■白鳥飛ぶよ 大和向け
訃報受けたる 妃・御子
能煩野来たりて 御陵造り
嘆き這いずり 泣き歌う
御陵傍田圃 稲茎に
匍い絡まれる 山芋の蔓
這いずり嘆く 遺れる我ら
水漬きの田の 稲茎に
稲茎に 匍い廻ろう
ところ葛
―古事記歌謡(三十五)―
抜け出る御霊 御陵の上
白鳥なりて 天翔る
妃・御子等の 追い行くに
篠竹の切株 足を裂く
海水は絡めて 足を取る
なおも泣き追い 謡う歌
低小竹原に 腰難渋む
空飛びは適わず 足とぼとぼと
浅小竹原 腰なずむ
虚空は行かず 足よ行く噫
(足にて行くよ 情けなや)
―古事記歌謡(三十六)―
浸かり海路は 腰難渋む
川浮く草の 漂うに
似て浮遊うて 海路行く
海処行けば 腰なずむ
大河原の 植草
海処は 浮遊う
―古事記歌謡(三十七)―
翔る白鳥 磯へ飛ぶ
せめて浜居れ 謡う歌
浜飛び行けば 追い行くを
ああ白鳥が 磯を行く
浜つ白鳥 浜よは行かず
磯伝う
―古事記歌謡(三十八)―
天翔白鳥は 河内国
志紀に至るに 造る御陵
今云う白鳥 御陵なり
したがまた白鳥 飛び行きて
天空高く 雲彼方
訃報受けたる 妃・御子
能煩野来たりて 御陵造り
嘆き這いずり 泣き歌う
御陵傍田圃 稲茎に
匍い絡まれる 山芋の蔓
這いずり嘆く 遺れる我ら
水漬きの田の 稲茎に
稲茎に 匍い廻ろう
ところ葛
―古事記歌謡(三十五)―
抜け出る御霊 御陵の上
白鳥なりて 天翔る
妃・御子等の 追い行くに
篠竹の切株 足を裂く
海水は絡めて 足を取る
なおも泣き追い 謡う歌
低小竹原に 腰難渋む
空飛びは適わず 足とぼとぼと
浅小竹原 腰なずむ
虚空は行かず 足よ行く噫
(足にて行くよ 情けなや)
―古事記歌謡(三十六)―
浸かり海路は 腰難渋む
川浮く草の 漂うに
似て浮遊うて 海路行く
海処行けば 腰なずむ
大河原の 植草
海処は 浮遊う
―古事記歌謡(三十七)―
翔る白鳥 磯へ飛ぶ
せめて浜居れ 謡う歌
浜飛び行けば 追い行くを
ああ白鳥が 磯を行く
浜つ白鳥 浜よは行かず
磯伝う
―古事記歌謡(三十八)―
天翔白鳥は 河内国
志紀に至るに 造る御陵
今云う白鳥 御陵なり
したがまた白鳥 飛び行きて
天空高く 雲彼方