ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集1月(その1)

2009年08月21日 | 日めくり万葉集
■平成21年8月21日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★蒲生野の薬狩り 久しぶりに会う かつての恋人 大海人皇子おおあまおうじ額田 王ぬかたのおおきみ
 近づく皇子に おおきみは うたい懸ける
 
あかねさす 紫野行き 標野しめの行き 野守は見ずや 君が袖振る
《春野摘み 野守りが見るで して こっちを向いて 袖振ってたら》
                         (巻一・二〇)―額田 王ぬかたのおおきみ

★委細構わず 近づき 詠い返す 大海人皇子
紫の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我恋ひめやも 
《そういな 可愛かいらしお前に 連れ合いが るん承知で さそたんやから》
                         (巻一・二一)―大海人皇子おおあまのおうじ

★因幡赴任の 大伴家持 新春の寿ぎ歌を詠う 万葉集最終歌
あらたしき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事よごと
《新年と 立春はる一緒来た 雪までも こんなえこと ぎょうさん積もれ》
                         (巻二十・四五一六)―大伴家持おおとものやかもち

恭仁京くにきょうが一望される高台 都移り後 三年みとせ 新春の宴での 寿ぎ歌
一つ松 幾代かぬる 吹く風の 声のきよきは 年深みかも
《風の音 爽やかなんも そのはずや この一本松まつのきの 年輪とし見た分かる》
                         (巻六・一〇四二)―市原 王いちはらのおおきみ

★山部赤人の代表歌 薩埵峠さったとうげからの景観は まさにこの歌が 詠まれた景色
田子の浦ゆ うち出でて見れば ま白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける 
《田子の浦 回って見たら パッと富士 山のてっぺん 雪降ってるで》
                         (巻三・三一八)―山部赤人やまべのあかひと

ねた女の 可愛いい心と見るか これでは行く気もえるか すべては男しだい
来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを 
《来るても ん時もある てる るかと待たん んて言うんを》
                         (巻四・五二七)― 大伴坂上郎女 おおとものさかうえのいらつめ

歴史編(1)嫉妬しまっせ皇后はんも

2009年08月21日 | 歴史編
■平成21年8月21日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
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★浮気心旺盛な仁徳に 嫉妬する 磐姫いわのひめ
 恋しい思いに 心は揺れる 



●焦躁●
君が行き 長くなりぬ 山たづね むかへか行かむ ちにか 待たむ
《あんたはん 行ってしもうて なごうなる うちから行こかな それともとか》
                         ―磐姫皇后いわのひめこうごう―(巻二・八五)
あきらめ●
かくばかり ひつつあらずは 高山の 磐根いはねきて 死なましものを
《いっそ死の こんなくるして 悩むなら 奥山行って 岩枕して》
                         ―磐姫皇后―(巻二・八六) 
●執念●
ありつつも 君をばたむ 打ちなびく わが黒髪に しもくまでに
《死ぬもんか 生き続けたる あんた待ち うちの黒髪 しろうなるまで》
                         ―磐姫皇后―(巻二・八七) 
●絶望●
秋の田の 穂のらふ 朝がすみ 何処辺いづへかたに わがこひまむ
《こんな恋 消えてもえで 霧みたい 行くとこうて ただよう恋は》
                         ―磐姫皇后―(巻二・八八) 



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