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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本テレビ福田博之社長の国分太一についての記者会見から

2025-06-21 08:34:39 | コラム
またJohnny'sの問題なのかと思われるだろうが:

本稿は「カタカナ語批判」である。昨21日から各局が一斉にこの案件を取り上げて、福田博之社長の記者会見も報じられた。だが、私には社長が何を言っておられるのかがサッパリ解らなかったし、記者たちからの突っ込んだ質問に対しても意味不明なカタカナ語を駆使して空疎な答え方をしていた。カタカナ語排斥論者の視点から言えば、カタカナ語の多用で不器用に、意図した訳でもなく、事案の焦点を外したとしか見えなかった。

では「何処かおかしなカタカナ語だったか」を取り上げてみよう。それは「事の内容が『プライバシー』であるから言えない」の連発と「コンプライアンス違反があった」とだけしか言われなかった点だ。私は敢えて「意味不明だ」と指摘する。何故ならば「プライバシー」と「コンプライアンス」はカタカナ語で、前者が英単語の誤用で、後者は「説明不足」だからだ。

他にも「降板」も私が長年批判してきた野球用語なのであって、不適切な言葉の使い方であると言いたいのである。では、何処がどう違うかを具体的に説明しておくと、

「プライバシー」=「privacy」:
解説)英語の“privacy” は「他人から干渉されない個人の自由領域」という意味なので、Oxford English Dictionaryにもこのように記載されている。英語の世界では「私生活への立ち入りを拒む権利」として法的に保護される意味を持つ。だが、カタカナ語の「プライバシー」は、しばしば「個人情報」や「何らか秘匿したい事情があって言えない」のような曖昧な表現に使われているのが宜しくない。

福田社長の場合の適切だったと思う表現は「個人の事情にかかわる為に、詳細への言及は差し控えます」か「本人の個人情報に関することなので、詳細は申し上げられません」のように言えば解りやすかったと思う。敢えて言うと「カタカナ語に頼るべきではなかった」のである。

「コンプライアンス」=compliance:
解説)この言葉は広く知られていると思う「法令遵守」を意味している。我が国ではしばしば「不祥事」の婉曲な表現として、「違反」と組み合わせて「コンプライアンス違反」として(マスコミに)使われている。これは「遵守義務違反」=「法律または社内規定に違反した」なのだが、気取ったのかどうか「コンプライアンス」か「コンプラ」などという形で使われてしまっている。チャンと漢字の言葉で言って貰いたい。

「降板」:
解説)言うまでもない事で、野球用語の転用である。即ち、投手の交代を言うときの表現で、私は寧ろ放送用語と言う方が適切だと思っている。それなのに、大臣や社長の交代のような重大な人事を報道するときにまで使ってしまい、しかも定番のように仕立ててしまったのだ。誰がって、「マスコミが」である。私は奇妙な用語だと嫌っている。軽佻浮薄だと思うのは当方だけか。

福田社長は今回のように局側の判断で国分太一を外したのであれば、「番組から外した」、「出演を見合わせることにした」、「契約を終了した」のように語れば、意味が明瞭になったと思って聞いていた。何も、一般人も聞いているだろう場で、業界用語を使う必然性はないと思うが、一般人はどのようにお考えだろうか。