新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

気楽な話題を

2021-04-11 10:44:36 | コラム
阪神タイガースの佐藤輝明君:

やれ第4波の襲来だの蔓延防止等重点措置の実施だのと憂鬱な話題が増えるので、ここでは気分を変えてプロ野球にでも触れてみようと思った次第だ。

何故か阪神の試合を中心に、ここ4日ほどプロ野球の中継を見ている、それも佐藤輝明君の打撃に注目して。特に彼に期待している訳ではないのだが、昨年のドラフトの頃からマスメディアが騒ぎすぎるので、折角の素材が潰されるのではないかとの懸念と、本当に逸材なのかを確かめたいという興味もあったからだ。

その4日間で、あの横浜スタジアムの右翼の外野スタンドを超えていった140 mだったかも飛ばしたホームランと、右翼手の前にワンバウンドで終わった本当に目に見えない速さのヒットも見た。驚かされたのは寧ろこのヒットの方で、打った瞬間にカメラが追い切れていなかったし、解説者も何処に飛んだか見失ったと言ったほどの凄さだった。かの松井秀喜氏も大谷翔平君の会心の当たりでも、あれほどの音速的な凄さはなかったと感心した。確かに彼らマスコミが騒ぎ立てた逸材であるようだとは認識できた。

私はもう何年も前になったかも記憶ないが、1度だけ東京ドームで松井秀喜を見た事があったので、彼がどれほど群を抜いて「でかいか」も、その素質の素晴らしさも現場で見せて貰った。ニューヨークヤンキースで4番を打った事も、ウワールドシリーズでMVPを取った活躍振りも承知している。その松井秀喜と比較した場合に、佐藤輝明君はもしかすると「第2の松井秀喜」になれるかも知れないとも少しは感じさせてくれた4日間の観察だった。だが、問題点がある。それは、私は現場で佐藤輝明君を見ていないので、英語で言う“apple to apple”の比較にはならないからだ。

4試合見た限りで見えた事は、第一に彼は三振が多いが何れも振りに行っての三振で、高野連の会長だった脇村春夫君が嫌っていた「見送りの三振」ではない積極性を見せていた事を挙げたい。解説者も言っていたが「兎に角打ちに行っていて、当てるだけを狙っていない」事が積極性を表しているのは良いと思う。余談だが、これを我が国では彼のように振り回す事を「強振する」と言っていて、英語の面白さは“hit the ball hard”となっている点か。第二は内野手登録であるにも拘わらず、右翼を守らせられても、失礼だが意外に守備にソツがない点だと思う。大学野球とプロデは打球の性質が違うと思うが、器用にこなしている。

第三は既に多くの解説者が懸念していたように、内角攻めに遭って抑え込まれている事と、プロの投手の変化球に翻弄されている問題点を挙げたい。矢野監督が何時まで何処まで6番打者でホームラン以外では打線が切れてしまう事に耐えて、彼を育てる気かという事。まさか、阪神が現時点で首位に立っている事を死守しようという気ではあるまいが、佐藤輝明君が何処まで育つのかは楽しみであると言えるだろう。悲観論者の私が懸念する事は「ここ10年ほどの間に阪神ではこれという打者を育てていないという、負の実績がある」という点だ。問題は彼が入団の前に「球団に貢献できるような選手になりたい」と極めて控え目な目標を述べていた事。せめて「松井秀喜さんを越える打者になってMLBに行ってみたい」くらいの抱負を語って欲しかった。



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