ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・中つ巻(15)仲哀天皇 神託誹り

2013年03月21日 | 古事記ものがたり
仲哀ちゅうあい天皇おおきみ 神託そし

景行けいこう天皇おおきみ そのお子で
倭建命やまとたけるの 弟の
若帯日子命わかたらしひこ 即位して
成務せいむ天皇おおきみ お成りなる

国のさかいを 定められ
国造くにのみやつこ 国々に
県主あがたぬしをば あがた








建内宿祢たけうちすくね 取り立てて
役目大臣おおおみ 任命まかすなり

成務せいむ天皇おおきみ 後継ぐは
倭建命たけるみことの お子様の
帯中津たらしなかつの 日子ひこみこと 
仲哀ちゅうあい天皇おおきみ その人ぞ

















筑紫香椎かしいに でまされ

熊曽くまそを討つに 神託しんたく
皇后息長帯おきながたらし 比売命ひめみこと
   ( 神 功 皇 后 )
神霊れい寄せきの 祈りする

仲哀天皇きみ爪弾つまびく 琴に寄せ
神のおおせは 如何いかなりと
建内宿祢たけうちすくね 問い掛けに 









きたる神が もうさくは
「金銀宝物ほうもつ とみてある
  西ある国を 与うるに」

聞きて仲哀天皇おおきみ 怪訝けげん
「西のぞみても 国見えず
  大き海原 あるのみぞ」







偽言ひがごとなさる 神なりと
思い琴め 黙られる

いたる神は いか
なんじ統治おさめは ならじかし
 落ちや黄泉よみくに 今ただち」

建内宿祢すくね驚き 申し
「琴を遊ばせ 天皇すめらみこ

琴の音色ねいろは 気抜けおと
やがて 細々 消えゆけば

既に仲哀天皇おおきみ 崩御みまかりき