ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

桜ヶ池

2016-09-30 15:57:21 | 富山県
2016年9月21日 桜ヶ池
 
桜ヶ池は富山県南砺市立野原西にある灌漑用アースダムで1954年(昭和29年)に富山県の事業で建設され、城端土地改良区が管理を行っています。
大井川だけでは貯水容量と灌漑用水を維持できないため4~11月の期間は城端ダムから地下トンネル導水路により水の供給を受けています。
桜ヶ池はもともとワカサギ釣りのスポットとして知られ湖畔には釣り宿や旅館が数件ありました。
その後、隣接して東海北陸自動車道桜ヶ池ハイウェイオアシスが開設されたのに合わせて公園やコテージ、キャンプ場などが整備され周辺一帯がレジャーエリアとなっています。
また2017年(平成29年)より半年間放送されたアニメ『サクラクエスト』のモデルになったことで、いわゆる聖地巡礼の対象にもなっています。
 
左岸にある桜ヶ池の竣工記念碑。
 
堤体は直角に折れ曲がり堤頂長は432メートルもあります。
天端は県道292号線が通っており、歩行者専用のウッドデッキが設けられています。
 
左岸の取水設備。
釣り用の貸しボートが並んでいます。
この奥は自遊の森としてコテージやキャンプ場になっています。
 
貯水池(桜ヶ池)。
 
堤体の下は桜ヶ池公園として遊具が並んでいます。
 
大人も楽しめる遊具が多くついつい30分ほど遊んでしまいました。
 
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐に隣接して桜ヶ池エントランス広場が設けられ城端土地改良区の広報館となっています。
 
0839 桜ヶ池(0597)
ため池コード
富山県南砺市立野原西
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
小矢部川水系大井川
27メートル
432メートル
千㎥/千㎥
城端土地改良区
1954年

野地溜池

2016-09-30 14:36:48 | 富山県
2016年9月21日 野地溜池
 
野地溜池は富山県南砺市小院瀬見にある灌漑用アースダムで、1921年(大正10年)に当時に西太美村直営事業により築造され現在は野地自治会が管理を行っています。
ダム周辺には福光射撃場や福光里山運動場や体育館が整備されています。
 
南砺市福光から県道10号を南下、福光射撃場の標識に従って右手の道に入り運動場手前を右折すると野地溜池に到着します。
天端は市道で車両通行可能です。
 
草でわかりませんが堤頂部はコンクリートブロックで補強されています。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部
 
堤体上流面
ゴムシートで遮水されていますが、シートがボロボロ。
 
溜池は水抜きされているようです。
奥の緑色の建物は里山運動場のフェンスです。
 
左岸の斜樋。
 
 
0812 野地溜池(0596)
富山県南砺市小院瀬見
小矢部川水系小矢部川
17メートル
85メートル
野地地区
1921年

法林寺ダム

2016-09-30 14:10:46 | 富山県
2016年9月21日 法林寺ダム
 
法林寺ダムは富山県南砺市法林寺の明神川にある灌漑用アースダムで法林寺地区が管理を行っています。
元は江戸時代から続くため池を1955年(昭和30年)に富山県の事業で改修し法林寺ダムとなりました。
法林寺周辺の山はツツジが多く溜池は『つつじヶ池』と呼ばれており、国土地理院地形図や多くの道路マップでも『つつじヶ池』と記載されています。
 
南砺市福光から県道27号を金沢方面へ走ると法林寺ダムが見えてきます。
下流から。
直下の水田が土地改良でかさ上げされたので堤高15.8メートルには見えません。
 
下流面
この時期の溜池が草ぼうぼうなのは仕方ないですね?
 
つつじヶ池
春にはツツジの花が咲くのかな?
 
天端から
法林寺地区の貴重な水源です。
 
天端は車両通行可能ですが・・・。
 
右岸の洪水吐
前夜の大雨のせいか越流しています。
奥は取水設備。
 
 
洪水吐と堤体上流面。
 
3427 法林寺ダム(0595)
富山県南砺市法林寺
小矢部川水系明神川
15.8メートル
86メートル
法林寺地区
1955年

小牧ダム

2016-09-30 13:11:57 | 富山県
2016年9月21日 小牧ダム
 
小牧ダムは富山県砺波市庄川町の庄川本流にある関西電力の発電用重力式コンクリートダムです。
富山県出身で日本セメント(現太平洋セメント)の創始者となる浅野総一郎が設立した庄川水力電気により1925年(大正14年)に小牧ダムは着工されます。その後庄川水力電気の親会社となる当時の5大電力の一つ日本電気主導で事業が進められ、途中筏により木材の運搬を行っていた木材業界との『庄川流木争議』などの障害を乗り越え、1930年(昭和5年)に無事小牧ダムと小牧発電所が完成しました。
竣工当時には木材業者を保護する観点から木材運搬用設備や当時としては画期的なエレベーター式魚道を備えていました。
小牧ダムを含めた庄川流域の電力事業は、戦中戦後の日本発送電時代を経て関西電力が継承、現在は小牧発電所で最大8万2200キロワットの発電を行っています。
小牧ダムはその歴史的な価値から登録有形文化財に指定されるとともに近代土木遺産に選定されています。
また小牧ダムによって誕生したダム湖は『庄川峡』として富山県を代表する観光スポットの一つとなっています。
 
砺波から国道156号を南下、庄川温泉を過ぎ国道471号を分けると小牧ダム左岸ダムサイトに到着します。
左岸から
堤体から桟橋の様にダム湖に伸びる設備はかつての筏運搬設備の遺構のようです。
 
クレストにずらっと並ぶ17門のラジアルゲートは圧巻の一言です。
79.2メートルの堤高は当時としては比類の高さを誇るダムでした。
 
 
天端は開放され歩行での通行ができます。
 
減勢工。
いかにも大正末期から昭和初期といった形状です。
 
堤体に開いた穴は建設時に使用した横抗の遺構です。
 
ダム直下右岸に温泉があります。
 
右岸から
手前に見える導流壁がエレベーター式魚道の遺構。
 
上流面。
 
左岸下流から。
 
下流の日帰り入浴施設から。
 
0816 小牧ダム(0594)
富山県砺波市庄川町小牧
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
庄川水系庄川
79.2メートル
300.8メートル
㎥/㎥
関西電力(株)
1930年
◎治水協定が締結されたダム

湯谷川ダム

2016-09-30 11:18:04 | 富山県
2016年9月21日 湯谷川ダム
 
湯谷川ダムは富山市山田中村の神通川水系山田川左支流の湯谷川にある灌漑用ロックフィルダムです。
旧山田村西部および旧婦中町外輪野地区の灌漑用水不足時に用水の補給を行うことを目的に富山県の事業により2000年(平成12年)に完成しました。
ダムは山田村土地改良区と外輪野用水土地改良区で構成される湯谷川ダム水利管理委員会が受託管理をしており、ダムで貯留された水は両土地改良区管内の7か所の取水口を通じて灌漑用水として供給されています。
 
山田川沿いの山田温泉から県道346号で牛岳温泉スキー場を目指すと湯谷川ダムを示す標識が現れます。
まずはダム下流側からアプローチ。
右岸(写真左手)に洪水吐導流部、左岸(写真右手)に取水口からの利水放流口があり堤体直下で合流しています。
写真ではわかりづらいですが利水放流口から河川維持放流が行われています。
 
右岸下流側から。
 
右岸洪水吐。
水位は高いですが越流面寸前で止まっています。
 
 
ダム上流面。
 
天端から。
 
ダム湖
ダム湖の上は牛岳温泉スキー場です。
 
堤体下流面。
 
堤体上流面。
 
0868 湯谷川ダム(0593)
富山県富山市山田中村字湯谷
神通川水系湯谷川
63.7メートル
176.4メートル
富山県
2000年

若土ダム

2016-09-30 11:14:32 | 富山県
2016年9月21日 若土ダム
 
若土ダムは富山市山田若土にある富山県営の発電用アーチダムです。
もともとは灌漑と砂防を目的に1960年(昭和35年)に建設されましたが、1982年(昭和57年)に若土発電所が追加され最大270キロワットの発電を行っています。
山田川支流の湯谷川に灌漑目的の湯谷川ダムができたことで、灌漑目的は外れ現在ダムの目的は発電のみとなっています。
 
八尾から県道25号で山田に至り、山田川に沿って県道59号を南下すると左手に若土ダムが唐突に現れます。
全面越流式の小さなアーチです。
普段は白糸を流すような美しい越流だそうですが、この日は前夜の大雨の影響で激しく越流していました。
手前の青い屋根が若土発電所です。
 
堤体は立ち入り禁止なのでこの場所からの撮影に限られます。
 
 
 
手前の緑色のゲート風の建物は発電所の取水口です。
緑色のベルトコンベアは取水口のごみを自動で除去するのものです。
 
ダム湖
大雨にもかかわらず湖底が見え堆砂が進んでいるのがわかります。
発電用なので問題ないようですが、現場に居合わせた関係者の話では排砂しようにも手立てがないとおっしゃっていました。
2つの滝は自然のものではなく、室牧ダムからの導水路吐口です。
 
 
0843 若土ダム(0592)
富山県富山市山田若土
神通川水系山田川
26メートル
68メートル
富山県
1960年

室牧ダム

2016-09-30 10:21:54 | 富山県
2016年9月21日 室牧ダム
 
室牧ダムは富山市八尾町小谷の神通川水系室牧川にある富山県営の多目的重力式アーチダムです。
岐阜県の楢峠に源を発し旧八尾町、旧婦中町を南北に貫流して神通川に合流する井田川は富山平野有数の穀倉地帯を支える貴重な水源でしたが、洪水のたびに流域に大きな被害をもたらす一方、渇水時には灌漑用水の取得が困難となり干ばつ被害が頻発していました。
そこで富山県は井田川総合開発計画を策定、1961年(昭和36年)に竣工したのが室牧ダムです。
室牧ダムは井田川水系の洪水調節、既得取水権への補給及び河川流量の維持を目的とするほか富山県企業局室牧発電所で最大2万2000キロワットの発電を行っています。
 
八尾から国道472号を南下、八尾町正間で県道230号を右折すると室牧ダムに到着します。
右岸から
ちょっと小ぶりなアーチダムです。
 
ちょっとアングルを変えて
奥に発電所の取水口が見えます。
 
クレストはローラーゲートが2門。
 
堤体は立ち入り禁止で手前に管理事務所があるので撮影ポイントは限られます。
 
斜面にへばりつく管理事務所。
 
ダム湖
前夜の雨のせいで水位が高くなっていますが、越流するほどには上がらなかったようです。
 
県道沿いのプラント跡。
 
インクライン。
 
上流から
下流からはわかりませんでしたがローラーゲートの両外にコンジットゲートがあります。
 
0846 室牧ダム(0591)
富山県富山市八尾町小谷北原
神通川水系井田川
FNP
80.5メートル
153.1メートル
富山県
1961年