水系上市川
FNP
64メートル
146メートル
富山県
1964年

上市川第2ダム

2016-09-29 10:25:01 | 富山県
2016年9月20日 上市川第2ダム
 
上市川第2ダムは富山県中新川郡上市町の上市川にある富山県営の多目的ロックフィルダムです。
北アルプス立山連峰前衛の大辻山と早乙女岳に源を発し上市町を北西に貫流して滑川市西端で日本海に注ぐ上市川は全長24.1キロの2級河川ですが、富山県の他の河川同様急流河川で戦後だけでも10回以上の洪水被害をもたらしてきました。
そこで富山県は1965年(昭和40年)に上市川ダムを建設しますが、1969年(昭和44年)の豪雨では上市川ダムの計画高水流量を越え浸水2000戸を超える大きな被害をもたらしました。
そこで富山県は上市川ダムの上流に新たなダムの建設を決定、1985年(昭和60年)に竣工したのが上市川第2ダムです。
上市川第2ダムは上市川ダムと連携した上市川の洪水調節、既得取水権の補給と河川流量の維持を目的とするほか富山県企業局が運営する上市川第二発電所で最大4300キロワットの発電を行っています。
 
北陸道立山インターから富山中部広域農道を東進、県道154号線を右折して上市川ダムの入口をやり過ごしさらに進むと上市川第2ダムを示す標識が現れます。
左岸から下流面。
 
ダムの石碑とダム湖(早乙女湖)の標柱。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸の洪水吐。
独特のダム穴風洪水吐ですが、折からの秋雨で水位が上がり越流をしていました。
 
越流部の突起は石川県の子撫川ダムと同じで越流時の振動を抑えるスポイラーだと思います。
 
洪水吐と上流面。
 
ゲートビアは被覆されています。
 
導流部は見えません。
 
ダム湖(早乙女湖)と発電所の取水設備。
早乙女湖はカヌーの漕艇場として使用されるほかダム湖畔はふるさと剱親自然公園としてキャンプ場や野外ステージなどが整備されているそうです。
 
上流面は丸い石が積まれています。
 
下流側からの洪水吐。
 
結構な雨の中での見学となりましたが、ダム穴風洪水吐の越流を見れたのは幸運でした。
ダム湖上流も公園として整備されているようですが天気が悪いのでパス、下流にある上市川ダムへと向かいました。
 
0867 上市川第2ダム(0582)
富山県中新川郡上市町東種
上市川水系上市川
FNP
67メートル
205メートル
富山県
1985年