218『岡山の今昔』岡山市(東区)
この地域のおよその歴史的な歩みをいうと、鎌倉時代末期に建立された西大寺観音院の門前町として発展していく。それに、市場町、吉井川河口も含むことから、港町も兼ねて繁栄していた。これらをして文化財というべきは、湊町、門前町として栄えた歴史的な街並みだろう。また、裸祭りで有名な西大寺観音院、藤井の宿なども歴史的な文化遺産として有名だ。さらに戦国時代のこの辺りには、乙子城、沼城といった宇喜多氏ゆかりの遺跡、国指定史跡の大廻小廻山城があり、それらの跡は往生時の陣容を今に伝えている。柔らかい話処でいうなら、焼き物分野において備前焼との関係が指摘される万富東大寺瓦窯跡が残っている。
江戸時代に入ると、海岸部の干拓が進められることで、新田もできていく。それからも街づくりが進んでの現代、1953年(昭和28年)には、西大寺町と幸島村、太伯村など 9村が合併、西大寺市となる。
この地域のおよその歴史的な歩みをいうと、鎌倉時代末期に建立された西大寺観音院の門前町として発展していく。それに、市場町、吉井川河口も含むことから、港町も兼ねて繁栄していた。これらをして文化財というべきは、湊町、門前町として栄えた歴史的な街並みだろう。また、裸祭りで有名な西大寺観音院、藤井の宿なども歴史的な文化遺産として有名だ。さらに戦国時代のこの辺りには、乙子城、沼城といった宇喜多氏ゆかりの遺跡、国指定史跡の大廻小廻山城があり、それらの跡は往生時の陣容を今に伝えている。柔らかい話処でいうなら、焼き物分野において備前焼との関係が指摘される万富東大寺瓦窯跡が残っている。
江戸時代に入ると、海岸部の干拓が進められることで、新田もできていく。それからも街づくりが進んでの現代、1953年(昭和28年)には、西大寺町と幸島村、太伯村など 9村が合併、西大寺市となる。
その後は、「岡山県南百万都市構想」が台頭、これを経るうちに活路を岡山市との合併に求めることになっていく。それというのも、この建設計画というのは、岡山県南で33の市町村が合併しようというもので、岡山、倉敷という規模の大きい都市を中心に合併を進め、政令指定都市を目指した。けれども、現実には、各自治体の間を含め、色々な思惑か錯綜していたものと見られる。結局、ぶら下がられる側になる岡山、倉敷にメリットが薄い計画だった事もあり、計画は頓挫してしまう。
やがて、岡山市は、独自に政令指定都市への道を模索していく、その一環として、西大寺市にも合併の話が具体化していったようだ。そして迎えた1969年(昭和44年)2月18日に岡山市への西大寺市の編入合併が成立、16年間の市政にピリオドを打った。2009年4月1日には、岡山市が政令指定都市へ移行し行政区が置かれ、当地は東区の管轄となり、旧地域センター(支所)が東区役所本庁となる。
交通では、山陽本線の敷設に反対して鉄道通過地にならなかった経緯があった。そのため、新規交通網への参加が一時停滞したともいうものの、1962年には、国鉄赤穂線が開通して活気を取り戻す。
やがて、岡山市は、独自に政令指定都市への道を模索していく、その一環として、西大寺市にも合併の話が具体化していったようだ。そして迎えた1969年(昭和44年)2月18日に岡山市への西大寺市の編入合併が成立、16年間の市政にピリオドを打った。2009年4月1日には、岡山市が政令指定都市へ移行し行政区が置かれ、当地は東区の管轄となり、旧地域センター(支所)が東区役所本庁となる。
交通では、山陽本線の敷設に反対して鉄道通過地にならなかった経緯があった。そのため、新規交通網への参加が一時停滞したともいうものの、1962年には、国鉄赤穂線が開通して活気を取り戻す。
産業面では、国道250号の沿道から眺めるとしよう。この辺りは、岡山市有数の先端工業が集まっている。これへのアクセスとしては、山陽自動車道 山陽IC(インターチェンジ)を下り県道を国道250号線へ向かい南へ。東平島交差点で、北西方向へ下ってきた国道250号線と出会う。鉄道でいうならば、岡山駅へ近づいていく山陽新幹線に、その北から南下してきた山陽本線が出会い、JR上道駅からほど近くの道路沿いに着目しよう。すると、在来型軽工業や船舶プロペラのナカシマプロペラ、電気機械器具製造の工場が次々と並んで立地しているのが見てとれる。
次いで工業団地ということでは、吉井川の下流に沿って金岡町の南側に位置する九蟠(くばん)において、1976年(昭和51年)に瀬戸内工業団地協同組合が創立されたのを嚆矢(こうし)とすべきだろうか、当時から農業機械、自動車、建築、産業機械、食品など多岐にわたる業種が集まり、日本の産業構造の変化、経済発展など大きな変遷を経験し、紆余曲折を経て現在に至っている。
そのほか、瀬戸地区のビール工場などが集積している。さらに •北部の丘陵地帯では、白桃と同じく岡山を代表する果樹栽培にブドウがあり、黒系、青系、紫系の3系統に分類できよう。その中でも現代の「一押し」とされているのは、種が無く大粒で味と酸味のバランスがよいピオーネ(黒系)、同じく種無しで甘くて皮ごと食べられるのが人気のシャインマスカット(青系)、芳醇な香りとブドウ本来の甘味を味わえるマスカット・オブ・アレキサンドリア(青系)といったところか。それから、南部の農地に眼を向けると、岡山市でも有数の穀倉地帯を広がっている。
○かねてから同区の工場街で操業している船舶用プロペラ大手のナカシマプロペラ(岡山市東区上道北方)が、ドイツの大手船舶用機器メーカーを買収したことが4月12日に分かったという。買収額は不詳ながら、同社にとって過去最大クラスの投資という。 相手方は、大型船のかじやプロペラの前に取り付ける省エネ装置で世界トップ級のシェアを持つ「ベッカーマリンシステムズ」。
狙いとしては、技術面での向上であるとされ、具体的には、「主力のプロペラを含め、船舶の推進力や燃費を左右する船尾周辺設備の一貫製造で相乗効果を発揮し、業容拡大を目指す」(2021.4.12付け山陽新聞電子版)と紹介される。
同社関係者による話としては、ベッカー社の株式の51%を3月31日、子会社のナカシマヨーロッパ(オランダ)が取得したもの。役員を選任する経営委員会を新たに設け、定員5人のうち3人を中島崇喜社長らナカシマプロペラ幹部が占める形だという。
狙いとしては、技術面での向上であるとされ、具体的には、「主力のプロペラを含め、船舶の推進力や燃費を左右する船尾周辺設備の一貫製造で相乗効果を発揮し、業容拡大を目指す」(2021.4.12付け山陽新聞電子版)と紹介される。
同社関係者による話としては、ベッカー社の株式の51%を3月31日、子会社のナカシマヨーロッパ(オランダ)が取得したもの。役員を選任する経営委員会を新たに設け、定員5人のうち3人を中島崇喜社長らナカシマプロペラ幹部が占める形だという。
○文化面では、2021年12月13日の西大寺観音院(東区西大寺中)を舞台とする裸祭り「西大寺会陽」奉賛会は、2022年2月19日の会陽について、2年連続で宝木(しんぎ)争奪戦を見送り、無観客で開催すると発表した。国重要無形民俗文化財の催しながらも、新型コロナウイルス感染予防のためやむを得ないと判断したもの。
福男は選ばず、祝い主に直接宝木を授けるという話で、宝木は例年通り午後10時に投下。本堂大床には祝い主の関係者だけが上がり、宝木を受け取る形だ。なお、宝木を作る道具を手入れする「会陽事始め」といった関連行事は行うという。
この「会陽」だが、1510年辺りか、年長者らに(宝木に当たる)牛玉紙(ごおうし)を授けたのが始まりと伝わる。ちなみに、コロナ禍で迎えた2021年は争奪戦を初めて中止し、歴代福男の中から札引きの儀式によって福男を決めたようだ。
福男は選ばず、祝い主に直接宝木を授けるという話で、宝木は例年通り午後10時に投下。本堂大床には祝い主の関係者だけが上がり、宝木を受け取る形だ。なお、宝木を作る道具を手入れする「会陽事始め」といった関連行事は行うという。
この「会陽」だが、1510年辺りか、年長者らに(宝木に当たる)牛玉紙(ごおうし)を授けたのが始まりと伝わる。ちなみに、コロナ禍で迎えた2021年は争奪戦を初めて中止し、歴代福男の中から札引きの儀式によって福男を決めたようだ。
○東区の「保健福祉・子育て」については、岡山市が2016年に作成した、次の報告があり、これに沿った現状認識を重ねることが期待されよう。
「・高齢化率が30%を超える地域が存在する。・病院・診療所数は本市の約10%、病床数は7.9%と、4区の中で最も少ない。・合計特殊出生率は1.377(2013)と4区の中で最も低い。・健康市民おかやま21東区地域推進会議が健康づくり活動を進めている。歯と口腔(こうくう)の健康づくりを重点的に取り組んできたが、さらに運動を通じた健康づくりに取り組むなど活動の幅を広げている。」(岡山市「区の概況、現状と課題」2016年6月の中の「区別計画策定に向けた検討シート(東区)」)
「・高齢化率が30%を超える地域が存在する。・病院・診療所数は本市の約10%、病床数は7.9%と、4区の中で最も少ない。・合計特殊出生率は1.377(2013)と4区の中で最も低い。・健康市民おかやま21東区地域推進会議が健康づくり活動を進めている。歯と口腔(こうくう)の健康づくりを重点的に取り組んできたが、さらに運動を通じた健康づくりに取り組むなど活動の幅を広げている。」(岡山市「区の概況、現状と課題」2016年6月の中の「区別計画策定に向けた検討シート(東区)」)
○「岡山県の「街の幸福度&住み続けたい街ランキング」結果は?」(見出し報道)
大東建託は岡山県に住む成人を対象に、居住満足度調査を実施した。その結果、岡山市東区は、「住み続けたい街ランキング」の1位の総社市、2位の「浅口市」に次いで3位だったという(2021年11月27日配信の「ヤフーニュース」電子版)。 交通の利便性や区民への行政サービスのよしあしが相対評価で最上位クラスのプラスに触れているのは、包容力とでもいおうか、伝統の賜物によるものであろうか、それとも斬新な内容が含まれているためなのだろうか。
(続く)
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