新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アメリカ大統領選挙を回顧すれば

2016-11-09 16:42:30 | コラム
トランプが勝利と仮定して:

16時を過ぎた時点でトランプの244対クリントンの215でかい票が止まったままである。NYタイムス他が80%の確率でトランプの勝利と言い出したとの報道に基づいて、この回顧談に着手した次第だ。と言うのも、我が国の各テレビ局の見込みでは午後1時過ぎには結果が判明するだろうとなっていたのを信じて、その後で回顧談を書こうかと考えていた次第だ。だが、痺れを切らして着手したのである。

正直に回顧して、私は一度もトランプとクリントンの何れが勝利するかについて、自分の予想を述べたことはなかった。これまでに述べてきたことは全て日米の知り合いの意見を紹介してきただけで、言うなれば伝聞だけだった。即ち自分は「こう思う」と言うだけのガッツはなかったのだ。そこを言い訳すれば「そこまで言い出すだけの材料の持ち合わせがない、遠く離れた日本にいてそんな思い切ったことは言えない」なのだ。

しかし、「クリントンは98%の確率で大勝利だ」という2%のチャンスをトランプに残したYM氏の意見、「トランプが共和党の候補者に選ばれれば”disaster”だ」というテクニカルサーヴィスマネージャーの意見、「アメリカ人の良識がトランプを選ぶ訳がない」という元の同僚等々、ごく当たり前のようにトランプを排斥する意見ばかりで、トランプの不利としか見えなかった。ただし、そのクリントン優勢の意見の中にも「これまでに共和・民主の何れもが3回連続で勝ったことがないのを忘れるな」という元大学院大学教授の指摘が何となく印象深かった。

そこまでのことだが、私はこれまでの人生で(は大袈裟かも知れないが)「圧倒的多数が予測乃至は予想することは、またはマスコミが挙って礼賛すること」に対しては何となく胡散臭いものを感じ、全く何ら理論的または具体的な根拠もなく、その反対のことが起きるような気がしていたことが非常に多かった。事実、屡々その反対のことが現実となったことはあった。例を挙げてみれば、と言っても、自分では何にも考えていなかった「UKのEU離脱」のような大逆転のようなことだ。

という次第で、このアメリカ大統領選挙でも、例によって例の如き閃きでは「これほど圧倒的多数の良識人と大権威の評論家等々が『クリントンの大差での勝利』を見込んでいる以上、ひょっとするとトランプの勝利があり得るのではないか。だが、そうなっては我が国にとって余り芳しくないな」となっていた。だが、何となく「トランプの大方の予想を覆すだろう勝利」を言い出そうとしなかった。それはガッツ不足も兎も角、外れたら格好が悪いとの躊躇いもあった。

それにも拘わらず、16時30分の時点で未だ決着がついていないにも拘わらず、この一文を躊躇しつつも発表しているのだ。



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