ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・中つ巻(12)美夜受比売が待つに 月が立つ

2013年03月11日 | 古事記ものがたり
美夜受比売みやずが待つに 月が立つ

更に 奥へと 進まれて
蝦夷えぞ手懐てなずけて 荒神あらがみ
ち平らげて 帰路辿たど

新治にいばり筑波つくば 後にして
足柄山あしがら越して 甲斐国かいくに
酒折宮さかおりみやで 謡う歌

新治にいばり筑波つくば 通り来て
幾夜いくよ幾晩いくばん 過ごしたことか

  新治にいばり 筑波つくばを過ぎて
   幾夜か寝つる
                ―古事記歌謡(二十六)―

火焚ひたじじいが こたえて謡う

重ねた夜は ここのつで
日では十日に 御座おわします

  日々かがべて には九夜ここのよ
  日には十日とうか
                ―古事記歌謡(二十七)―

殊勝しゅしょうな奴と 倭建命たけるみこ
東国あずま国造みやつこ たまいて与う












甲斐から信濃 神坂峠みさか越え
尾張熱田あつたに 待つ美夜受比売みやず

馳走ちそう酒杯さかづき 注ぐ裾
月のさわりの み血跡
見たる倭建命たけるの 謡う歌

香久山渡る 白鳥くびどり
輝き伸びる 細首くびの様な
ぼそかいなの しなやかを
いだきき枕と べしとぞ
いざ共寝ともねをと おもたれど
着たる羽織はおりの 裾のはし
月障つきのぞいて るぞいな

   久方の 天の香具山
  利鎌とかまに さ渡るくび
  弱細ひわぼそ たわかいな
  かんとは 我はすれど
   さ寝んとは 我は思えど
  せる 襲衣おすいの裾に
   月立ちにけり
                ―古事記歌謡(二十八)―












光る日の神 そのお子の 
この国べる 大君よ
年がめぐりて 過ぎ行けば
 も変わりて 過ぎて行く
ほんに 真実まことに 無理からぬ
長の 月日を 待ちかねて
わらわ羽織はおりの 裾にさえ
月出 でくるも 無理からぬ

  高光る 日の御子みこ
   やすみしし 我が大君
  あらたまの 年が来経きふれば
  あらたまの 月は来経きへ
  うべな うべな うべな 君待ちがた
  我がせる 襲衣おすいの裾に
   月立たなんよ
                ―古事記歌謡(二十九)―


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