新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

人手が不足して・・・

2014-05-17 08:38:13 | コラム
そこまでとは予測していなかったのは誰の不明?:

LCCはパイロット不足で減便せねばならぬ時代となり、すき家は¥1,350だったかの時給を払ってもアルバイトが集まらず多くの店舗を閉めたと報じられている。私はここまでの事態に至ると予測できなかった不明を恥じているのだが、果たして恥じるべきなのだろうか。

ここでまたぞろ昔の話しを思い出した次第だ。それは1960年代だったか、当時雇って頂いていた日本の会社の本社は有楽町の懐かしき三信ビルや日比谷劇場に近いところにあった。その周辺は急速に発展し、そこを走る高速道路の下には西銀座デパートやショッピングセンターが続々と開店し、綺麗な近代的で魅力的な小売店が急増したのだった。そこには当然だが若き乙女の販売員が数多く登場した。

その辺りを常に彷徨っていた我々若き精鋭の一人がポツンと言ったことは「これだけ小売店が増えるとどうしても若くて魅力がある美貌の女性が減るな」と、今ならば到底許されないとんでもない差別発言をしたのだった。「そう言われてみれば、デパートに獲られているな」と賛成する者もいた。即ち、後難を怖れずに解説すると、「小売店の急増を賄う働き手の数が足りないな」となる。

この解説でご納得頂いた向きには私が言わんとすることは「LCCもすき家も彼等が求める人材の供給が根本的に不足しているという事態を見誤っていたのだ」と、お解り頂けたと希望的に考えている。ゼンショーの社長は「若者が3Kを嫌っている」と語って大顰蹙を買った模様だが、私は何度か聞かされた「現在の若者には何をやっても良いから稼いでやろうとの意欲が欠けている」という方を信じたい。

即ち、車の所有欲がなく、免許を敢えて取りに行かず、新聞も定期購読せず、PCを持たずとも漫画喫茶等の利用で済ませられる等々のような高齢者には俄に理解できないような価値の基準を持っているようなのだ。中には高価なブランド品を身にまとう意欲など頭からないので、あの汚らしいジーンズにシャツの裾を外に出して着用して気にも止めないのだろう。

何時だったか、何処の局だったか5名の大学生に5万円与えて一日で使い切れと依頼した。すると彼等が最初にしたことはと言えば、コンビニに行ってカツ丼弁当だったかを買って曰く「今日は豪華な昼飯と行こう」と。結局使い切れなかった。不況下に育った彼等の「豪華」はこの程度のことだ。だから、すき家の何とか言う鍋形式の牛肉料理の準備が面倒だからとそこでのアルバイトを嫌ってしまうのらしい。

こういう流れをみて、何時まで経っても「今時の若者は・・・」等という陳腐な価値判断の基準で見ていると、時代を見誤る結果に終わるのではと、後期高齢者歴6年の私には見えてくるのだ。


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