ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

古事記ものがたり・中つ巻(16)神功皇后 海越え渡る

2013年03月25日 | 古事記ものがたり
神功皇后じんぐうこうごう 海越え渡る

おそ戦慄おののき 亡骸なきがら
殯宮もがりに移し 祭壇だん造り
供物くもつ揃えて まつ

罪云う罪を ことごとく
清めけがれを はらい去り

建内宿祢すくねまたく 神託しんたく
たがわず前言まえと 同じにて

「国統治おさめるは 胎内はらなか
 おのこなるぞよ く言うは
 天照大御神あまてらすみこ 意志なるぞ

 我れは伊耶那岐命いざなき 黄泉よみ帰り
 けがみそぎに 生まれたる

 住吉大神すみよしかみの三つ柱
 底筒男そこつつのおと 中筒男なかつつお
 上筒男うわつつのおの 神々ぞ

 なんじ西国にしくに 得んと
 天神てんかみ地神ちかみ 山の神
 川海かわうみ神に 供えして

 我ら住吉すみよし 大神御霊かみみたま
 船まつり乗せ 海渡れ」

神功皇后じんぐうこうごう 舳先へさき立ち
軍船ふねを並べて 進めるに

うおうお つどい来て
背負せおい担ぎて 軍船ふね渡す

追い風吹いて 乗る大波なみ
新羅しらぎ国中くになか 軍船ふね運ぶ

おそ平伏へいふく 新羅国王しらぎおう
 今より我れは 馬飼に

 船を並べて 貢物みつぎもの
 まつかよわん 永久とこしえに」

征伐終えし  神功皇后こうごう
にわか産気さんけの しずめにと
こし巻いて ご帰還に

筑紫伊斗いと村 鎮石いしまつ
無事の出産 されしは
後の応神おうじん 天皇すめらみこ

時に神功皇后こうごう 副食おかずにと
うえ立ちて 衣糸ふくいと
飯粒めしつぶ餌に 鮎を釣る
















 も玉島 乙女等は
四月 来たらば 岩立ちて
糸飯いとめしって 鮎を釣る