新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月17日 その2 アメリカと中国の首脳会談が開催された

2023-11-17 10:28:09 | コラム
会談が実現したことは非常に宜しかったと思う:

会談が実現したのは歓迎すべき事で、両首脳がその気になったことも非常に宜しかったとは思っている。だが、バイデン大統領は兎も角として、習近平主席が「そうですか、それでは心を入れ替えて世界の為に専横な振る舞いを控え、台湾の統一の為の軍事行動などを一切企てません」などと言う訳はないと見ていた。寧ろ、両国の首脳がその固い戦略と意志を改めて伝え合う場になるのだろうと推察していた。

バイデン大統領は中国の経済が不動産業界の苦境等で綻びを見せているし、一帯一路はこれまでの見通りではなかった様子であるくらいを読み切って臨まれただろう。一方の習近平主席だって、アメリカはウクライナとイスラエルの両方面の後押し、インレーション、トランプ氏支持派の勢い等々の好ましからざる要素を抱えているくらいは承知の上だっただろう。

何れにせよ、習主席側は国内向けにも一歩たりとも譲歩の姿勢は見せる訳にはいかなかっただろうと思ってみていた。だが、アメリカと中国の間が険悪化していくことは絶対に避けて欲しいのであり、両首脳とてもその点を認識していたからこそ、会談に臨まれたのだと解釈している。どちらに何らかの譲歩を期待するよりも、お互いに節度を守って現状の変更をすることなく維持しておいて欲しいと期待する。

当方はこの首脳会談はこれまでよりも遙かに重要で重いものがあると思っているので開催されたことを評価するのだが、この件はここでとして、目を国内に転じてみよう。

我が国では時事通信の世論調査では岸田内閣の支持率が21%にまで低下したとあった。この問題が一層深刻化したのだと考えざるを得ない。そんな時にでも、岸田総理はサンフランシスコで韓国との会談に出向いておられる。総理大臣としての使命だろうが、辛いものがあるなと同情したくなった。

当方は「岸田文雄総理大臣には『これだけは俺の信念であり、生涯かけてもやり通してみせねば』というような、何か絶対的な信念に支えられた彼としての唯一無二の課題があるのか」と疑わしくなる。それは、岸田総理はあれやこれやと余りに多岐にわたる事案を手がけておられるので、何を本当にしたいのかがハッキリと見えない感がある。それでは支持率には繋がらないのではと思わせてしまうのだ。

日韓首脳会談も結構な課題だと思うが、総理大臣に命を賭けてでも国内に山積する重要な課題の処理に一所懸命に当たって貰えないと、国民の生活は良くならないのだと、ご認識願いたいのだ。


わが国の報道機関はさぞかし満足したのでは

2023-11-17 07:38:18 | コラム
右翼団体の者が車でイスラエル大使館に突っ込んだ:

つい昨日「報道機関はその気で視聴者をミスリードしようとしている」と指摘したばかりだったが、見事にその成果が発揮されて見出しのようになってしまったのではないのか。いや、連日連夜あのようにハマスとパレスチナ側の提供する(のだろう)写真を掲げて如何にもイスラエルが非道であるかのように見せつければ、こういう事件も起きることは予見できていたはずだ。

昨日は産経新聞の宮嶋茂樹氏の「直球&曲球」を引用しておいたが、昨日発行された週刊新潮でも櫻井よしこさんがイスラエル対ハマスの争い(今回はイスラエルがハマスのテロに対して反撃に出たのだが)の実態と長い歴史のある背景を論じておられる。今や部数の減少が止まらない週刊誌なら論じられるのは何故だろう。

何度でも同じことを言うが、何も今になって宮嶋氏や桜井さんにlectureされずとも、彼ら報道機関がこれくらいのことを知らなかったとは言わせない。要するに「仮令承知していても『イスラエルの行動に正当性がある。長い間に世界にちりぢりバラバラにされたユダヤ人の積年の恨みがあるのだから』と報じたのでは、面白くもおかしくもない」のだろう。

イスラエルの行動を認めている世界の情勢に明るい仏文学者のTK博士でも「イスラエルはやり過ぎでは」との懸念を表明しておられる。ガザの直ぐ近所に駐在経験がある元商社マンは事が始まったときに既に「イスラエルは最後までやり抜いて止めない」と予告していた。桜井さんは「歴史上パレスチナという国が存在したことはない」と指摘しておられる。

彼ら報道機関は三つの宗教間の何千年もの争いがあったと承知しているはずだ。ハマスはアラーの神のためには自爆テロをも辞さないイスラム教徒を盾にしているかのようだ。ハマスが病院の地下に立て籠もっているとイスラエルが攻めれば、報道はイスラエルの主張は虚偽だというハマスの反論のみを主にして報じている。

彼ら報道機関は昨日の出来事のように、当事者でも何でもない我が国で、イスラエル大使館に車で突っ込む者が出てきて、さぞかし満足したのではなかろうか。彼らにそれが自分たちの報道の所為だとの自覚があるのだろうか。