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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月15日 その2 「トランプ大統領が日本製鉄のUS Steel買収を承認」の訂正版

2025-06-15 15:13:45 | コラム
アメリカの大統領がやっと決断出来たのか:

「2代続いて、アメリカ大統領に判断能力ありや」としても良かったと思っている。日本製鉄がUSSの買収を唱え始めてから1年半にも及ぶ期間を「あーだ、こーだ」と屁理屈を並べた立て(「失礼、反対論を展開して」と言うべきでしたかも)空費させたのだから。当初は、トランプ氏は不倶戴天の敵であるバイデン大統領が禁止令を施行したのだから、賛成に回るかと思えば同調したのだった。

だが、結局の所、承認するに当たって日本製鉄がアメリカ政府に対して経営上の重要事項に拒否権を持つ黄金株を発行することや、国内生産などへの関与を持つことを盛り込んだ、国家安全保障協定を締結させたのだった。この辺りを良く考えてみれば「トランプ大統領の支持層である所謂rust beltの労働者階級に対する合併承認の言い訳に過ぎないのではないか。

「判断が違っていますよ」と言っておくが「そもそもアメリカ合衆国が安全保障の障害として看做しておく必要があるのは、我が国だったのか」なのだ。USSを始めとするアメリカの鉄鋼業界を蹂躙したのは中国の世界第2位の宝武鋼鉄、第4位の河北鋼鉄、5位のPOSCO(韓国)、6位の江蘇沙鋼等ではなかったのか。そこを3位の日本製鉄が救済(と言って良いか)に乗り出したことをお忘れのようなのは宜しくない。

「言い訳」の根幹を成しているかのようなのが「黄金株」の取得である。これもトランプ大統領の手法である(例えばIEEPA=国際緊急経済権限法を根拠とするtariff作戦)のように既存の法制度を例外的に活用する作戦である。現在、アメリカ合衆国がそれほど国際的に緊急事態に直面しているのか。そうではないだろう。

ChatGPTによれば「黄金株(golden share)」という仕組みは、実はアメリカ発の慣習ではないのだ。「この制度はもともと欧州、特に英国やフランスなどで国有企業を民営化する際に国家が一定の影響力を保持するために用いた仕組み」なのだそうだ。例えば、英国政府はBritish TelecomやBritish Airwaysなどの民営化時に黄金株を保有し、重要事項への拒否権を確保していた」とあった。言うなれば、アメリカの企業の文化とは無縁だったのである。。

日本経済新聞によれば「日本製鉄による米USスチール買収計画を巡って、ラトニック米商務長官は5日、安全保障上の懸念を緩和する措置があれば「承認可能だ」とトランプ米大統領に勧告したと明かした。5月下旬に終わった当局審査のプロセスの一環でトランプ氏に賛意を伝えたと説明した」とあったが、側近からの進言を聞かないと言われるトランプ大統領が、珍しく聞き入れて動いた模様だ。

私は既にトランプ大統領の反対論は「装置産業であり素材産業であるUSSが世界の異常でどのよう弱い立場にあるかを全く弁えていない考えである」と否定してあった。つい先日我が家の隣人〔アメリカ人である〕も「時代遅れの設備を抱えて、価格的にも品質面でも世界の新興勢力に抵抗できずに競争能力を失っていることを認識できていない」と厳しく非難した事も取り上げてあった。

言うなればトランプ大統領は「USSが置かれている時代を認識できる所まで至った」のだ。自らの支持基盤である労働者階層の為を思ったのだろうUSSの保護政策が「国家の為になるかどうかは疑問」なのである。

トランプ大統領が日本製鉄のUS Steel買収を承認

2025-06-15 07:56:00 | コラム
アメリカの大統領がやっと決断出来たのか:

「2代続いて、アメリカ大統領に判断能力ありや」としても良かったと思っている。日本製鉄がUSSの買収を唱え始めてから1年半にも及ぶ期間を「あーだ、こーだ」と屁理屈を並べた立て(「失礼、反対論を展開して」と言うべきでしたかも)空費させたのだから。当初は、トランプ氏は不倶戴天の敵であるバイデン大統領が禁止令を施行したのだから、賛成に回るかと思えば同調したのだった。

だが、結局の所、承認するに当たって日本製鉄がアメリカ政府に対して経営上の重要事項に拒否権を持つ黄金株を発行することや、国内生産などへの関与を持つことを盛り込んだ、国家安全保障協定を締結させたのだった。この辺りを良く考えてみれば「トランプ大統領の支持層である所謂rust beltの労働者階級に対する合併承認の言い訳に過ぎないかのように見えるのだ。

「判断が違っていますよ」と言っておくが「そもそもアメリカ合衆国が安全保障の障害として看做しておく必要があるのは、我が国だったのか」なのだ。USSを始めとするアメリカの鉄鋼業界を蹂躙したのは中国の世界第2位の宝武鋼鉄、第4位の河北鋼鉄、5位のPOSCO(韓国)、6位の江蘇沙鋼等ではなかったのか。そこを3位の日本製鉄が救済(と言って良いか)に乗り出したことをお忘れのようで残念だ。

「言い訳」の根幹を成しているかのようなのが「黄金株」の取得である。これもトランプ大統領の手法である(例えばIEEPA=国際緊急経済権限法を根拠とするtariff作戦)のように既存の法制度を例外的に活用する作戦である。現在、アメリカ合衆国が国際的な緊急事態にあるかと言えば疑問ではないか。

ChatGPTによれば「黄金株(golden share)」という仕組みは、実はアメリカ発の慣習ではないのだ。「この制度はもともと欧州、特に英国やフランスなどで国有企業を民営化する際に国家が一定の影響力を保持するために用いた仕組み」なのだそうだ。例えば、英国政府はBritish TelecomやBritish Airwaysなどの民営化時に黄金株を保有し、重要事項への拒否権を確保していた」とあった。言うなれば、アメリカの企業の文化とは無縁だったのである。黄金株についての詳細は別途論じてみようかと思う。

日本経済新聞によれば「日本料理による米USスチール買収計画を巡って、ラトニック米商務長官は5日、安全保障上の懸念を緩和する措置があれば「承認可能だ」とトランプ米大統領に勧告したと明かした。5月下旬に終わった当局審査のプロセスの一環でトランプ氏に賛意を伝えたと説明した」とあったが、側近からの進言を聞かないと言われるトランプ大統領が、珍しく聞き入れて動いた模様だ。

私は既にトランプ大統領の反対論は「装置産業であり素材産業であるUSSが世界の異常でどのよう弱い立場にあるかを全く弁えていない考えである」と否定してあった。つい先日我が家の隣人〔アメリカ人である〕も「時代遅れの設備を抱えて、価格的にも品質面でも世界の新興勢力に抵抗できずに競争能力を失っていることを認識できていない」と厳しく非難した事も取り上げてあった。

言うなればトランプ大統領は「USSが置かれている時代を認識できたのか」状態に至ったのだ。自らの支持基盤である労働者階層の為を思ったのだろうUSSの保護政策が「国家の為になるかどうかは疑問だった」のである。