新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月27日 その2 商社マンと懇談した

2016-05-27 15:55:27 | コラム
リーマンショック前にも似た不況か?

26日に商社マンと懇談の機会があった。彼は元々悲観論者であるから、何時会っても「売れ行き不振で」と言うのが普通なのだ。だが、今回は「本当に紙は売れていない」と真剣な表情だった。ということは、一般経済の立ち直りが本当に未だしという意味だと解釈した。事実、先週会った専門商社の輸出入のエキスパートも全く同じような調子で嘆いていたものだった。この調子では安倍総理がサミットで「リーマンショック前の状態」との表現を使われたのは必ずしも誇張された表現ではないと言える気がするのが遺憾だ。

不調の件はこの辺りで打ち切って色々と語り合った中に、UNIQLOの売れ行き不振があった。それはここ2~3週間ほど毎週金曜日には入ってくる同社の折込広告(=紙)が入ってこないので、UNIQLOは紙媒体を使った広告を止めるほどの状態かというところから始まった。彼によれば、実態はそうではなく、チラシをまかない場合はどうなるのかを試している模様だと代理店から聞かされている由だった。この代理店にすれば、UNIQLOのような大量の需用者がチラシを中止されては大きな売り上げ減になってしまうのだ。それでなくとも売上数量の減少に悩んでいるこの時期に、大手ユーザーが買い控えられてそは痛手だと十分に解る話だった。

実は、当方も遅ればせながら下着を夏物に入れ替えようと思っていた時に、UNQLOがしきりに”AIRism”と銘打たれたものを買うかと計画していた。しかし、一向にチラシが入らないので、去る20日にしびれを切らして建値の¥1,250(+税)で買うしかないかと出かけると、レジでは税込みで¥1,065となっていた。値引き販売になっていたのだった。ところが、本日は大きなチラシが入り、何年だったかの記念セールで¥790だった。早まって約¥200の損だった!

繊維製品の新製品を発売する際の小売価格の設定方式とセールの価格の立て方にはある程度の知識があるので、このUNIQLOの¥790には驚きはない。だが、同社の不調もさることながら、末端では未だ未だデフレ傾向が拭い去られていないのかと、あらためて見直したような安値だった。私は仮令ここまで下げても、同社は十分に採算を取ってあると解釈する。安倍総理がしきりに表現を曖昧にしておられる消費税率引き上げ延期も、このUNIQLOの例だけで論じる訳にはいかないかも知れぬが、決して故なきことではないと危惧する次第だ。

アメリカの大統領選挙も話題に上ったが、彼も「今やトランプ大統領が出現しても驚くには当たるまい」との見方をしていた。私はその確率はかなり高くなってきたようではあるが、ABCとワシントンポストの直近の調査ではトランプ46%対クリントン44%となっていたことが示すように、未だ拮抗状態と見たいのだ。



コメントを投稿