とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『悪は存在しない』を見ました。

2024-05-16 18:50:11 | 映画
映画『悪は存在しない』を見ました。衝撃的なラストが、重層性を生みだす見事な作品です。

「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督が、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞を果たした作品です。

舞台となるのは東京にわりと近いのですが、自然豊かな高原に位置にある町です。そこにグランピング場ができる計画が持ち上がります。その計画も地元民の感覚からすれば杜撰であり、反対する者が多くいます。その中で冷静に話し合いをすすめようとする一人の男がいます。主人公のタクミです。タクミについては多くは説明されません。まだ小学生の女の子と一緒に暮らしていますが母親はいません。写真には写っているので、もしかしたら死んだのかもしれません。背景が語られないのです。

グランピング場の説明会では杜撰な説明がなされます。本来は芸能事務所だったのにコロナの補助金目当てでグランピング場建設を計画したものなので杜撰で当然なのです。地元住民はそれに気づき、中には感情的な態度を取ろうとするものもいます。しかしタクミはそれを体をはって止めます。村の人も、映画を見る人もタクミの冷静さに信頼をよせるのです。

しかしラストシーンですべてが覆されます。実はタクミは本来一番感情的な行動をとってしまう男であることがわかるのです。そしてタクミの妻がいないのも何か過去があったのではないかと考える様になります。そして、さまざまな伏線の存在に改めて気が付くのです。

見事な脚本であり、見事な映像です。映画のすばらしさを感じさせる作品でした
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