新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

戦争を知らない世代が報道すると

2022-03-20 08:19:28 | コラム
マスコミは無邪気過ぎるのではないか:

ロシアの侵略は国際法違反だ。国際司法裁判所の判決無視だ:
マスコミはしきりにこういう非難をしている。国際司法裁判所(ICJ)も違反だと判決したと報じていた。ロシアというかプーテイン大統領が、あの侵攻を始める前に「もしも違反だと指摘されれば止める」と意識していたことがあり得るのだろうか。ロシアの盟友中国はICJの判決を紙屑よばわりしたではないか。プーテインとロシアに「正義とは」の認識があると思って報道するのは純情ではないかと思うのは誤りか。

安保理決議違反:
我が国では未だにUnited Nationsが正義の味方であり、Security council(SC)の決議を遵守し、そこに所属する諸国には信義もあり非道は許さないと純情にも信じている人たちは、上は国会から下はマスコミにもいるようなのだ。大体からして、ロシアと中国が拒否権を保有するSCのPermanent member(何でこれを常任理事国なんて表記するのか)であること自体が間違っていると思わないのだ。しかも、未だに敵国条項が外されていない我が国がpermanent memberになりたがっていることにも疑問を感じざるを得ない。私は「UN信仰は無用だ」と思うが。

ロシアは残虐だ:
マスコミは「ロシア軍はウクライナのマリウポリで多くの子供たちが避難していた劇場の前の地面に『子供たち』とロシア語で書き記してあったにも拘わらず攻撃して、130人ほどは救出されたが、未だに多数が瓦礫の下にあるのは非常に残酷で非道だ」と報じていた。確かにロシアがやることは非道であり非道徳的だと思う。

だが、私はあのロシアのことだから「子供たち」とあったのは、それこそフェイクであり、軍隊が隠れているのだと裏を読んだかも知れないと思ってしまうし、そもそもロシアという国は中立条約を無視して過去がある国なのだから、そういう悪逆非道なことをするだろうと受け止めた。それが戦争ではないのかとまで考えてしまった。戦争を知らない世代の人たちには戦場に於ける非道さは容易に理解できないのではないかとも感じたのだ。

危機管理能力:
ロシアの振る舞いを見て、中国の台湾侵攻や尖閣諸島の収奪を懸念する声がある。それは危機管理でも何でもない気がするのは誤りだろうか。私は河添恵子さんの演説を引用して何度か習近平の意図は「我が国の属国化」だと述べた。その対策が安保条約と憲法第九条だとすれば、余りにも純情過ぎないか。つい先日我々夫婦のパスポートが15年9月に失効してから更新していないことを笑われたことがあった。「それでは国外脱出出来ないよ」と。

それが本当の危機管理なのだそうだ。ウクライナ人は全員がパスポートを持っているのだろうか。所持していない人たちも、EU圏内を自由に移動する移民になれるのだろうか。

マスコミはnaïveではないか:
ここでの「ナイーブ」は広辞苑にあるような「素朴なさま、純真なさま、感じやすいさま」ではない。英語のnaïveとは「物を知らない経験と判断力不足で、他人は人を欺かないと信じていること」とOxfordにはあるが、通常は「間抜け」か「馬鹿」に近い意味で使われている。現代のマスコミ人に本当の戦争を見聞きしてきた世代はいないので、上述のような報道になるのだろうと思っている。