新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

嗚呼、日本大学フェニックス

2014-12-14 17:03:53 | コラム
甲子園ボウル観戦記:

「勝負に番狂わせはない。勝った方が強いのだ」が当方の持論だ。しかし、本日の甲子園ボウルでフェニックスが55対10で負けたことに対してまで、これを当て嵌めようという気力すら失わせられた負け方だった。フェニックスが出場した甲子園ボウルは過去に5回は見に行っていたが、これほどの負け方を見たことがない、と言うよりも、当方が見た限りでは3勝2敗で、その3勝は3年連続の圧勝だった。

事前に専門家筋から「遺憾ながら今年の関西学院大学ファイターズに対しては勝ち目がない」と聞かされてはいた。だが、まさか45点もの差がつくとまでは予想していなかった。解説の元立命館大学パンサーズの監督だった古橋氏は極めて控え目に関学の強さを讃え、日大の不運を指摘していた。だがしかし、フットボール経験者ではない私が見た限りでも、日大の単なる作戦負けでは片付けられない結果だった。

今になって批判しても詮ないことだが、第1Qに2シリーズ続けて10番を付けたQBを出した作戦は私には到底納得出来ないベンチの作戦ミスだったと思わざるを得ない。古橋氏が不運と形容したこのクオーターにおける日大の2度のミスなどは、私には「弱いが故に出たミス」としか見えなかったのは非常に残念だった。弱点は試合中のここぞという時に現れるものだという悪い例だった。

大学フットボールでは常に「西高東低」と言われているが、今年の甲子園ボウルほど明瞭にその傾向が現れた例を知らない。その他の球技である野球、サッカー、ラグビ-等では明らかに「西低東高」であるので、関学がフットボールだけでも西高東低の維持に懸命の努力をしていると勝手に考えてはいる。関東勢はこれから先には余程の努力を大学当局の後援を得てまでもしていかない限り、形勢逆転は大いなる難事業かと思わざるを得ない。

昭和30年以前までの大学サッカー界での関学や神経大学等の強さを思い出せば、今日の大学サッカー界の勢力図の変化には驚かざるを得ない。現に我が高校が昭和23年の第3回国体の決勝戦で敗れた広島師範附属高の3人の強力FWは全員関学に進み、その中の1人が元サッカー協会長だった故長沼健氏だった。

かくなる上は関学ファイターズが正月三日のライスボウルで社会人代表に勝つことを祈念して終わりたい。因みに、当方は日大の出身ではなく単なるフェニックスのファンの1人だ。余談だが、中継放送したNHKのBSで過去の日大対感学の試合の模様を振り返ってくれた際に、故篠竹監督と元日大高校監督の故清水之男氏の顔が見えたのは非常に懐かしく、昔の思い出と言うか感慨に耽っていた。

12月13日にテレビで楽しんだこと

2014-12-14 08:10:27 | コラム
天皇杯サッカーと辻井伸行君:

一昨12日からこのコンクリートアパートでの早朝の室温が18度に低下して、冬の本格化を実感させられている。湿度も何もしなければ40%台に達しない状態だ。

入院中に苦しめられた高齢化による腰椎の変形による腰痛も何とか低位安定してきたので、入院中の主治医の指示通りに午前中は買い物をかねて散歩に出た。だが、ダウンジャケット着用でも寒かったので早々に切り上げた。

天皇杯サッカーの決勝戦:
午後は何となく違和感が残った年内開催の天皇杯サッカーの決勝戦をテレビ観戦。J2の6位からプレーオフを勝ち抜いて出てきた山形モンテディオが、あの張り詰めた精神力が主たる戦力の一つとすら思わせるサッカーで何処までJ1を制覇したガンバ大阪とやれるのか、あるいは試合が出来るのかに関心があった。即ち、戦後出てきたあらゆるサッカーの選手の中で最も好ましい一人と思っている遠藤保仁がいるガンバの優勢は動かないと予測していたということ。

山形は全員が勝ってやろうとの気迫と気力十分で試合開始直後から非常に素早い寄せと当たりで高度な技術を持つガンバの動きを封じ、パスの出元を押さえ込んでいた。私はこういう限界に近いような気迫が何処までと言うか、90分間も維持出来るのかと危惧していた。すると、開始僅か4分で宇佐見にほぼフリーでシュートする形を作られ、そのシュートを気迫のGK山岸が前に弾いたところを詰めてきた宇佐見に決められてしまった。

実は、結果的にはガンバが3対1で勝ったのだが、私はここまでで勝負は終わったと思っていたのだった。経験上からも言えるのだが、前半の5~10分間が最も重要であり危険な時間帯で、ここを切り抜けて初めて本当の勝負に入っていくのだ。だが、山形は上位者を相手にしてここで失点してしまったので精神的な傷は見た目よりは深いと読んだ次第だ。

その後も山形は張り詰めた精神力を懸命に維持して巧みなサッカーをするガンバの出足を封じ、パスをインターセプションし、こぼれ球を拾い続けて攻め上がり追加点のチャンスを最小限に止めた真摯敢闘振りは賞賛に値すると感じさせてくれた。古く陳腐な表現を使えば、強敵と見て怖れず持てる力を最大限に発揮して、見事な形で1点を取って決勝戦に相応しい良い試合をしてくれたと思っている。

私は3点目を取られた時には限界を超えた1人の足がつって一時退場していた間だったのが、それがガンバとの力の差であり、勝負の厳しさというかイヤらしさ、ないしはそういう力の差は、こういう形で現れるものだと思って見ていた。

辻井伸行君:
彼の評判は良く知っているし、その生い立ちも知らされているし、その演奏も再三テレビで聞いている。偶然に買ったCDには彼のラベルの曲の演奏が最初に入っていたので、あのような曲の演奏も出来るとも承知していた。昨夜はBSフジでトルコの音楽祭に招待された彼の言わば演奏旅行記と、本番でのモーツアルトのピアノソナタ#11を聞くことが出来た。と解ったようなことを言うが、解説でその第三楽章が所謂「トルコマーチ」だったのだと教えられただけのこと。

彼の演奏を画面で見ると如何にも何処か張り詰めたような緊張感を伴う力演に見えるが、CDでは綺麗な技巧派に聞こえていた。テレビでは第一楽章から全曲を聴かせてくれたので、画面を見ずに音だけ聞いていると、私には非常に綺麗な良く音の粒の揃ったメリハリのある演奏だと思わせてくれた。良い音楽は何時聴くと心温まるというか落ち着かせてくれるものがある。

昨夜聞いたのか、以前に聞いたのか何故か記憶が定かではないが、彼が弾くショパンの英雄ポロネーズなどは私の好みの曲などで十分に楽しめる。昨夜はお陰様で良い音楽が聴けて良く眠れた。辻井君に感謝だ。