新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月23日 その2 東京ドームは開催できるのか

2021-01-23 16:44:59 | コラム
形と内容を問わなければ開催可能かも知れない:

新型コロナウイルスの制圧策が世界中の何処の国でも思い通りに言っていない状況下では、マスコミや専門家や消息筋等から色々な情報や観測が流されていて、オリンピック開催はどうなってしまうのだろうかと不安な報道機関が、組織委員会や政府に取材に回っている。だが、良く考えなくとも解るだろう事で、IOCや菅首相を初めてとして、我が国の担当の大臣や組織の方々は「開催すべく準備怠りない、必ずやり遂げる」と答えるに決まっているではないか。だが、この関係の専門家である関西大学の某名誉教授は「開催できないと損失は2兆数千億円」という試算までされていた。

私は昨年延期が発表になる前から「毎度申し上げている『閃き』では、どうしてもあの新装(改装?)なった国立競技場等々で競技が開催されている絵が見えてきていなかった。更に、今年の7月に無事に目出度く延期して開催される景色も、閃いては来なかったのだ。しかし、これには後から裏付けとなる材料が、現実の問題として続々と付いてきたのだった。その最たるものは言うまでもない、全世界で一向に感染の拡大が止まらない新型コロナウイルスである。現時点では、この問題は如何なる人智を活用しても、短期間に制圧可能な見通しが立っていない。

僅かな希望の星がワクチンだったのだが、開発された先進国では超短期間に治験を終えて接種が開始されているのは結構だが、1月の時点では言わば富裕国に於いてだけの事に過ぎない。先進工業国であるはずの我が国では、導入(輸入)契約は進んでいると報じられているが、厚生労働省による承認の手続きはこれからである。しかも、残念な事に担当大臣に任命された河野太郎と官房副長官との間に接種開始の時期について見解の相違があったりしている。

それはそれとして、現実を見れば全世界の国から出場乃至は派遣されてくるはずの選手たちの予選が終わっていない国は幾らでもある。我が国でも全種目をならしてみれば、予選が終了しているのは20%超だとの報道もある。しかも、予選を終えていたにしても、ウイルス対策等の悪条件に阻まれて練習量や調整が不十分な選手たちが多いという懸念も報じられていた。更に、兎角不安な材料を語られる中川日本医師会長は「入国された外国人選手から感染者が出れば、医療機関は対応しきれない」などと発表される始末だ。これなどは「開催しないで」と言っているに等しい。

ここまでは国内の事情が主体だが、実際にアメリカやヨーロッパの実情を見れば、感染者も何も我が国とは一桁も二桁も違う難しい状態に苛まれている。そう言う状況の中で、如何にして運動選手たちだけを保護してオリンピック参加が可能なような状態に仕上げる環境を整え、尚且つ予選会を開くのだろうか。仮に無事に予選会を経て選手団を我が国にまで送り込めたとして、共に派遣できる医師団を編成できるのだろうか。各国でウイルスを制圧しきれていれば可能かも知れないが、未だ医療の現場で患者に対応している状態であれば、そこから従事者を抜く事が可能かと言う問題だ。

このような悲観的な面ばかりを離れて考えて見よう。それは「世界の各国が何としてもオリンピックに参加して、無事に開催しようと割り切れた場合のこと」である。暴論である事を承知で言えば、(私の好みではない言い方になるが)「コロナ禍の為に練習量も不足し、未調整のままの選手でも良いと割り切って、遠い我が国まで選手団を送り込む」のである。それでは、必然的に予期していた内容とは異なる低次元の試合や競技の展開となるのは必定だが、開催には漕ぎ着けられるのではないのか。

しかし、そのような場合でもアメリカのNBCは嬉々として中継放映するのだろうか。IOCは中継を希望するだろう。だが、そんな試合を見に世界から観客が訪れるだろうか、もしかしてウイルスに感染するかも知れない危険性も残っているかも知れない我が国と試合会場に。観客を安心させて誘致する為には、我が国は今からでは遅いくらいだが、万難を排してウイルスを制圧しておかねばなるまい。だが、2回目の緊急事態宣言発出2週間を経ても、未だステージ4だかから脱出出来ていない状態では、政府も肝腎の東京都も思い切ったなどと言う段階ではない対策を講じねばなるまい。

更に言えば、ステイホーム等と言う解ったような解らないような英語擬きの標語などに頼るのではなく、いっその事「罰則を伴う外出禁止令」を特に若者を標的して発令でもしないと、感染拡大を阻止しきれないのではないかと、私は真剣に危惧している。期間はそれこそ1ヶ月でも事足りるのではないかと、希望的に考えている。如何でしょうか、小池さん。



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