勇者がその神殿に辿りついた時には悪魔の祭りは既に始まっていたのだ。巨大なドクロ神殿とその後背にそびえるモノリス神殿に愕然とする勇者。
彼らの行く手を阻むように門番が立ちはだかった。この先進むべからず!門番に気を取られたその一瞬、
モノリス神殿から放たれた光彩柄の電飾ネット!!
「ガハハハ!かかったな!!勇者どもよ!」どこからともなく聴こえる不気味な声。
「だ、誰だお前は!!」
「名前なんてどうだってよい!お前らはココ、ドクロ神殿で命を落とすのぢゃ!」
「お前、さてはドクロ魔人だな!!」
「そうさ、ワシがドクロ魔人ぢゃ、知ったところでお前はここから先のモノリス神殿へ進むことはできん、覚悟致せ!!」
ドクロ魔人が言葉を発するたびに電飾ネットが怪しく明滅し、勇者の体力を奪っていくのであった。為すすべもない勇者は次第に背を丸め、やがては地に平伏さんと膝を地面に付き天を仰いだ。その時であった。
微かに雲間から光が漏れたかと思うと、その穿たれた雲の孔から一筋の光が近くの森に差し込んだ。
光と風が同時に降り注いだ先には、なんと2本の耳が!!
勇者は叫んだ「あ、あなた様は!」
つづく
光の伝説 ル・ミナリエ国物語《後編》