新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月28日 その2 「奇跡のコーチ」

2017-11-28 11:04:44 | コラム
エディ-・ジョーンズHD:

言わずと知れた(かな?)前回のラグビーW杯で、我が国の代表の存在を世界に知らしめた監督さんである。ラグビー界ではHD、即ちヘッド・コーチと呼んでいるようだが英語の感覚からすれば、正解だと思う。英語には「監督」に当たる表現は無いと思う。

このジョーンズ氏がNHKのBSで掲題のような番組で、何処か知らないが高校のラグビー部を基礎から指導する番組を途中だけ見て「なるほど」と感銘を受けたので採り上げておく次第だ。彼は両親のどちらかが日本人と聞いた記憶があるが、指導は概ね日本語の部分だけ流れていた気がする。

私はラグビーを基礎から指導する場面に接したことがなかったので極めて印象的だった。彼は日本代表には極めて厳しい長時間の練習を課したと報じられていたが、この番組ではそういう気配は一切なく、極めて合理的に解りやすく基礎を教え且つ諭していた。その内容は基本技というか基礎はかくあるべきだと口で言って聞かせてから実行させるのだ。それを見守って褒めるべき時は褒め、駄目な時は練習を中止して全員を集めて「何処が悪かったか」をじっくりと言って聞かせる方式だった。私にも解るような説明だった。

それでも二軍の連中にはその通りに行かない場合が多く、時には「やる気がなければ、帰れ」とまで、比較的穏やかな口調で叱責していた。良いやり方だと聞こえた。兎に角、基本技が言われた通りに出来るようになるまで反復させた。これは当然であり何ら新鮮味はない。だが、この高校ではその点が等閑にされていたようで、基本が出来ていなかった点をジョーンズ氏が是正されていたかに見えた。

何でこんな当たり前の話を引っ張ってきたかと言えば、球技だろうと何だろうと、練習を繰り返して積み上げていくべきなのは基礎であり基本技なのだ。それら以外に何かがあるかと言って誤りではないのだ。私はそれを高校生の段階まで行ってから作り上げるか、作り直していくのでは一寸遅いと思っている。

ではあっても、あの高校が今後あのジョーンズ氏の指導された通りの練習を積み重ねれば、何時かは強く且つ上手くなっていけると思っている。基礎を築き上げておけば、必ずその上に高度な技を組み立てることが可能になるのだ。

因みに、我が湘南高校が昭和23年の国体の決勝戦で負けた時には、その準備として基本技の練習をこれでもかとばかりに繰り返していたものだった。しかも、上級生とOBの方々からはジョーンズ氏と同様に「如何にして基本の技を身につけるか」を極めて理論的に繰り返し繰り返し指導されたのだった。何だ、結局はこれが言いたかったのかも知れない。でも、基礎と基本技が重要なのだと知らせる良い番組だったと、ジョーンズ氏を起用したNHKを褒めておきたい。



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