ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

七ヶ宿ダム

2016-09-12 16:45:15 | 宮城県
2016年9月5日 七ヶ宿ダム
 
阿武隈川水系は中流部の福島県中通地域と下流部の宮城県白石市・角田市でたびたび洪水被害を引き起こし、抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。
一方東北の中心都市として発展著しい仙台周辺では人口増や産業発展に伴う水需要の増加が続き、新たな水源を確保する必要性がでてきました。
そこで建設省は阿武隈川を1級河川に指定するとともに多目的ダムによる河川総合開発事業に乗り出し、1991年(平成3年)に阿武隈川の主要支流である白石川に竣工したのが七ヶ宿ダムです。
七ヶ宿ダムは大滝根川の三春ダム、摺上川の摺上川ダムと連携して阿武隈川水系の洪水調節を行うほか、慣行水利権分の用水補給と安定した河川流量の維持、仙台平野への農業用水補給、宮城県内7市10町への上水道の供給を目的としています。
また利水放流を利用した七ヶ宿ダム管理用発電所で最大3700キロワットの小水力発電を行っています。
 
白石市街から国道113号を西進し東材木岩トンネルを抜けると左に七ヶ宿ダム管理事務所への道が分かれます。
国道に沿って公園が設置され巨大なクワガタのモニュメントが現れます。
 
洪水吐。
クレストはラジアルゲート3門、オリフィスの予備ゲートが2門。
無塗装のラジアルゲートがメカニカルな印象を際立たせます。
 
ラジアルゲート下流側は赤い塗装。
 
洪水吐導流部と減勢工
堤体直下には公園があり材木岩から遊歩道が伸びていますが、震災以降立入禁止。
 
天端は歩行者のみ立ち入り可能。
堤体は緩やかに湾曲しています。
 
左奥の取水塔は上水道、工業用水の取水設備
管理事務所に隣接して左は灌漑用取水設備、右はインクライン。
 
右岸の壁面に七ヶ宿ダムの銘。
 
ダム湖(七ヶ宿湖)
右手に南蔵王の不忘岳と屏風岳が見えます。
 
下流面。
 
上流面。
 
堤体直下には公園がありますが、材木岩からの遊歩道は震災以降通行止め。
ダムの見学会に参加すれば下流からもダムを見ることができるようです。
平日なら予約なしでダム内部見学ができるのでぜひ平日に再訪したいと思います。
 
追記
七ヶ宿ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0304 七ヶ宿ダム(0555)
宮城県刈田郡七ヶ宿町
阿武隈川水系白石川
FNAW
90メートル
565メートル
109000千㎥/99500千㎥
国交省東北地方整備局
1991年
◎治水協定が締結されたダム

嘉太神ダム

2016-09-12 13:26:15 | 宮城県
2016年9月10日 嘉太神ダム
 
嘉太神ダムは宮城県黒川郡大和町の鳴瀬川水系吉田川にある灌漑・防災目的のアースダムです。
ダム便覧によれば1937年(昭和12年)に大和町によって築造され、戦後の溜池改修事業で嘉太神ダムとなったようで、吉田川流域溜池大和町外2市4ヶ町村管理組合が管理を行っています。
 
嘉太神ダムへは4月に一度アプローチしましたがこのときはダムへの道が通行止めのため引き返してしまいました。
帰宅後ダムへは三つのルートがあり一番上流からのルートでダムに到達可能なことがわかり今回の再訪となりました。
大和町中心街から県道147号升沢吉岡線を西進、沢渡集落の先で左に分かれる道を二本やり過ごし、三本目の道を左折すると嘉太神ダムが見えてきます。
上流から遠望。
 
荒れ気味の道をさらに進むとダム左岸の洪水吐に飛び出します。
大きくカーブを描く洪水吐と堤体手前のダム湖の離れ小島が特徴です。
まだ夏の景色ですが、紅葉すると素晴らしい眺めになりそう。
 
広角レンズで。
 
どのアングルから撮っても絵になる洪水吐。
 
ダム湖の奥には泉ヶ岳から船形連峰が広がります。
 
 
堤体へは吊り橋が架かっています。
 
残念ながら立ち入り禁止。
 
下流面。
 
追記
嘉太神ダムには農地防災容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0288 嘉太神ダム (0554)
ため池コード
宮城県黒川郡大和町吉田
鳴瀬川水系吉田川
FA
27メートル
101メートル
854千㎥/719千㎥
吉田川流域溜池大和町外2市4ヶ町村組合
1937年
◎治水協定が締結されたダム

二ツ石ダム

2016-09-12 13:13:53 | 宮城県
2016年9月10日 二ツ石ダム
 
二ツ石ダムは宮城県加美郡加美町の鳴瀬川水系田川の支流二ツ石川にある農業用水供給を目的としたロックフィルダムです。
鳴瀬川や江合川下流域は大崎耕土と呼ばれる県内屈指の穀倉地帯ですが安定した灌漑用水源が乏しく、水路の堰上げによる反復利用や番水等により用水を確保していました。
そこで農水省の基幹かんがい排水事業により2009年(平成21年)に竣工したのが二ツ石ダムで、完成後は宮城県が管理を行っています。
 
二ツ石ダムへは4月に一度アプローチしましたがこのときはダムへの道が冬期通行止めのため到達することができませんでした。
加美町から県道262号最上小野田線を西進して、旭小学校で二ツ石ダムの標識に従って左折すると二ツ石ダムに到着します。
右岸展望台から、足元にロックフィルダムがジオラマのように広がります。
ダム湖は山美湖。
 
洪水吐をズームアップ。
 
竣工記念碑。
 
右岸の洪水吐、越流しています。
 
 
 
上流面。
 
左岸の取水設備。
 
管理事務所。
 
追記
二ツ石ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3065 二ツ石ダム(0553)
宮城県加美郡加美町宮崎
鳴瀬川水系二ツ石川
70.5メートル
439メートル
10600千㎥/9700千㎥
宮城県土木部
2009年
◎治水協定が締結されたダム

岩堂沢ダム

2016-09-12 10:13:42 | 宮城県
2016年9月10日 岩堂沢ダム
 
岩堂沢ダムは宮城県大崎市の北上川水系江合川の右支流岩堂沢にある農業用水供給を目的とした重力式コンクリートダムです。
江合川下流域は大崎耕土と呼ばれる県内屈指の穀倉地帯ですが、灌漑用水の水源に乏しく安定した水源の確保が長年の課題となっていました。
そこで農水省の基幹かんがい排水事業により2009年(平成21年)に竣工したのが岩堂沢ダムで、完成後は宮城県が管理を行っています。
 
岩堂沢ダムへは4月に一度アプローチしましたがこのときはダムへの道が冬期通行止めのため到達することができませんでした。
古川インターから県道47号を西進、中山平温泉駅の先で岩堂沢ダムを示す標識に従って左折し、二ツ森トンネルを抜けるとダムサイトに到着します。
 
減勢工と利水放流設備。スノーシェルターのついた管理通路が特徴です。
 
下流面。
 
天端は立ち入り禁止。
 
竣工記念碑。
 
上流面。手前は取水設備。
よく見えませんがクレストは自由越流式のようです。
 
ダム湖(蛍泉湖)。
 
右岸のインクライン。
 
右岸上流から。
 
 
 
追記
岩堂沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2970 岩堂沢ダム(0551)
宮城県大崎市鳴子温泉
北上川水系岩堂沢
68メートル
200メートル
13480千㎥/13000千㎥
宮城県土木部
2009年
◎治水協定が締結されたダム